生田緑地植生管理協議会市民部会
里山倶楽部B



中央広場北側地区の竹と常緑樹の伐採


日時 2011/12/17(土) 10:00〜13:00 快晴
場所 生田緑地
参加 金子文隆、小泉恵佑、白澤光代、竹内紀子、前田 宏
   佐久間淳子、角田英紀、西沙耶香、野田めぐみ、森田宗一郎
   山口泰民
  (市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美

今年は10月、11月と雨天中止となった里山倶楽部Bでしたが、この日は快晴となりました。
ここ数年、この時期に参加してくれているのですが、立教大学社会学部現代社会学科専門演習の講師をしている佐久間先生が引率して学生4人が参加してくれました。 このグループは授業の一環なのですが、雑木林の植生管理がどのようなものかを体験学習しています。
また、地元の竹内さんが初めて参加してくれました。 竹内さんは生田緑地観察会にも度々参加してくれていますが、生田緑地の昔を知る貴重な存在で、今後、私たちが沢山のことを教えて戴けることを期待しています。

この日の活動対象地 A26-1 地区は一面に3mほどの高さのアズマネザサが密生していた雑木林でしたが、 過去の植生図をみても雑木林であり続けていたものと推察され、中に入ってみたところヤマツツジがアズマネザサに埋もれながら生き残っていることが分かったため、 今年5月に市民部会を開き、目標植生を話し合い、ヤマツツジやヤマユリが咲く、明るい雑木林にすることで合意を得ました。 そこで夏期に選択的な除伐を考えましたが、アズマネザサの除伐は多摩区道路公園センターが業者にやらせると言ってくれましたので、 アズマネザサと竹のみの除伐をお願いしました。
その結果は目標に向かって一歩近づいたと思わせるものでしたが草本層に何も無い状態となっていました。
残るは低木層〜亜高木層の選択的除伐のみとなりましたので暑い季節の活動を止めました。
生田緑地のコナラの黄葉もそろそろ終盤を迎えたことから、今回の里山倶楽部Bでこれを行うこととしました。

外周から見た範囲で作業量は多くないと思っていたところ、参加者が10人を超える事態となり、 のんびりと樹木1本1本を観察しながら、伐採するかどうかを考えてもらったり、何故除伐するのかなど意見交換を行ないながら、 また伐り方を教えながら進められると思っていました。
ところが、当日、集合時間前に現地に入って、どの樹木を伐るか、どこに積むかなどを検討したところ、 亜高木層のヒサカキが沢山あり、とても完了させるのは不可能だろうということが分かったところに参加者の皆さんが集まってきました。
前日までは作業量が少ないと思っていたことから自己紹介に少し時間をかけてもいいと思っていたのですが、 そんな状況ではないと判断し、いつものように名前と所属のみの簡単な挨拶で終わらせ、活動を始めました。
尚、今回は対象地区下の客車前集合ということにしましたので必要になると思われた用具類を客車前に運んでおきました。


ただ参加者のうち植生管理は初めてという人が多かったことから、多摩区道路公園センターの山口さんと学生2人、 小泉さんと金子さん、前田さんの3人、岩田と佐久間先生、学生2人、竹内さんの5人の3グループに分かれて、 場所も少しずつ離れて、どの木を伐るのか、どのようにノコギリを使うのかなど学習してもらいながら始めました。
直径10cmほどのヒサカキでも樹齢は40年を超えていると思いますが、それを大きなノコギリを使って伐ることを一人ずつ体験してもらいました。
大枝伐り鋏も試してもらいましたが、その威力は凄いもので、ノコギリより効率的だと、次々に小木の除伐を進めていきました。

雑木林を育てる会の白澤さんは、ひたすらマイペースで竹の伐採に打ち込んでいました。

途中の休憩時に下から斜面を眺めて、凄い変化に皆、驚いていました。 亜高木層の常緑樹が減ることで林床が明るくなることを体験学習したのです。
ヤマツツジは期待していたよりは少なかったと思いますが、枝先などにみずみずしい葉をつけていたことから2〜3年で目標とする状態にできるのではないかと 期待されます。
ヤマユリが復活するかどうかは未知数ですが、種子からでも7〜8年で咲くようになると聞きます。 ヤマユリの種子を蒔いて育てることも考えたいと思います。
それはともかくとして、客車の裏の広場は暗いとか、危険だとか感じさせていたササヤブが無くなり、 それが更に、里山の雑木林の魅力を感じさせてくれるような場所に変わったと思います。

後半は各自思い思いに、日溜まりの暖かい斜面で、心ゆくまで、変化してきた景観を眺めながら、雑木林の植生管理を楽しんでいました。

12:30となって、この日の活動を終了し、お茶とお茶菓子で小腹を満たしてから解散しました。
女子大生からは、「こんなに楽しいことだとは思わなかった。家が近ければ時々参加したいのだが。」という話が聞かれました。
南向きの斜面ということ、大きい変化を感じられる活動であったこと、南側に整備されたばかりの中央広場を眺め、北側に日本民家園の合掌造りの屋根などを眺める という特殊な立地であったこと、そして天候に恵まれたこと、こうした条件が揃ったことによるものだと考えています。
特に南向きの斜面という条件は魅力的です。
里山倶楽部では、生田緑地で楽しく植生管理を行ない、生田緑地の自然の保全に貢献してくれる市民を求めています。
今まで経験したことのない植生管理を初めて体験して、植生管理が楽しいものだということを感じてもらい、しかもその活動によって自然を保全することに貢献できる ということを知ってもらう最高の活動場所がまた一つできたようです。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
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