生田緑地の谷戸の自然保全活動



田圃のイネの保護
日時 2015/9/15(火) 10:00〜13:00 曇
場所 生田緑地 湿地、上の田圃、下の田圃
参加者 岩田臣生、岩田芳美

今年もアライグマのお蔭で、稲刈り、脱穀という里山の自然学校のプログラムに不安を感じています。
だからと言って、簡単に諦めるわけにはいきません。 大雨で倒れたイネを起こして、外周の溝を深くすることにしました。
谷戸に降りた所で、木道の上に、ゴマダラチョウが休んでいました。 余り元気がありません。 飛んで逃げる力が弱く感じられました。


上の田圃
水田ビオトープ班も、晴耕雨読の活動、泥だらけになることも厭わない活動ができる班員を増やさないといけません。
この日は3人の予定が2人になってしまいました。
優先すべきは上の田圃の下の段です。 ここのイネはまだまだ被害が少ないので、晴が続いて成熟が進めば、稲刈り、脱穀のプログラムも行えそうです。
そこで、今回は、下の段の泥あげと倒伏したイネを立てる活動を行うことにしました。

まず田圃の中に倒れこんでいるジュズダマを畔の上に踏み倒して、田圃の泥を載せることから始めようとしたら、透けるような黄緑色の宝石がいくつも零れ出しました。
クロコノマチョウの蛹や前蛹です。大小様々な幼虫もいました。
これは潰してしまうわけにはいきません。
そこで、草を踏み潰すのは止めて、畔の外側に倒して、根元に泥を載せることにしました。 寝かされたジュズダマは多少立ち上がるでしょうから、何とか羽化するでしょう。

田圃ではシオカラトンボ♂♀やオオシオカラトンボ♂♀の 少し上空をアキアカネ♂♀が数匹飛んでいました。 もう連結している個体も見られました。



田圃の中には、コナギが咲いていました。

水域にはアメリカザリガニが逃げようともしないでのんびりしていました。 ジョレンで掬って、7cm大3匹を駆除しました。

田圃周辺のツリフネソウが見ごろを迎えつつあります。

ホウジャク類(スズメガ科ホウジャク亜科)がツリフネソウの花から花へ、忙しく吸蜜していました。
そこにナガサキアゲハ♀もやってきました。
ジョレンを放り出して見に行きましたが、咲きだしたツリフネソウを踏み荒すわけにはいきません。 上手く撮影できませんでした。



下の田圃裏
下の田圃裏の水流も点検しました。
案の定、田圃への水は止まっていました。 水辺にはタヌキや、残念ながらアライグマと思しき足跡などがありました。
田圃へのパイプが泥で埋まってしまうのは、哺乳類の活動によるものなのかも知れません。

定点カメラ回収 X2、F3、S
8月4日に谷戸の中の3ヶ所に設置した哺乳類調査用定点カメラを回収しました。

湿地
湿地の上空5〜10mにアカトンボが群れていました。 アキアカネのようです。
湿地の水辺も点検しておくことにしました。
竹林からの水流は木道の下で穴に吸い込まれていました。 この穴は、この木道の脚部分の構造に起因するように思われます。 足で踏んで潰しました。
湿地の2段目、3段目の水は涸れていました。
目立たない水漏れが何ヶ所もある可能性があります。 流れ全体を調べる必要があるかも知れません。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation