生田緑地自然観察会《谷戸の自然“冬”》
主催 川崎市青少年科学館
《平成22年1月10日》


日時 2010年1月10日(日) 10:00〜12:00 晴
ガイド講師 水田ビオトープ班(岩田臣生)
参加者 30名(子ども5名) 

青少年科学館〜噴水池〜奥の池〜見晴台〜ピクニック広場〜ハンノキ林〜田んぼ〜ヨシ原と歩き、冬らしい事物や現象を見つけ出し、里山ビンゴ表(5×5)に書き込むという観察会にしました。
冬季ということで生物との出会いは難しいと思われたため、今回は種子を主対象に選びました。既に種子を飛ばしてしまったものでも、形の面白いものなどは対象にしました。 自然の造形の素晴らしさを感じてもらいたいと思ったからです。
霜と霜柱からスタートしましたが、氷柱は見られませんでした。

奥の池の周囲にノシランが青い実をつけていました。氷は張っていませんでした。
見晴台への木製階段を上った中間地点で、落葉樹と常緑樹、生田緑地の雑木林の現況について話しました。
階段を上りきった辺りに、クズの実がありました。 実は薄っぺらく、中の種子は小さく、繁茂している時のクズの力強さは感じられませんでした。
見晴台の周囲にはススキやセイタカアワダチソウがありました。 ルーペで種子を観察してもらいました。

谷戸へ降りる階段の手摺りに、フユシャク♀を観察しました。

ハンノキ林の入口で、枝の先についている雄花序を観察しました。 花粉をまき散らすのも間もなくでしょう。

ハンノキ林上の池にカワセミが来ていました。 池の上に張り出した枝から枝に移動しながら、暫く間近での観察を許してくれましたが、 流石にギャラリーが多過ぎると思ったのか、ハンノキ林の中に消えました。
赤い実はマンリョウがありました。
上の田んぼでは残しておいたアカバナは既に種子は殆ど飛んでしまっていましたが、これを観察しました。

上の田んぼの下の段に氷が張っていました。 大人は田んぼの中の落葉の方に関心を持ったようです。 落葉を集めて、肥料として入れていること、まだ田んぼの土になっていないことを説明しました。

下の田んぼにはジョウビタキが来ていました。 竹の杭やヨシに止まって、木道からの大勢の観察を許してくれました。
そのジョウビタキが地面に降りて姿が見えなくなった次の瞬間、オオタカが舞い降りて、Yさんの梅の木の樹冠の表面にぶつかりそうになるところで急停止し、身を翻して、飛び去りました。 直前に梅の木に飛び込んだ別の野鳥を襲ったようです。 突然の出来事に、参加者は興奮しました。 観察会のクライマックスを飾るダイナミックな光景が目に焼きつきました。

最後に表の埋まり具合を確認したところ、全てのセルに記入できた人はいませんでした。 フユシャク♀の出現に気を奪われて、その近くにあったヤツデの実を観察するのを忘れたためでした。
参加した子どもたちには、多摩川干潟館で活動している人から戴いた「いきものカード」を記念に配りました。

   かわさき自然調査団の活動
特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation