里山の自然学校2017 第6回 案山子づくりと生物調査


里山の自然学校2017
第6回《案山子づくりと生物調査》

【2017/8/7 更新】

日時 2017年8月6日(日) 10:00〜15:00 曇
場所 生田緑地 市民活動室、ハンノキ林上の池、梅畑〜上の田圃
参加(里山の自然学校3年生)工藤千穂、佐藤晴奈、軸丸陽希
  (里山の自然学校2年生)猿谷明衣、鈴木美舟
  (里山の自然学校1年生)福田公成、中村一冴、和 朋花、杉本大知、花岡澄空、本田琉惟、村上晄乃進
       森村 玄、森村 舜
                           14名(今年度登録参加者 22名、今回欠席者 8名)
講師 岩田臣生、岩田芳美、梅原和仁、神山幸雅、藤間X子             計19名

案山子づくりと生物調査というプログラムは、田舎を持たない都会の子どもたちのために、夏の野遊び体験をさせてあげようということで、特別回として組んだものでした。
しかし、夏休みの予定を立てる時に、里山の自然学校を前提に組む子が増えてきて、休む子どもが少なくなったので、年間の通常のプログラムとして位置付けるようになりました。
谷戸の田圃活動では、案山子は無ければ困るというものではありません。
何のための案山子かと言えば、谷戸の田圃景観をつくるためのものと考えています。
里山の自然学校では、谷戸の緑の中で目立つ色の古着のTシャツを、参加者から寄付していただいて、それを着せるというだけのシンプルな案山子をつくって、田圃に立てています。
そんな案山子づくりは、大勢で共同作業をするには向いていませんから、案山子づくりに参加しない子どもたちの活動として考えたのが、生物調査という名のアメリカザリガニ駆除作戦です。
ご存知のように、アメリカザリガニはウシガエルの餌として神奈川県に持ち込まれたもので、逃げ出したものが忽ち国内各地に広がってしまった侵略的外来種です。
在来の生物の棲息環境を保全する立場からは、積極的に駆除をしなければならない生物です。
ハンノキ林上の池は、私たちが活動を始めた頃には、既にアメリカザリガニ釣りのポイントとして知られ、多くの子どもたちが通っていました。
小さな池なので、一網打尽にする方法もありそうに思うのですが、泥の掻い掘りすら、なかなかできません。
里山の自然学校のザリガニ釣りは、谷戸の水辺の自然を保全するためには、非常に重要な活動になっています。
さて、この日の案山子づくりには、女の子 4人と男の子 2人が参加することになり、残る7人が生物調査に参加しました。(この日の参加者14名のうち、1名は昼から、1名は昼過ぎまでの参加でした。)
お昼のお弁当も野外で食べるつもりで、荷物は全て持って、谷戸に向かって出発しました。

(岩田は)ハンノキ林上の池では、竿にするためのアズマネザサを取っておいて、案山子づくりを行う梅畑に向かいました。


案山子づくりは梅畑下のカキの木の下で行いました。
案山子は、先日伐り出しておいた長さ 3.15mの細めのモウソウチクの竿を芯に使います。
頭部は、予め筒状に縫った袋に籾殻をつめておいたものを、ここで、このモウソウチクの竿に縛り付けました。
腕はシャツを着せた状態にしてから竿に縛りつけました。
頭部や腕がクルクル回ってしまわないように、また落ちないように、しっかり固定しなければなりません。
そこまでやってから、ハンノキ林上の池に移動しました。

オオモンクロベッコウがイオウイロハシリグモと思われるクモを運んでいました。
オオモンクロベッコウというハチは、地中に巣を掘り、大型のクモを狩って巣に運び込み産卵してから、巣穴を塞ぎます。 クモは神経中枢を刺されて麻酔をされた状態に保たれ、孵化した幼虫のための生餌となるのです。


ハンノキ林上の池に戻ると、池の水は濁り、デッキの上は泥だらけで、バケツの中にはアメリカザリガニが20匹は入っていましたが、子どもたちは皆、釣れないとぼやいていました。
話を聞いてみると、カエルを採ろうとして網を使って掻きまわした人がいて、それから釣れなくなったというのです。 。
網を使ったら釣りができなくなるから、絶対に網を使うなと言っておいたのに、誰かが使って荒らしてしまったようです。
暫く様子を見ていましたが、皆の意気も低下しているようだったので、ハンノキ林上の池は諦めて、田圃に移動することにしました。


案山子づくりは、女の子チームと男の子チームがそれぞれ話し合って、 1体ずつつくりました。

木道の手すりに、柿の葉でつくった蓑を着たミノムシ(ニトベミノガ?)がいました。

案山子づくりチ−ムが案山子を完成させました。


ザリガニ釣りチームが梅畑に着いた時には、案山子づくりは終わっていました。

早速、田圃のわきに案山子を立てました。
田圃の稲が出穂し始めていました。

お昼のお弁当にしました。


お弁当を済ませてから、田圃の生きもの探しをしました。
谷戸の田圃は、こうした時のために、畦から1m程離して苗を植えています。

ヤマトタマムシがいました。

集合写真を撮りました。


暑さの中の活動は程々にして、市民活動室に戻って、第3回「プールのヤゴの救出作戦」以降の活動を振り返ることにしました。
感想文は、皆の前で発表してもらいました。



※第10回里山の自然学校「秋の里山」は 11/23(木)に変更しました。注意してください。

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