湿地の水辺管理 日時 2015/12/17(木) 10:00〜12:30 晴 場所 生田緑地 不動谷戸 ハンノキ林下の湿地 参加者 岩田臣生、鈴木潤三、田村成美 谷戸のハンノキ林北側の土地は、1958年9月の狩野川台風による被害を受けるまでは谷戸最奥の田圃だった所です。 台風によって崩れた土砂に覆われて、田圃を諦めて畑に転用するために、排水を良くするための努力をしてきたと、元の地主さんが話してくれました。 水田ビオトープ班では、2004年10月にシンポジウムを開催し、生田緑地の自然を守る方法について話し合い、生田緑地に関わる行政と市民の間で保全活動のあり方についての考え方を確認し、 翌11月から、この場所を湿地にすることから生田緑地の自然の保全活動を開始しました。 それから11年が経過しましたが、多様な生物のために水を管理することは難しくて、管理を怠ると水が干上がってしまうことが多々あります。 今回は水の状態を調べて、手入れが必要なら、ここで活動し、必要なければ、別の場所で活動するぐらいのつもりで谷戸に降りました。 当たってほしくない予想は当たるもので、湿地1段目に入る辺りで水漏れを起こしており、湿地内の水は涸れかけていました。 この水漏れ穴を塞ぐと、勢いよく水が湿地に流れ始めました。 その流れ方を見ながら、流れを悪くしている箇所の落葉や泥をジョレンで掬いあげて、流れやすくすると共に、1段目の途中に小さな堰をつくって水溜まりができるようにしました。 次は2段目です。 湿地2段目の中央部分は、今回は手を入れません。 この部分は、この湿地の中で最も重要な場所です。 2段目の西側(竹林側)には、竹林下の水流を導水していますが、園路下辺りから泥あげを始めて、ツゲの木の下に溜った土砂を掘りあげて水溜まりをつくることから始めました。 この水溜まりから2段目中央部に流れ出る辺りは、今回は攪乱しないようにしました。 次に、2段目から3段目に水を落とすための管の手前付近は泥あげをして、水溜まりをつくりました。 今年は特にミゾソバが一面に繁茂していた場所で、枯れたミゾソバの茎が広がっていました。 並行して、1段目と2段目の境辺りに繁茂していたヤマグワ、その他の灌木を刈り払いました。 2段目の東側3分の1については、区域の外周部に溝を掘り、水が流れるようにしました。 春先に田起こしと同様の管理を行って、田圃の土のように柔らかくする攪乱を行えば良いだろうと考えています。 ここは、特に田圃雑草と呼ばれるような植物を優先して保護しています。 2段目と3段目の間に繁茂していたヤマグワ、ウツギ、キブシ、モミジ、アズマネザサや、オギ、ススキなども刈りました。 サクラの実生が大きくなっていました。 実生とは言っても、確か、1回は伐ったはずなのです。サクラも若齢の時は萌芽更新するようです。 何故か、ツゲの木の枝に、オオカマキリの卵鞘が沢山ついていました。 湿地3段目に水が入り始めてから帰りましたが、3段目には、アライグマの鮮明な足跡が残っていました。 |
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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation