生田緑地の谷戸の自然保全活動



ヨシ原のヨシ刈り

日時 2016/4/12(火) 10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地 ヨシ原
参加者 岩田臣生、岩田芳美、木坂陽子、田村成美

谷戸は、ヤマザクラが咲く頃は一際美しくもあり、長閑でもあります。
ウグイスの声とシュレーゲルアオガエルの声が谷戸に響きます。
その頃が田起こしの季節だと思っていますが、冬季湛水の田圃では、田起こしとは言えないと思います。
ただ、田植え直前の代掻きが容易にできるように、湛水された状態で耕すということを行っています。
しかし、アズマヒキガエルのオタマジャクシが広がっていますから、そのオタマジャクシを避難させるのが一大事です。
目の前の大量のオタマジャクシを見ていると、そんなことを考えてしまいます。


下の田圃が水が落ちていました。
堰の土嚢の下から、水が流れ出ているようでした。 そこで、応急措置として、土嚢の上に乗って、土嚢を押しつぶしてみました。
隠れていた、大きなホトケドジョウが飛び出してきました。


ヨシ原に着いたところに、生田緑地定例調査中の野鳥班が通りかかりました。
同じ調査団に所属していても、知っている団員は限られています。 後から、「あの人たち何ですか?」と尋ねられて、紹介しあわなければならなかったのかと思いましたが、野鳥調査は一定速度で歩いて調査するというのが基本ですから、調査中は話しかけるのは適切ではないと考えています。


木道近くはカサスゲが開花しています。例年より 1週間は早い開花です。
冬に枯れたカサスゲ刈りをしたのは、カサスゲの新芽が伸び易くすることであり、開花を楽しめるようにすることであったのです。
今年のヨシは、多くが根元から30cmほどのところで折れて倒れていました。
クズが繁茂したようで、太いつるが残っていました。
あちこちに、タマゴの殻を想像させるようなカラスウリの実が転がっていました。
ヨシは既に、新芽が出始めていましたが、強い植物なので、また直ぐに茂みをつくるでしょう。
ついでに、伸び出したキショウブもザッと刈りました。
隣地に住んでいる方が「昔は庭にまでヨシが生えてきたが、刈ってもらえるようになってから、それが無くなった。」と感謝の言葉をいただきました。


ミツバアケビの花が咲いていました。


活動後、下の田圃の堰の様子が気になりましたが、浅く水が広がっていることが確認できました。 丁度よい感じです。

上の田圃に来た所で、シオヤトンボがヘラヘラと飛び出しました。 羽化が始まったようです。

梅畑で休憩しました。
春は、毎回、景色が変化しています。
身近な自然も、ダイナミックに感じられる季節です。
谷戸の奥の樹林も日々、様を変えています。
しかし、今年は既にセリバヒエンソウが一面に咲き始めています。頭が痛くなります。


湿地でもシオヤトンボの羽化が始まっているかと思って寄ってみましたが、羽化殻は見つかりませんでした。
先程の個体は上の田圃辺りで羽化したもののようです。
湿地1段目から2段目に落ちた水が穴に吸い込まれていました。
とりあえず辺りに生えていた草をむしり取って、穴に突っ込んで塞いでみたら、少しずつ、2段目に水が流れ始めました。
素手では、それ以上は無理です。 次回はスコップとイネワラが必要です。 或は、土嚢にするか、モウソウチクの樋にするか。 ゆっくり考えた方が良さそうです。
辺りには、ニョイスミレ(ツボスミレ)が咲いていました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation