谷戸の水辺保全 日時 2015/11/5(木) 10:00〜12:30 晴 場所 生田緑地 湿地の水路、竹林下の水流 参加者 岩田臣生、鈴木潤三、田村成美、細川洋子 生田緑地のリュウノウギクが咲いていました。気持ちが季節に追いついていないのか、驚かされました。 湿地の近くにはシロヨメナが咲いています。ただ、夏の蛾類幼虫と思われる食害のために、今秋の花は少なくて、精彩を欠きます。 少し暗い林床に、カラタチバナが真っ赤な実をつけていました。 ツリフネソウの花が終わって、雑木林が黄葉するまでの間、谷戸は景観的にはひっそりとしています。 しかし、冬鳥の姿が見られだしましたので、晩秋の散策もまた楽しいものと思います。 湿地 昔は、谷戸の奥、ハンノキ林の手前まで田圃がありました。 この田圃は、もう半世紀以上になりますが、狩野川台風による土砂崩れで土砂に埋まり、元の地主さんは水田耕作を諦め、畑にするため努力していました。 しかし、生田緑地の谷戸の湧水は飯室層の上面から滲み出すものであるため、どこからともなく水が浸み出してきて、上手くいかなかったと、元の地主さんは語っていました。 そんな滲み出しのお蔭で細々と生き残った植物がありましたが、それも、いつの間にか消えていました。 そこで、谷戸の保全活動は、この場所を、田圃だった頃に近い環境の湿地にすることから始めることにしました。 活動開始から11年になりますが、長期に渡って、畑にするための努力をしてきた場所だけに、水を制御するのは容易ではありません。 水漏れが起こる度に手を入れることを繰り返しています。 11/1(日)に谷戸の水辺を見て回った時に、湿地の水路の水が涸れていましたので、これを補修する活動を考えました。 湿地に入ると、11/2(月)の降雨のお蔭か、湿地1段目の水路は水が流れていました。 竹林下からの流れは、湿地に入った所で、大きな穴に吸い込まれていましたので、これを土嚢で塞ぎました。 湿地3段目にも水は届いていて、水溜まりは残っていました。 そして、その水溜まりには、シジュウカラが2羽来ていました。水溜まりを隠すように繁茂したオギとヤマグワが、野鳥に、安心できる環境を提供しているようです。 竹林下の水流 湿地の水の保全は短時間で終わりましたので、場所が近い、竹林下の水流の保全管理を続けて行うことにしました。 竹林下の樹林は、今年、誰かが勝手に下草刈りをしてしまいましたので、夏場の気温上昇、降雨時の土砂の流れ込みなど、気になっていました。 この水流は、毎秋1回、水流の泥あげ、水溜まりづくりを行ってきました。 この辺りは、上述の土砂崩れによる土が堆積しているため、その下に伏流してしまうことが多く、横方向への水漏れを防ぐ土工が要求されます。 水流は上述の堆積土に開いた穴から現れますが、この辺りの側面下部に流れ込んでいた穴を塞ぐと、水が消えていた水流跡に小さな流れが生まれました。 毎秋の手入れで堰として置いていた倒木や落枝は殆ど消えていました。大雨による洪水で流されたり、土砂に埋まったのかも知れません。 落枝を置いて、土砂を被せた堰で水溜まりをつくる活動を行いました。 活動を終えて木道に戻ると、手摺の上に、こんな幼虫がいました。形からはキンウワバ亜科の幼虫のように思えましたが? |
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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation