生田緑地の谷戸の自然保全活動



谷戸の合流部のキヅタ剥ぎ、アオキなどの常緑樹の除伐、水辺づくりなど

日時 2016/3/3(木) 10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地 谷戸の合流部
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三、田村成美



イネワラを持ってきて、田圃の水漏れ穴を塞ぎました。
畦の下の方に、大きな穴が開いていました。
その穴にイネワラを押し込み、土を押し込んで、一応、水は止まりましたが、水に入れた手が冷たくて、丁寧とは言えない作業になってしまいました。


谷戸の右岸、上の田圃下から合流部の間にあった湿地の水が涸れて乾燥していたことが最近になって分かりました。
そこで、水流から少し水が流れ込むように、畦部分を少し掘っておいたのですが、効果はまだ現れていませんでした。
一度乾燥してしまった場所を湿地に戻すのは容易いことではありませんし、対象範囲も広いので、人為的な攪乱を行い、積極的に水を入れることが必要かも知れません。

上の田圃下の草地につくった水流は順調に流れて、末端につくった水溜まりも湛水していましたが、そこから溢れて流れ出してはいませんでした。
どのような状態にあるのか、把握しかねています。


市はホタルの里整備事業の中で、上述の湿地の少し下流部に木製の取水口を設けて、谷戸を横断する水路を掘り、木道から近い場所にメガネ状の池を造りました。
しかし、取水口は1年も経たずに壊れてしまい、水路に水が流れなくなりました。
私たちは、何度か、土嚢で水流に堰を設けて、水位を上げて、水路に水が流れるようにすることを試みましたが、降雨時の水流によって壊されてしまうため、諦めてしまいました。
そのため、この水路は水が流れなくなっていました。元々無かった水流なので、自然に逆らって造られたものに拘る必要は無いと考えました。
しかし、左岸側からの水流から溢れた水がメガネ池方向に流れていたり、上の田圃から排出された水が地下に浸みて流れ、池の辺りにも届いていたのか、実態は不明ですが、この水路のメガネ池に近い所から僅かに水が湧き出していました。

今回は、メガネ池の状態を調べるため、池だった部分に溝を掘ってみることにしました。
上側の池は水が殆ど入らずにあったようで、直径2cmほどの樹木の根が何本も走っていて、なかなか骨の折れる仕事でした。
一周掘り終えた後も、水が溜ることはなく、辛うじて、溝の底に水が広がってくれたという状態でした。
上の田圃からの排水の流れを、この池の場所につなげないと、池にすることはできないでしょう。

ウグイスをはじめ、シジュウカラ、ヒヨドリ、コジュケイなど、様々な野鳥の声が賑やかに聞こえていました。


下側の池は、まだ湿地の状態を留めており、力を入れると足が潜る状態でした。
また、水路の下流側に土を盛っておいただけで、池の中の掘った部分には水が溜ってきました。


泥あげ作業は腰に負担のかかる作業です。
気分転換も兼ねて、アオキなどの除伐やキヅタ剥がしを行いました。
アオキ、ヤツデ、シュロなどの林はまだまだ続いていますし、林床には一面のキヅタが広がっています。


帰り道、すっかり暖かくなった谷戸には越冬していたキタテハが飛び出しました。

生田緑地の谷戸の自然保全活動のメインページへ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation