里山の自然学校2021
第01回《春の里山》

【2022/4/17 更新】

日時 2022年 4月17日(日) 10:00〜15:00 曇
場所 生田緑地 市民活動室、生田緑地
参加(里山の自然学校 3年生)池上豪一郎
  (里山の自然学校 2年生)久保田あかり、柴田綾乃、舟越 葵、畠山泰知
  (里山の自然学校 1年生)安達湊都、岩瀬恵育、塩田采央、辻 伊晴、
              石垣来花、伊藤奏人、井上和音、卜部愛理、川口珠璃、河村桧弦、
              久保田隼人、小林紗羅、北條真海、山内貴心
                         19 名(2人欠席)
講師(事務局) 岩田臣生、岩田芳美     
講師・応援   佐藤登喜子、伊澤高行
卒業生サポーター 軸丸朝咲、原田天雅      合計 25 名

令和4年度里山の自然学校の第1回<春の里山>の日を迎えました。
講師メンバーが減って、二人になってしまったので、参加者募集は 10人にして、ホームページと生田緑地内の掲示板にポスターを貼るだけにしたのですが、 募集開始日のみで 20人を超えてしまい、翌日以降の申込には、お断りさせてもらい、参加者 21人でスタートすることにしました。
中学生になった卒業生が数人、参加者に非常に近いサポーターとして、都合の良い日には参加してくれることになり、今回は二人の参加を得ました。
また、今までも、田圃活動や、プールでの活動には、水田ビオトープ班の班員に応援を求めていましたが、その班員の中でも昆虫に関心の高い伊澤さんに、応援を求めました。
春夏秋冬の里山の回でも、年寄二人では、体力的に対応できない時もあると思いますので、相談したら、仕事が休みの日なら参加できるという返事をいただきました。
また、観察対象の多い春の回ですので、私たちの知識不足を補ってもらうために、植物班の副班長にも参加してもらいました。
新型コロナ感染が治まらない中での活動なので、参加者の日常を知らない私には不安な第1回でしたが、開催することにしました。
市民活動室は、25人が集まるには狭いと思うのですが、第1回のスタートは保護者の皆さんも参加することが予想されたので、市民活動室ではなく、生田緑地整備事務所裏を使わせていただきました。
幸い天気にも恵まれ、名札と手帳を渡して、講師及び参加者の自己紹介、里山の自然学校参加申込時の里山の自然学校に対する期待、希望などを発表してもらうことができました。
以前は、年間の活動全てについて説明するオリエンテーションでしたが、それでは話が長くなるので止めて、今回、萌芽更新地区で行う樹木観察活動のためのグループ分けだけを行いました。

谷戸に降りる階段の東側(山側斜面)のハンショウヅル、タマノカンアオイなどの説明をしましたが、タマノカンアオイの花が見つかりませんでしたので、 タマノカンアオイの花は後で別の場所で観察してもらうことにしました。
また、この斜面には数種のシダが観察できましたが、顕花植物とシダ植物についての話に止め、胞子嚢を観察して、個別の名前ではなく、シダの仲間として認識することを教えました。
そして、ピクニック広場に進みました。

ピクニック広場下地区の分岐付近までの間で、ヤブニンジン、クサイチゴ、ムラサキケマン、キランソウ、タチツボスミレなどの花との出会いがありました。
ニワトコは、花が実に変わろうとするところでした。
また、アカハネムシ成虫、イチモンジカメノコハムシ成虫、シラケトラカミキリ成虫、ハムシの仲間などの昆虫にも出会いました。



萌芽更新地区は、やり直しの伐採更新が進み、目標植生としての「萌芽更新を観察できる雑木林」に近づいたと思っています。
前回の冬の里山から始めて、里山の自然学校の活動によって、観察会的利用を試しています。
今年度は、1本の樹木について、春夏秋冬の4回、観察していく活動を試みようと考えました。
その4回の観察を、一人ではなく、グループの共同作業として実施することにしました。
今回は班毎に、観察対象にする樹木を決めて、思い思いに観察し、手帳に記録する活動をしてもらいました。
里山の自然学校の観察は短い期間ですので、種子から発芽して 2〜3年という稚樹は止めるように指導しました。
グループワークにしたのは、新しい友だちをつくってもらいたいと思ってのことなのですが、相性が悪くてか、不愉快な思いをすることになった子がいたことが分かりました。

谷戸に降りる階段の山側でのタマノカンアオイの花の観察ができなかったので、雑木林の中のタマノカンアオイの花を観察しました。

シロシタホタルガの幼虫を見つけた子がいました。
直接触るのが嫌だったのでしょう、サワフタギの枝先が一緒でした。




A班は、若いイヌシデを選びました。
選んだ理由が、イヌシデメフクレフシという虫こぶがいくつも見られたことだったようです。
イヌシデの花の季節は終わっていて、私の記憶では、このシヌシデは開花していなかったと思うのですが、来訪昆虫など、子供らしい観察が楽しみです。

B班は、2019年1月19日の里山倶楽部で伐採したミズキを選びました。
伐採後 3年経って、数本の萌芽枝が 3m以上の成長しています。
この木には、脱皮途中のトホシテントウ、1mm大のカタツムリが数個体、蛾の卵塊が2つなど、子どもたちの複数の目は素晴らしい状態観察を行ってくれました。
伐採後3年で花が咲くのか、今後、どのような昆虫が生活するのかなど楽しみです。

C班はマユミを選びました。
小さな蕾が沢山ついていて、これから花が咲いて、実がなるので、夏から秋の観察が楽しみです。

D班は、初めはB班の近くの樹高1mほどのミズキを選んだのですが、冬の里山までの観察であることを考えて、別の木を選ぶように指導しました。
そのため、だいぶ悩んだようでしたが、ムラサキシキブに決めました。
萌芽更新地区の低木を優先する種で、先ほど出会ったイチモンジカメノコハムシの食樹ですので、子どもたちの複数の目の観察が楽しみです。


萌芽更新地区での樹木観察の活動は終わりにして、梅の木広場に向かいました。
小さなムラサキシキブの葉上に、イチモンジカメノコハムシがいました。
ハナイカダの葉上に蕾とガガンボの仲間が見られました

ハンノキ林上で、生田緑地の湧水の話や、ハンノキ林の話をしてから、ハンノキ林上の池でアズマヒキガエルのオタマジャクシを観察しました。

ハンノキ林では、木道上からジロボウエンゴサクの花を観察しました。
ピクニック広場で観察したムラサキケマンと同じ仲間です。

梅の木広場で、広がって、バラバラになって、昼食のお弁当を食べました。

ウラシマソウを観察しました。

昼食が済んだところで、集合写真を撮りました。

上の田圃で、アズマヒキガエルのオタマジャクシを手で掬って遊びました。
付近の沢からは、シュレーゲルアオガエルの声が響いていました。
アズマヒキガエルは国産最大のカエルです。
この田圃のオタマジャクシは、3月15〜16日の蛙合戦で産卵された卵が孵化したものです。

ヨシ原近くで、カサスゲを観察しました。

芝生広場に寄って、フデリンドウを観察しました。

生田緑地整備事務所に戻って、市民活動室に入り、感想文を書きました。

感想文は全員に発表してもらいました。

次に、萌芽更新地区での樹木観察について発表してもらいました。

次に、卒業生サポーター、講師からも感想を発表し、この日の活動を終えました。


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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation