里山の自然学校2009
第1回《オリエンテーション&春の里山》

【2009/4/26 更新】


日時 4月25日(土) 10:00〜15:00
場所 生田緑地、青少年科学館
参加者 里山3年/神山幸雅、舘野枝里嘉、永喜稜晟、須田大貴、森 雄大、
    里山2年/山内冴香、須藤早紀、荒井優里花、鈴木萌恵、佐々木遥太、川村美涼、福江祥充
    里山1年/富田詩織、豊島芳璃人、大島万奈、内藤義人、舘野英三里、大島浩輔、尾崎光歩
    OB)鈴木志歩、芝原紗希、尾崎基和
                                 22人
講師 藤間熙子、中臣謙太郎、山本晃、梅原和仁、神山歩未、岩田芳美、岩田臣生

2009年度(平成21年度)の里山の自然学校のスタートです。 残念ながら、かなり強い雨が朝から降り続けて、気温も低く、春の里山体験はできませんでした。 この様な形で1日室内活動となったのは、里山の自然学校開校以来初めてのことでした。

オリエンテーションでは、まず基本的な注意事項、プログラムの説明などを行いました。

続いて、先生方の自己紹介を行いました。
藤間先生は植物の専門家です。
中臣先生は昆虫、特に蛾(ガ)の専門家です。
山本先生は昆虫、特に蝶(チョウ)の専門家です。
梅原先生は元青少年科学館館長で、里山の自然学校を始めるきっかけをつくってくれた先生です。
岩田芳美先生は写真の撮影をしながら参加者の面倒をみます。
神山先生は4年間、里山の自然学校に参加してきましたが、今年は「お姉さん先生」として活動することになりました。
岩田臣生は事務局、里山の自然学校のフィールドの自然を保全する活動をしている立場から参加者の面倒をみます。
今年の先生は7人になりました。また、各回の必要に応じて、かわさき自然調査団の団員の応援を得て進めます。

続いて、OB参加の3人、里山の3年生6人、2年生6人、1年生7人が自己紹介と今年の活動についての抱負を発表しました。



さて、雨はまだ激しく降っています。 10分の休憩の後で、山本先生から、アカボシゴマダラの話をして戴きました。
山本先生は、飼育していたアカボシゴマダラの幼虫や蛹を用意していてくれました。
生きている現実の生物を見て、触れて、アカボシゴマダラがどんな生き物かを学習しました。
関東地方で問題にしているアカボシゴマダラという蝶(チョウ)は中国産のアカボシゴマダラを藤沢市の某氏が放蝶したもので、 次第に分布域を広げており、生田緑地では2006年には非常に珍しい存在でしたが、2008年には普通に見られる蝶になってしまいました。 在来のゴマダラチョウと同じ様な生態でありながら、1年に4回も世代交代を繰り返すなど繁殖能力が勝っており、 ゴマダラチョウが駆逐されるのではないかと危惧されています。
子どもたちが野外で見つけた時に判別ができるように、見分け方の詳しい説明がありました。
食樹はエノキで、藤間先生の指導でエノキの観察も行われました。エノキの実が食べられると聞いて、食べてみたいと思った子も何人かいたようです。

お昼も室内で食べました。食後も外で遊べるような雨ではありません。 青少年科学館特別展示で水生昆虫の学習をしました。

午後は、皆でできる自然調査《セミ調査》に基づいた川崎のセミについて学習しました。
川崎では平地生のセミ7種が棲息していますが、地域によって違いが大きいこと、 一番多く、広く分布しているのがアブラゼミであること、 ミンミンゼミは多産の年でもアブラゼミの10分の1程度の数であること、等々調査結果に基づく説明がありました。
これら7種のセミの脱殻の見分け方についても学習しました。
ニイニイゼミは早い時期に発生し、脱殻は小さく、表面に泥がついているのが特徴です。
アブラゼミとミンミンゼミの区別は触覚を調べないと判断できないこと、つまり触覚の第3節が長いのがアブラゼミの特徴であることを学習しました。
また、セミのオスとメスの判別の仕方を学習しました。
この二つのことができるようになったところで、皆でできる自然調査で集められたセミの脱殻のうち、 アブラゼミとミンミンゼミの分類がされていない脱殻を手分けして分類する作業を行いました。
その結果、ミンミンゼミの脱殻数個体が分けられ、アブラゼミについてはオスとメスの数が次の様になっていることが明らかになりました。
 脱殻採集日 メス♀  オス♂
  8/5   14   45
  8/7   12   17
  8/8   17   36
  8/9   24   33
  8/14  40   36
  8/17  29   31
  8/22  31   22
  8/29  34   25
発生初期にはオスの羽化の方が多く、8/14〜8/17に逆転し、メスの羽化が多くなることが、これから分かります
メスの腹部
セミの学習の後、記念の集合写真を撮りました。

最後に、今日の活動の感想、今年の里山でやりたいことなどを紙に書いて1日の活動を終了しました。






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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation