生田緑地観察会
主催 青少年科学館

生田緑地観察会“里山の自然”

日時 2019/3/10(日) 10:00〜12:00 晴
ガイド講師 特定非営利活動法人かわさき自然調査団 水田ビオトープ班班長 岩田臣生
サポート  特定非営利活動法人かわさき自然調査団 事務局長 岩田芳美
観察会参加者 19人(大人 14人、子ども 5人)
       麻生区 4人、多摩区 3人、宮前区 3人、高津区 3人
       横浜市 3人、狛江市 2人、東京都大田区 1人

観察コース:青少年科学館前(集合)〜中央広場北雑木林〜クスノキの辻〜七草峠〜谷戸の降り口〜ピクニック広場東斜面〜萌芽更新地区上の自然探勝路〜 ハンノキ林上のデッキ〜谷間の探勝路〜梅畑〜上の田圃〜下の田圃〜ヨシ原地区(解散)

心配していた雨は降らず、参加者の数も丁度良い観察会となりました。
生田緑地が昭和 16 年に都市計画決定された都市計画緑地であるという話から始めました。
都市公園であることを考えれば、里山と呼ぶのは適切ではないかも知れませんが、生田緑地になる前は里山として利用されていた雑木林であり、 生田緑地で保全している自然については「里山の自然」を目指していることを話しました。

中央広場北雑木林下で、生田緑地の雑木林の話を行い、雑木林の高木層(コナラ、クヌギ)、低木層(ヤマツツジ)、草本層(コウヤボウキ種子)、飛び出してきたルリタテハなどを観察しました。

クスノキの辻付近では、クスノキとアオスジアゲハの話を行い、アセビを観察し、ムネアカハラビロカマキリ卵鞘を見つけて採取しました。
七草峠では、タチツボスミレが咲いているのを見つけました。
ウグイスが綺麗な喉を聞かせてくれました。
ピクニック広場東斜面では、タマノカンアオイ、ハンショウヅル、ヒメカンスゲ花、ウグイスカグラ花を観察し、階段を降りた所でキブシ花を観察しました。
コジュケイが鳴いてくれましたが、これも実は外来種だと話しました。
萌芽更新地区への探勝路では、シュロ、アオキ実芽、ヤツデ実、イワガネソウなどを観察しました。

萌芽更新地区上で、萌芽更新地区についての説明と現在の植生管理について話を行い、ヒュウガミズキ花、ヤマルリソウ花を観察しました。
また、枯葉をつけていたクヌギ萌芽株、ヤマコウバシ、アカシデなどを観察しました。

ハンノキ林上の池では、アズマヒキガエル卵を観察しました。
泥上げが不十分なので、産卵するかどうか気になっていましたが、3/6〜3/9 に産卵したようです。
ハンノキ林内にはオモトが赤い実をつけていますので、参加者から「自然のものなのか」という質問が出ました。
生田緑地では、野鳥が周囲の住宅地から様々な種子を運んでくれることを話しました。

ハンノキ林下の湿地については、昔は谷戸の一番奥の田圃だったことを話しました。
木道沿いのモミで、カヤとの違いを観察しました。
梅畑のウメは盛りを過ぎていました。
草地には、オオイヌノフグリやヒメオドリコソウが咲いていましたが、共に、帰化植物であることで、参加者はがっかりしたようです。
上の田圃の蛙合戦は終わっていて、静かに卵が残されていましたが、遅れて来たのか、オスが 1 匹現れて、皆さんの注目を浴びていました。
「アメリカザリガニはいないのか」という質問がありましたが、「今は少なくなったが、田圃活動を始めた頃は 1000 匹単位の駆除をしていた」ことを話しました。


科学館前での挨拶で、生田緑地の自然は豊かではないけれども、質の高い自然が残っているという話をしたので、この日、出会った多くの生物が外来種であることが残念な様子でした。


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