日時 2022/5/15(日) 11:00〜12:00 曇
ガイド講師 特定非営利活動法人かわさき自然調査団
水田ビオトープ班班長 岩田臣生
サポート 事務局長 岩田芳美
観察会参加者 1 人(大人 1 人、小学生 0 人)
特別参加 本郷智子(青少年科学館)
朝の西口トイレには、スズキシャチホコ?がいました。
新型コロナ対策として、生田緑地観察会は事前抽選で参加者を決めて開催することになりましたので、「里山の自然」については、参加者を 10人に設定していました。
それが今回は、バラ園の開園期間中のため、駐車場への入場車両が渋滞して入場できないという理由でのドタキャンが多くて、参加者は 1名になったとのことでした。
流石に、参加者一人のための観察会は初めての体験でした。
水田ビオトープ班が担当する生田緑地観察会<里山の自然>は、里山倶楽部などの市民活動によって成立している自然を観察し、人の関わり方と自然について考える時間を過ごしてもらうことにしました。
今回は、里山倶楽部として植生管理を行ってきた中央広場北雑木林と萌芽更新地区を対象にすることにしました。(次図参照)
中央広場北側地区 (A26-1)
中央広場側地区の当該雑木林は、かつては、4m程の高さのアズマネザサが密生して、その上をマント植物が覆っていました。
林内には、日本民家園から侵出してきたマダケや、常緑樹、更には大型ゴミもありました。
2011年5月に市民部会を開催し、ヤブを刈り払って、低木層にヤマツツジが咲く明るい雑木林を目標に植生管理を行うことを合議しました。
このタイミングは、ビジターセンターが設置(2012/4 開業)され、青少年科学館(2012/4 リニューアル・オープン)が改築され、中央広場が改修(2010/5〜2012/3)されることに呼応したもので、
中央広場に集まる来園者に、手軽に魅力的な雑木林を観察し、生田緑地の自然に接してほしいと考えたものでした。
人の手が入ることで成立している自然という意味での「里山の自然」を観察していただきたいと思っています。
この雑木林の高木層を優占しているのがコナラです。
コナラが優占することになったのは、薪炭林として利用されていた時代があったためであり、昆虫相も、これをベースに形成されました。
ゼフィルスの話をしました。
生田緑地に広がり始めたナラ枯れの話もしました。
ナラ枯れ対策についての質問に対しては、若い健康なコナラ林であれば、カシノナガキクイムシは侵入できないので、皆伐更新などによって若い雑木林をつくることも必要であると話しました。
そしたら、目の前に、2〜3年生の実生があって、そこにミスジマイマイを観察できました。
低木層には、ヤマツツジが育ち、ウグイスカグラが真赤な実をつけ、エゴノキが白い花を咲かせ、エゴツルクビオトシブミの揺籃を観察できました。
草本層には、花は終わっていましたが、キンランなどが観察できました。
刈られたアズマネザサにコジャノメが来ていました。
ピクニック広場東地区 (A05)
萌芽更新地区に向かって移動しました。
生田緑地整備事務所の先から谷戸に降りる階段の途中で、ハンショウズル、オカタツナミソウなどを観察しました。
ハンショウヅルは前年に伸びた茎に花をつける植物なので、アズマネザサを丁寧に刈って、ハンショウヅルが絡みつける支柱を立てる庭園的管理を行っています。
萌芽更新地区 (A06)
萌芽更新地区は外周の園路を歩いて観察しました。
ツリバナが若い実をつけていました。
雨の後で、木々が濡れていたので、林内には入りませんでしたが、萌芽更新の話をしました。
萌芽更新地区は、1998年末に、萌芽更新を観察できる雑木林を目指して、1200uのコナラ林を伐採し、補植も行った地区です。
しかし、2008年1月には、萌芽更新が失敗したことを確認し、改めて、市民活動によって萌芽更新を観察できる雑木林を目指して、伐採更新を行ってきた地区です。
萌芽更新の観察としては、1998年末に補植したクヌギが主な対象だと考えていますが、
木道の直ぐ脇に、2019/1/19 に伐採したミズキが萌芽していました。
モミジイチゴがオレンジ色の実をつけていました。
3本立ちのクヌギの幹に、キセルガイの仲間が観察できました。
そこで、白い糸にしか見えないユーレイガガンボの仲間が交尾していました。
ハンノキ林東地区で、今秋から皆伐しようとしているコナラ林も観察しました。
急斜面の大木なので、市民が伐採するのは危険だという意見でした。
萌芽更新地区下の園路からも観察しました。
ヤマグワの沢山の未熟な実に関心が向いていました。
ヤマグワには、チャバネアオカメムシがいました。
オカタツナミソウの花を観察しました。
クサイチゴに実がなっていました。
樹下にヤマトシリアゲがいました。
ピクニック広場にも、コジャノメが翅を広げていました。
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