生田緑地観察会
主催 青少年科学館

生田緑地観察会“まるごと生田緑地”

日時 2019/5/19(日) 10:00〜12:00 曇
ガイド講師 特定非営利活動法人かわさき自然調査団
       植物班   田渕まこと
       シダ植物班 田村成美
       野鳥班   森 佳子
       水田ビオトープ班班長 岩田臣生
サポート  特定非営利活動法人かわさき自然調査団 事務局長 岩田芳美

観察会参加者 19 人(大人 18 人、小学生 1 人)
   市内 13 名( 川崎区 1 名、宮前区 5 名、多摩区 4 名、麻生区 3 名)
   市外  6 名(世田谷区 1 名、杉並区 1 名、横浜市 4 名)

この日の生田緑地ではユニセフのラブウオークが催されたため、観察コースは、@県の木見本園、A旧岡本谷戸の上り口付近、中央広場を戻って、菖蒲池からB野鳥の森を会場として観察を行いました。


県の木見本園(科学館裏谷戸)
ミヤマカンスゲは花から実に移り、マルバウツギの花が見頃を迎えていました。
飯室層の崖面を湧水が滴っている景観は生田緑地の特徴的な景観です。 微地形、地層、そして湧水の話を行い、景観を観察しました。
水辺には、ミヤマシラスゲ、ヤマアジサイ、ドクダミなどが生育し、ヒシバッタ、クヌギカメムシ、アオジョウカイ、ヤマトシリアゲが見られ、コミスジ、クロヒカゲなどが飛んでいました。
野鳥は、コゲラ、シジュウカラ、アオゲラなどが観察できました。

(上)マルバウツギ花

(上)コミスジ

(上)ヤマアジサイの葉上のクロヒカゲ

(上)ヒシバッタ

旧岡本谷戸入口付近
水辺には、ゴウソが花をつけ、エゴノキの花も咲いていました。
昆虫は、ヒメウラナミジャノメ、ジョウカイボン、そして、ヤマグワの幹に、クワコ幼虫(10 匹ぐらい)を観察しました。

(上)ジョウカイボン

(上)クワコ幼虫

中央広場を通って野鳥の森に向かう途中、マテバシイの花と実を観察しました。

(上)マテバシイ花と実

野鳥の森では、コアジサイの花が見頃を迎えていましたので、これを観察しました。
コアジサイは、「県内では、箱根、丹沢、小仏山地、相模原台地などに多く見られ、樹林内に生える」と神奈川県植物誌2018 にあり、市内では多摩区にのみ記録されています。
かわさき自然調査団水田ビオトープ班では、2017 年 7 月、2018 年 10 月の里山倶楽部Bの活動によって、アズマネザサ刈り、ヒサカキなど常緑樹の除伐などを行い、 野鳥の森のコアジサイの咲く環境を保全する活動を実践しています。
この日は、丁度、コアジサイが見頃を迎えており、林床には、花は終わっているものの、チゴザサの葉が密生していました。
生田緑地観察会としては珍しく、コアジサイのお花見をゆっくり楽しみました。

(上)野鳥の森の林床に咲くコアジサイ

野鳥の森の出口付近で、この日の観察会のまとめを行い、解散しました。



【野鳥ガイド 森 佳子の感想など】
観察した野鳥 13種
カルガモ、コゲラ、アオゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、コジュケイ、ガビチョウ
(感想など)
葉が生い茂り、鳥の姿を見にくい季節ですが、コゲラの雛たちが飛びまわるのが見られ、アオゲラも鳴きながらやってきてくれました。
カルガモは池でお昼寝中。
ウグイスをはじめ、シジュウカラやメジロ、コジュケイなどの囀りが楽しめました。

【シダ植物ガイド 田村成美の感想など】
観察したシダ植物 8 種
リョウメンシダ、ミゾシダ、オクマワラビ、ベニシダ、ミドリヒメワラビ、シケシダ、ミサキカグマ、オオハナワラビ
(感想など)
ミゾシダ、オクマワラビの胞子のうが完熟で、ファーブル(実態顕微鏡)をのぞいた人は驚いていました。
黄色〜赤っぽいベニシダ類もたくさんあり、涼しくて暗い森の中が、明るくなる感じでした。

【種子植物ガイド 田渕まことの感想など】
観察した植物 19 種
ウツギ、マルバウツギ、オカタツナミソウ、フタリシズカ、ヒマラヤスギ、ケキツネノボタン、ヘビイチゴ、マテバシイ、ヒメコウゾ、ヤマグワ、コアジサイ、チゴユリ、タマノカンアオイ、 ゴウソ、ミヤマシラスゲ、タチツボスミレ、ナガバノスミレサイシン、アマチャヅル、コナスビ
(感想など)
花、実、つぼみ、思った以上にたくさんの植物を観察できました。
満開のコアジサイを皆さんに見てもらえてよかったです。

【その他のガイド 岩田臣生】
観察した生きもの 14 種/
チョウ・ガの仲間(コミスジ、クロヒカゲ、ナガサキアゲハ、ヒメウラナミジャノメ、クワゴマダラヒトリ幼虫、クワコ幼虫)、バッタの仲間(ヒシバッタ、ヤブキリ幼虫)、カメムシの仲間(クヌギカメムシ)、ヤマトシリアゲ、コガネムシの仲間、コメツキムシの仲間、ジョウカイボンの仲間(ジョウカイボン、アオジョウカイ)
その他/
・キアシドクガ幼虫に食べられて丸坊主になったミズキ
・1 本のヤマグワに 10 匹程度のクワコ幼虫がいる場面
・水田ビオトープ班として保全管理している地区のキバナアキギリ、コアジサイ、チゴユリなど


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