生田緑地植生管理協議会市民部会
里山倶楽部B

自然観察&植生管理を考える


日時 2012/5/19(土) 10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地 中央広場〜つつじ山  (▼この日の活動マップはこちら
参加 井口 実、金子文隆、小泉恵佑、白澤光代、前田 宏、藪 哲二
  (多摩区道路公園センター)齋藤真吾
  (市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美
  
今年度第2回里山倶楽部Bはつつじ山地区を対象にしながら、中央広場からつつじ山へのアプローチについても意見交換をすることにしました。
そこで、集合は中央広場の客車前としました。
この北側は、昨年7月にアズマネザサ刈りを、12月に竹や常緑樹の除伐をした地区です。 目標は「ヤマツツジやヤマユリの咲く雑木林」でしたが、4月から5月にかけてヤマツツジが咲いて、雑木林に艶やかさを加えていました。
林床には既に、アズマネザサが伸び始めていて、アカメガシワなども芽生えていました。 今年度も下草刈りが必要と思います。

隣接する日本民家園南側の斜面にはアズマネザサのほか、ニワウルシ(シンジュ)が一段と大きくなっていました。 ニワウルシのみを選択して除伐する活動が必要です。 業者には不可能だとすれば、足場は悪いながら、市民側で処理しなければいけないかも知れません。
更に、その西側のアズマネザサの中からも一際大きいニワウルシが伸びていました。 これも、選択的に除伐しなければなりません。

奥の池からつつじ山への園路に入りましたが、そこに園路側に張り出したシラカシがありました。 これは、今のうちに除伐した方がいいだろうということになりました。

この辺りには枯れた木が何本もあり、園路上に倒れてくる危険もあることから除伐することとしました。

生物保護区として区域の下側の園路では、斜面上側からアズマネザサが覆い被さりそうな状態で汚らしくなっていました。 そこで、保護区側に幅2m程度の幅刈りをしてはどうかということになりました。

少し進むと、更に枯れ木が見つかり、余りに数が多いことから市民団体にできる範囲は市民団体が処理して、残ったものを業者に処理させようかという話になりました。

ここにはヒサカキが数本生えていて視界を遮っていました。 これは、まず1本ぐらいを除伐してみようという話になりました。

梅園に向かうこの丸太階段の園路沿いにはサワラが植えられています。 下枝が落とされていないため、園路上に枝を伸ばしているものもあります。 幹自体が園路側に倒れているように見えるものもあります。 今後状況次第では、邪魔な枝を落したり、除伐した方がいいものも出てきそうです。

梅園東側の細い園路は梅見用につけられたものではないかと推察されますが、園路沿いに植えられたアセビが大きく成長し、死角をつくっています。 これについて、手摺りの高さに剪定管理することを話し合いました。

つつじ山C区は、<コナラの大木を中心に、こんもりとした茂み、縁辺部にオカトラノオ等>を目標としていましたが、 昨年の台風でこのコナラが幹の途中で折れてしまいました。
この折れた部分の材と思われるものが林床に広がっていました。 これを片付けるかどうかということについては、業者が放置し、道路公園センターがそれを認めているものを、市民が片付けなければならないかという話となり、 2〜3年放置して、朽ちるのを待つことにしようということになりました。
また、ここでも園路沿いの植込みは強剪定して、低く管理することとして合議されました。

草地の部分A1区については、目標植生が<眺望と木陰が得られ、人が自由に歩き回れる草地>で、道路公園センターが7月初めと8月末に草刈りをしている区域です。
シロモクレンの生育状態が余り良くなく、木陰は広がっていませんでした。 土が悪いという意見がありましたが、確かなところは不明です。 植栽の管理ということなので、場合によっては、土壌改良や施肥も視野に入れていいのではないかと思います。
この日の草本層の状態からは、草地管理については変更しなければならない要素は見つかりませんでした。

A1区の下の方にはハナミズキが植えられていますが、大きくなっていません。 間伐して大きく育つようにしたいという意見が強く出され、全員が同意しました。

A2区の園路ぞいのツツジについても低く管理しようという意見が出されました。

B1区の林床にはセイタカアワダチソウやブタクサなどが見られました。
丁度、ホウノキの花が咲いていました。

B1区の南端部に植えられていた6本のタイサンボクについては、2本を残して除伐することを話し合いました。 これは、この北側に植えられていた3本のサンシュユのためです。

B2区<野鳥が集まれる林(高木は保護)、低木は見通し重視、林床の多様性を保全>
大きな3本立ちのユリノキが昨年の台風で倒れ、除伐されたことから、すっかり明るくなりました。
ヤマユリが咲くように、低木を除伐したいという意見もありましたが、見通しは良くなっており、この程度の低木は残すべきと判断しました。

C1区<野鳥が身を隠せる茂み、桜の大木を保護>
台風被害ですっかり明るくなってしまったことと、密生していたアズマネザサの高さも意外に低いことが分かりました。
大木を育て、保護することは変更する必要はないが、ここにヤブをつくることについては拘るべきではないと考えました。 樹木もアズマネザサも生育状況は良くありません。 試しに、今期のアズマネザサ刈りを実施してみることにしました。

園路沿いのツツジについても話し合いました。
B2側のツツジについては、少しずつ低くすることをイメージして、より低い位置で葉をつけている枝を残して高い方の枝を伐るといった方法を試すことにしました。

外側のツツジについては、太い幹を抜き取る方法を試すことになりました。

D区<園路際にシラヤマギクなどの野草がたくさん見られ、自然観察が楽しい雑木林>
四阿周辺については、考え方がいくつかに異なっていましたが、園路沿い2m程度の幅刈りに落ち着きました。 特に、生物保護区として扱っている支谷戸側が丸見えになるような管理は避けたいと思います。

C区から園路上に伸びていたミズキについては伐りたいという意見も強かったのですが、夏場の木陰のために残してもらうことにしました。

今日の活動を終えて、お茶を飲みながら、感想を聞きました。

今回の活動の中で、点々と、少しずつの作業が発生するような場合には、ノコギリなども用意しておいて、 その都度、除伐や刈り取りをしていく方法もありだという意見が多く出されました。
目標植生を違えることではなく、反対意見が予想されない場合には、その場の判断で処理することが認められてもいいと思います。 しかし、この方法で植生管理を行うことについても、生田緑地植生管理協議会の承認を得てからでなければならないと思います。


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