生田緑地植生管理協議会市民部会
里山倶楽部A
第B-2回《中央広場北側雑木林 A26 の植生管理を話し合う》


日時 2011/5/21(土)10:00〜12:30 晴
場所 生田緑地 中央広場北側雑木林 A26
参加 金子文隆、下口達夫、白澤光代、前田 宏、藪 哲二
  (多摩区役所道路公園センター)山口泰民、齋藤真吾
  (市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美
今回の活動対象地区

この日の活動は上図の地区の植生管理について話し合うことです。
中央広場の改修整備や青少年科学館の改築が完了する来年3月までに、中央広場に面した当該斜面の植生管理に手を着けたいと考えています。 特に、A26-1 については、今まで廃棄物等の集積場所になっていた所に客車が移動されたため、来園者の目が向けられる斜面になることから、 景観的に魅力的な雑木林として管理することが求められると考えました。
そこで、客車前に集合して、そこから雑木林を観察し、現状についての認識を共有することから活動を始めました。

A26-1を下から観察したこと
  優占している種 気になったこと 大事にしたいもの 排除したいもの 備考
高木層 コナラ 枯れたコナラ数本あり コナラ、ヤマザクラ    
亜高木層 (シラカシ) 落葉樹が無い   マテバシイ、シラカシ 亜高木層を構成している樹木が少ない
低木層 竹、アズマネザサ 常緑樹が目立つ ヤマツツジ 竹、アズマネザサ、アオキ、ヒサカキ、アカメガシワ、ミズキ  
草本層         アズマネザサ密生のため殆ど確認できず

広場側から観察した後、中央園路側に回り、樹林の中に入りました。 事前に少し路をつけておきましたが、ヤブコギであることには変わりありませんでした。
目についたタケノコは切り倒しました。この竹は日本民家園から侵出してきたもののようです。
斜面の上の方は、落葉が捨てられていて、厚く積もっている所が数ヶ所広がっていました。
アズマネザサをかき分けて進むと、アズマネザサの中にヤマツツジが埋もれていることが分かります。

ゴミも埋まっているようです。

A26-2 の擁壁の上にでました。下を見ると足がすくみます。
A26-2 には、アズマネザサが密生し、その中からシンジュが伸びています。

樹林内の観察を終えて入口の所に集まり、一服してから、話し合いを続けました。
同じ A26-1 ですが、樹林内を見て認識が変わるかも知れません。
林内を見た後の A26-1 についての評価
  優占している種 気になったこと 大事にしたいもの 排除したいもの 備考
高木層 コナラ   コナラ、シデ、ヤマザクラ シンジュ  
亜高木層     リョウブ ヒサカキ  
低木層 竹、アズマネザサ、ヒサカキ   ヤマツツジ、ウグイスカグラ 竹、アズマネザサ、ヒサカキ、ナンテン、セイヨウナンテン、アオキ  
草本層     (非公開)    

目標植生について
ヤマツツジが咲き、ヤマユリが咲く、明るい雑木林、眺めて楽しい雑木林
アオダモ、リョウブ、ウグイスカグラなどが所々に見られる雑木林

植生管理について
今夏、竹とアズマネザサのみを業者に刈ってもらい、その後、里山倶楽部Bの活動でヒサカキ、アオキなど排除すべき樹木を除伐する。
ヤマツツジの生育を優先させる。
落葉かきをする。
ゴミを取り除く。
風通し良く、見通し良く。
広場に面していることから、来園者、特に子どもの出入りが無いように対策を講じる。
次の代のコナラを育てることを検討する。(コナラが高木層だけになっている生田緑地の雑木林共通の課題)
常緑樹を伐採し、亜高木層の落葉樹を育てる。

確認事項について
日本民家園との境界と隣接地の管理についての意向を確認する。(多摩区役所道路公園センター)

A26-2 については、危険性が高いことから業者作業とし、定期的な管理とすることを話し合いました。

次に、A26-3 について、斜面の下に移動して、話し合いました。
まず、傾斜が急勾配であること、民家園内を通行する人が間近に見られることを、あらためて確認しました。
A26-3 の香りの園に面している斜面については、香りの園が暗くなっているので斜面の樹木を伐採して明るくしてほしいという希望が行政からありました。 しかし、過去の隣接地での経験から、伐採等によって表土が乾燥して崩れてくる可能性も考えられることから、植生管理は慎重にしようということになりました。
ただ、植栽した梅の上に伸びているコナラについては途中から伐らせてほしいとの要請があり、仕方ないという結論にはなりました。
しかし、香りの園の植栽樹の選定と配置が環境を無視して計画されていることは非常に残念に思います。 日陰地には日陰を好む植物を選定するべきだし、生田緑地内で除伐を繰り返しているヒサカキをわざわざ購入して植栽するなど驚くほかありません。

その西側の地区は、よく見るとシンジュが多数侵入していました。 アズマネザサも繁茂していますが、これの刈り方は、隣接地での崩落経験を考えると微小な地形変化に応じた負荷の小さい進め方を考える必要がありそうです。
景観的に気になる斜面のすその緩い傾斜の部分のみのササ刈りを A26-1 と同時期に業者によって行ってみようということになりました。
また、繁茂しだしたシンジュについては、確認しながらの除伐を里山倶楽部またはかわさき自然調査団で行うことを話し合いました。

予定より少し早い時間ではありましたが終了としました。
暑い陽射しを避けて、メタセコイヤの林の下で、シートを敷いて、お弁当を食べている家族が目立ちました。
整備されたばかりの中央広場のベンチを利用している人はいませんでした。 まだ、5月です。 普段生田緑地を利用している市民の発言を無視すると、このようなことが起こります。
落葉樹の下にテーブルベンチを置くことを考えて欲しいと願います。 年々、お弁当を持って来園する家族連れが増えているように感じています。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation