里山の自然学校2009
特別回《ドングリひろい》
【2009/10/13 更新】
日時 10月12日(日) 10:00〜15:00 晴
場所 青少年科学館、生田緑地 参加者 福江祥充、豊島芳璃人 2人 講師 岩田芳美、岩田臣生 久し振りの特別回は「ドングリひろい」とし、生田緑地で拾えるドングリはどんなものがあるのかを調べて歩くことにしました。 青少年科学館前に集合して出発です。まずはマテバシイのドングリが沢山落ちていました。 続いてスダジイです。シイのドングリは食べられます。 不思議なキノコが生えていました。見た目も、掴んだ硬さもジャガイモです。手で強く掴んでも変色しません。 割ってみると内部が黒く、時間が経って黒色化したものではありません。 ニセショウロの仲間でしょうか。 でも匂いは殆ど感じません。悪臭はしません。むしろ微弱ながら良い香りがしているような気がします。 キノコ班に見てもらうことにしましょう。 メタセコイアの林の下にはメタセコイアの球果が落ちていました。 台風で落ちたのでしょう。まだ緑色の球果も落ちていました。 旧岡本谷戸の園路の排水路にはコナラのドングリがたまっていました。 トウカエデの種子が落ちていました。 トウカエデは中国東南部を原産地とする帰化植物で、江戸時代に渡来した落葉高木です。 生田緑地のものは、園路沿いに植栽されたものが残っています。 幹の樹皮が縦に剥がれたようになっているのが特徴です。 カエデの仲間の特徴として種子に翼がついています。子どもたちは、早速、投げてみて、落ち方を調べていました。 また、翼のある種子が沢山落ちていました。でも翼の中央に種子がある形です。 これはシンジュです。 中国北部原産の帰化植物で、明治時代初期に渡来したニガキ科の落葉高木です。 雌雄異株なのですが、成長が速く、実生の発芽率もいいようです。 生田緑地では奥の池の周囲に実生が出て、急速に成長し始めたことから、生田緑地植生管理協議会に諮って、 2007年11月7日に奥の池周囲のシンジュ(ニワウルシ)の伐採除去を行いました。 その他の地区でも実生で生育し始めたものは、見つけた段階で駆除しておいた方がいいと思われます。 キボシアシナガバチの巣が落ちていました。 ゴルフ場との境となる園路を歩いて、おし沼峠側に出ました。 ここに、思いがけずクヌギのドングリが落ちていました。 野鳥の森をあるくことにしました。 コナラの実は各所に落ちていましたが、大きさや形に随分違いがあります。 園路わきにホコリタケが生えていました。 下の写真の右上隅のモヤモヤが中から飛び出した煙状の胞子です。 カシワのドングリが落ちていました。 見かけはクヌギに良く似ていますが、殻斗に触ると違いが分かります。 生田緑地のカシワは野鳥の森の園路沿いに植栽されたものが残っています。 野鳥の森の園路にも沢山のコナラのドングリが落ちていました。 フウの実も沢山落ちていましたが、綺麗な状態のものがありませんでした。 フウは台湾、中国南部を原産地とする帰化植物で江戸時代中期に渡来した落葉高木です。 生田緑地では野鳥の森に植栽されたものが大きく成育しています。 アオギリの実も落ちていました。不思議な形をしています。 アオギリは、日本では伊豆半島、愛媛県、高知県、大隈半島、琉球列島などに自生していますが、生田緑地のものは植栽されたもので、 温暖化の影響でしょうか、実生が育ち始めています。 ユリノキの未熟な実が落ちていました。 ユリノキは北米中部を原産地とし、明治時代初期に渡来した帰化植物です。 熟してバラバラになった種子もありました。翼があり、子どもたちは投げ上げて、落ちる様子を観察していました。 シラカシのドングリが落ちていました。 マツボックリ(松の球果)も落ちていました。 オオムクゲンジの実が落ちていました。 変わった形の種子です。 変わった形ということではケンポナシの実ほど変わった形の実はないでしょう。 かじると甘いのですが、子どもたちは気味悪がって食べようとしませんでした。 子どもたちが、稲の様子を気にしており、見たいというので田圃までいきました。 風でPEシートがまくれ上がっていたのを直しました。 その後、どうしてもアメリカザリガニを釣りたいというので駆除目的のサリガニ釣りを許しました。 40分ほどで、マッカチンばかり18匹を採集しました。 ここのアメリカザリガニ・トラップにはアメリカザリガニ 7cm×1匹とウシガエル1匹が入っていました。 また、池にも小さな個体が1匹いました。 多分、台風の降雨時に奥の池から移動してきたのではないかと推察しています。 奥の池の外来生物の駆除を徹底してもらわないと、こちらの谷戸の駆除はきりがありません。 アメリカザリガニ釣りは、昔も今も、子どもたちにとっては夢中になれる遊びのようです。 今回拾えたドングリは、マテバシイ、スダジイ、コナラ、クヌギ、カシワ、シラカシの6種でした。 子どもたちは、北部公園事務所前の看板で、今回拾ったドングリが全てブナ科であることを確認しました。 今回のドングリ拾いで、生田緑地では、コナラのドングリの大きさ形状に地域的な差異があることが分かりました。 |