生田緑地自然環境保全管理会議市民部会
里山倶楽部A


平成28年度 里山倶楽部A
第2回 皆伐更新6年目の活動(コナラ林の育成)


日時 2016/5/7(土) 10:00〜14:40 晴
場所 生田緑地 皆伐更新地区
参加 (6年目)工藤真貴子、思由(高1)、千穂(小5)
   (4年目)山下淳也(高3)、真奈実(小6)
   (3年目)山下まい、はなの(小6)、ねのは(小3)
        西尾麻子、幸大(小3)
   (2年目)鈴木麻美、美舟(小5)、眞之介(小2)
   (1年目)池上幸一、池上陽子、池上豪一郎(幼児)
   額谷悠夏
  (市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美    19名

今年度の里山倶楽部Aの第2回の活動です。

前回は特別回として谷戸のセリバヒエンソウの駆除を行いましたが、今回は飯室山南の皆伐更新地区をコナラ林に育成するための6年目の活動を行いました。
現地に着いたところで、いくつかの活動を手分けして行いたいことを説明しましたが、どの活動を行うかは自由としました。


竹林化したエリアのタケノコ除伐
隣接する雑木林に侵入していたモウソウチクは里山倶楽部Bの活動として除伐を始めていますが、簡単に片付くことではありません。 今年もタケノコが何本も成長し、根元側の皮を落としているモウソウチクが何本も見られます。
そこで、このタケノコの除伐を、子どもたちに任せることにしました。 大きなタケノコを折り倒すという乱暴な活動は、冒険心を駆り立てることだろうし、他ではできない活動だと思いました。
対象エリアは急斜面ではありますが、アズマネザサは殆ど生えていないことと、モウソウチクが林立しているので、滑り落ちることによる危険は小さいと判断しました。
この活動のリーダーは山下淳也くんにお願いしました。 彼は、調査団の若い(10代)団員であり、里山倶楽部Bによる当該地区でのモウソウチク除伐にも参加していて、しかも、小さい子の面倒を看られる子です。
子どもたちだけに任せる前提で、彼にノコギリを携帯させ、それ以外の用具は使わせないことにしました。
途中、枯れ竹が宙に浮いた状態の所があって危険だと判断したようで呼ばれ、これは排除しましたが、問題は これだけでした。
子どもたちは、皆で、力を合わせて、楽しんでいました。
この活動は昼には終えて、成長したタケノコの先端部を少しずつ分けて、これは食べてもらうことにしました。 子どもたちにとっては、自分たちの活動で得られた獲物ですし、先端部はまだ美味しく食べられるはずです。


皆伐更新地区上側、区域へのアクセス路両側のアズマネザサ刈り
この部分のアズマネザサ刈りは、今までは事務局が行っていましたが、足元も良く、参加者も増えたので、活動区域に加えました。
前回、アズマネザサを鎌で水平に伐ることが困難だった子が見られたので、試しに、剪定鋏を用意しました。 すると、剪定鋏を腰にベルトでさげるのが恰好いいと思った子が、鋏を使って活動してくれました。 一緒につき合わされたお母さんは大変だったことと思いますが、通行し易くすると頑張ってくれたようです。
力が弱い子どもには鋏は使えないと思いこんでいましたが、アズマネザサを水平に伐るためには鋏の方が適切かもしれません。


区域南側縁辺部やモウソウチクの除伐を進めている雑木林のアズマネザサ刈り
皆伐更新地区南東側の雑木林に侵入しているモウソウチクの除伐を、里山倶楽部Bで進めていますが、前回の里山倶楽部Bの時には、斜め伐りされたアズマネザサが靴底に刺さったり、長靴が破れたりという事故が複数発生しました。
そこで、区域南側に押し寄せていたアズマネザサのヤブを刈り払ったり、里山倶楽部Bが活動していた地区のアズマネザサの伐り株の除去などを行いました。


皆伐更新地区内のアズマネザサ刈り
いつものように皆伐更新地区内の新しく伸びたアズマネザサも刈りました。

ナルコユリが咲いていました。

コクワガタ♂が這い出してきました。


コナラなどを優先的に育てるために周囲の実生木を伐採(間伐)する活動
皆伐更新地区内で優先的に育てようとしているコナラ、ヤマザクラなどを大きくするために、それらの周囲の空間を広げる必要があると考えました。
里山倶楽部Aでは、初めの2〜3年はアカメガシワ、ヤマグワ(含むヒメコウゾ)、ヌルデなどを抜き取る活動もしていましたが、その後はアズマネザサだけを対象に活動してもらっています。
そこで、この活動は岩田が行いました。

元気のよいサルトリイバラが太い茎を伸ばしている場所もありました。
アケビの太い蔓が観られた場所もありました。
ムラサキシキブの葉にはイチモンジカメノコハムシがいました。
ナガサキアゲハ、イチモンジセセリが飛んでいました。
活動中、ガビチョウが鳴き続け、コジュケイが短時間ですが鳴き、外来野鳥の騒がしい日でした。
コナラの枝に塊っていた毛虫の集団はツマキシャチホコだとばかり思っていましたが、今回観たら、赤い縞が入っていました。 何故か、1本のコナラの1本の枝だけにいました。

空間を広げるために伐採しようとした木には白い花が咲いていました。ガマズミのようです。伐れませんでした。

区域の端の方に遅れて発芽しきた多数のコナラは、かなりの数残って、1m程には成長していました。


野鳥の巣を発見(1)
ムラサキシキブの茂みを伐採しようと、広がっていた枝を伐っていたら、中心部に野鳥の巣がありました。
細い枝を使って、浅い椀状に作られていて、中には落葉がありましたが、意識的に持ち込まれた葉のように感じました。


野鳥の巣を発見(2)
皆伐更新地区の縁辺部、コナラの幼木がヤブに飲み込まれようとしている辺りのヤブで、コナラにかかっていたサンショウを伐採しようとしたら、枝の茂みの中に、枯れたアズマネザサの葉を丸めたようなものがありました。
何でアズマネザサの枯葉が塊になってサンショウの枝にのっかっているのだろうと思いました。
良く見ると、小さな横向きの壺状になっていて、入口径4cm程の巣であり、内部には獣毛のような繊維状のものがありました。


オレンジを食べて、休憩しました。

お昼休み、休憩していた子の背中にシロヘリカメムシが飛んできました。
これもアズマネザサの茂みの住人のようですが、個人的には初めての出会いでした。

多様な生物が生息する雑木林になりつつあることを実感しつつ、この日の活動を終了しました。
林床にアズマネザサが密生する典型的な生田緑地の雑木林とは異なる、若い雑木林で楽しい時間を過ごしました。

生田緑地植生管理協議会市民部会のメインページへ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation