生田緑地植生管理協議会市民部会
里山倶楽部A
第A-5回《植生調査、萌芽と実生の保護》


日時 2011/9/3(土)10:00〜14:00 曇時々雨
場所 生田緑地 皆伐更新地区
参加 工藤真貴子、工藤千穂(幼稚園年長)、藤間煕子
   (市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美

台風12号のために雨になるという天気予報でしたが、風は強いものの雨は降っても数分間で止んでしまう状況が続いていましたので実施することにしました。
参加者も人数的には少なかったのですが、8月は休んでいることもあり、モニタリングを済ませておきたいと思いました。
ただ、風が強いことから枯枝などが落ちてくることもあると思い、ヘルメットを着用することにしました。 幼稚園年長の千穂ちゃんには大き過ぎるかと思ったのですが、調節してみると何とか着けられることが分かりました。

アカメガシワのシードバンクは相当なもので、一面に広がり、コナラの実生を隠していましたので、保護措置が急がれます。 それでも先ずは植生調査をしておく必要があります。
2ヶ月前の里山倶楽部の時はアズマネザサがやっと少し伸びだしたかという程度でした。 それが結構な深さの叢をつくっていました。
今回は、萌芽更新地区のモニタリングを続けてきた藤間が比較研究をするために参加することになりましたので、 一緒に調査して勉強させてもらうことにしました。

クヌギの萌芽は一段と伸長していましたが、虫の食害も受けていました。 萌芽調査は次回にすることにしましたが、萌芽が枯れ落ちてしまっている切株もありました。

里山倶楽部では参加者が少しずつ植物を覚えていくことを楽しめるようにしたいと思っていますが、 一度にたくさんの植物を教えても覚えられないし、苦痛になってしまうと思います。
今回は個体数の多いアカメガシワは抜き取ることにして、植生調査と並行してアカメガシワを抜き取る作業も開始しました。 千穂ちゃんは未だ就学前だというのに、アカメガシワだけは覚えてしまいました。 まず1種をクリアです。 見つけて引き抜くという作業を繰り返していると、確実に見わけられるようになると思います。

アカメガシワの実生が大量に発芽していました。 シードバンクの種子の数の多さを示唆していると思います。
アカメガシワ
ヨウシュヤマゴボウも多数見られました。
ヨウシュヤマゴボウ
春はまだ裸地の状態で、アズマネザサ以外の植物の発芽が殆ど見られず、皆伐したのは拙かったのではないかと心配させられました。 しかし、一夏を過ぎた頃にはこんな状態になるということが分かりました。 それにしても、シードバンクに眠っている種子の数は本当に膨大なものだということが分かります。

コナラの萌芽や実生は、アカメガシワなどに覆われていました。

キリも数本生育していました。

何でこんなものがと思わせる植物がいろいろ育っていましたが、極めつけはトレニアでした。
インドシナ半島、アフリカ原産の園芸植物です。アカメガシワを抜き取ったら、その陰で咲いていました。
トレニア
ダンドボロギク、ベニバナボロギクなどの外来種も多数見られました。
ダンドボロギク
ここには、サンショウ、イヌザンショウ、カラスザンショウが見られました。
イヌザンショウ カラスザンショウ
珍しく常緑樹がありました。クスノキ科のようです。



今回の植生調査で確認された植物は多くは抜き取ってしまいますが、それでも毎年どのような植物が繁茂するか、夏草の変化を追ってみるのも面白いかも知れません。
2度目の雨が降り出したのを機に、この日の活動は終りにしました。
実生や萌芽の保護活動が充分できませんでしたが、これは後日、事務局として補足しておきたいと思います。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation