生田緑地観察会
主催 青少年科学館
“里山の自然”


日時 2017/7/9(日) 10:00〜12:00 晴
ガイド講師 水田ビオトープ班(岩田臣生)
サポート  事務局 岩田芳美
観察会参加者 25人(大人 17人、子ども 8人)
    市内 19人: 麻生区 3、多摩区 1、宮前区 2、高津区 5、中原区 8
    市外 6人: 横浜市青葉区 2、世田谷区 1、狛江市 1、綾瀬市 1、大和市  1

水田ビオトープ班が担当している「里山の自然」と題する生田緑地観察会は、その季節の生物を探して歩くことで、辛うじて生田緑地に残った自然を、そのまま感じてもらい、 その自然のファンになってもらいたいと考えてガイドを担当しています。
科学館から 06 谷戸の降り口までのコースは、奥の池〜西口園路経由で考えていましたが、この日の朝、七草峠のヤマユリやオトギリソウが開花しているのを見て、 木陰の無い西口園路を止めて、七草峠経由に変更しようかと迷いました。
そこで、もう一度西口園路を歩いてみて、暑さは厳しいものの、日差しと高い気温故に、小さな昆虫が出ていることを確認し、予定のコースを歩くことにしました。
暑い中、青少年科学館前に集合した参加者は 25 人になりました。

前半は、科学館〜中央広場の池〜メタセコイア林〜奥の池〜西口園路〜西口〜トイレ休憩を会場としました。
中央広場の池には、ハイイロゲンゴロウが泳いでいました。
これを網で掬って、観察しました。
メタセコイア林では、メタセコイアの幹、地上 30 cm程の所に、ニイニイゼミの羽化殻を見つけました。
奥の池から流れだした水溜まりで、アメリカザリガニを釣っている子がいました。

奥の池付近では、実をつけたハナイカダが観察できました。
タマアジサイや、ヤマアジサイも観察できました。
下の池には、平成 17 年(2005)に特定外来生物に指定できなかった外来生物 ミシシッピーアカミミガメが観察され、濁った水中にヒゴイが泳いでいることも分かりました。
岸辺の茂みでは、カタハリウズグモが観察されました。

西口園路広場の湿地の観察を行いました。
湿地と言いながら、開放水面が見られないので、水生生物は棲息できないと思われますが、植物は繁茂していました。
昨年は繁茂していたオランダガラシなどの外来種は駆除されていましたが、稀少になった種を保護するためには、在来の種であっても、強過ぎるヨシなどは、少し虐めておくことも必要でしょう。

南端部の林縁の日陰では様々な生きものが観察できました。
エゴノキは実をぶら下げていて、また、虫こぶのエゴノネコアシが見られました。
子どもたちが次々に生きものを捕まえてくるので、貴重な木陰の観察を楽しませてもらいました。

西口に向かって移動し、元の地主さんが残したユーカリや、林床にあったジャガイモタケ?を観察しました。

西口駐車場付近でトイレ休憩を行いました。
見晴台への分岐にあったサクラの木にニホンミツバチが巣作り中としてフェンスが設置されていました。


後半は、谷戸に降りて、ピクニック広場〜萌芽更新地区下〜ハンノキ林〜梅畑〜上の田圃〜下の田圃〜ヨシ原までを歩きました。
ピクニック広場のトモエソウの花は殆ど終わりでした。

ハンノキ林上のデッキに着きました。
谷戸の湧水の流れは、この辺りから始まります。

芝生広場への分岐に、ヤマユリが咲いていました。

田圃の周囲の植物は大きく育っていて、長靴を履いてこなかったこともあり、田圃の周囲を歩き回る気にはなりませんでした。
木道に近い田圃の端を網で探ってみましたが、アメリカザリガニしか採れませんでした。目視では、ホトケドジョウが見えたのですが、体が動きませんでした。
気温が 30℃ を超えたためか、辺りの様子が変わって見えました。
多くの生きものは、水温の低い場所に移動したのかも知れません。
シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、そしてオニヤンマが観察されました。


今回観察できた生物
白色系の花(シロツメクサ、ヤマアジサイ、タマアジサイ、ヤブミョウガ、トキワハゼ、ヤマユリ、タケニグサ)
紫色系の花(アキノタムラソウ)
黄色系の花(セイヨウタンポポ、トモエソウ、ノササゲ)
葉っぱの色と変わらないような花(オオバノトンボソウ)
実をつけている植物(ハナイカダ、エゴノキ、キブシ、ヒメコウゾ、カキノキ、ハンノキ)
その他の気になった植物(エゴノネコアシ)
チョウの仲間(スジグロシロチョウ、キタキチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ルリシジミ、ムラサキシジミ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ、コミスジ)
バッタ・コオロギ・キリギリスの仲間(ツユムシ類幼虫、オンブバッタ、ヒシバッタ、オカメコオロギ、ショウリョウバッタ幼虫)
カマキリの仲間(オオカマキリ幼虫)
カメムシの仲間(アメンボ、ハゴロモ類幼虫)
トンボの仲間(オオシオカラトンボ♂♀、シオカラトンボ♂、ショウジョウトンボ、オニヤンマ) (BR>甲虫(ゴミムシsp.、オオヒラタシデムシ幼虫、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ)
キノコ(ジャガイモタケ?、イグチsp.、)
クモ(カタハリウズグモ、コシロカネグモ、ジョロウグモ幼体、イオウイロハシリグモ)
ハチの仲間(キイロスズメバチ、ニホンミツバチ)
野鳥(ガビチョウ)
水中にいた生きもの(ハイイロゲンゴロウ、アメンボ類、ミシシッピーアカミミガメ、アメリカザリガニ)
その他の生きもの(ニイニイゼミ羽化殻、アオバハゴロモ幼虫、ナナフシモドキ、不明アブの死骸)
生きものの声(ニイニイゼミ、ウグイス、カラス、ガビチョウ)


  特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation