草の根交流


渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会
日時 2015/4/24(金) 9:00〜14:00 晴
場所 生田緑地 
交流先 渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会 事務局長 猿山弘子
     志村章子(かわさき自然調査団野鳥班にも所属、ジャーナリスト、ガリ版ネットワーク創設者)
参加者 岩田臣生、岩田芳美

渡良瀬遊水池は、栃木県栃木市、小山市、野木町、茨城県古河市、埼玉県加須市、群馬県板倉町にまたがる面積33平方キロメートル、日本最大の遊水池です。
ここは渡良瀬川の最下流に位置し、100年前まで3000人が暮らす谷中村がありました。
そして、足尾銅山の鉱毒激化に対応するために、明治政府が遊水池を計画し、谷中村を廃村にし、明治40年に16戸を強制破壊したという歴史があります。

渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会は平成2年(1990年)9月に発足し、渡良瀬遊水池の開発に反対する運動を展開し、2012年7月にはラムサール条約登録を実現させました。
これを契機に、同会は、改めて、渡良瀬遊水池の自然を守るために、野外自然史博物館「渡良瀬遊水地まるごと博物館」を市民活動として推進しています。
このことから、市民活動として自然の調査、保護を実践している調査団との交流が始まりました。
これは、同会の会員であり、かわさき自然調査団(野鳥班)の団員でもある志村さんが仲立ちしてくれたものです。
志村さんは、足尾鉱毒事件、女性問題、老人問題などをテーマに活動するジャーナリストであり、1994年にガリ版ネットワークを創設した人物です。

そして、この日、同会事務局長の猿山さんが生田緑地に来園されましたので、事務局が生田緑地を案内しました。
ビジターセンターで待ち合わせて、中央広場を見て、奥の池から伝統工芸館への道を辿りました。

谷戸へ降りかけた所で、野鳥班の平賀さんと出会いました。

川崎を代表する植物、タマノカンアオイを紹介しました。

ピクニック広場では、何年にもわたる野鳥班との調整、実施したこと、現状の評価について、野鳥班でもある志村さんの前で、説明しました。

生田緑地の湧水が見られ始める標高、湧水の源、水辺に普通に見られる大型のスゲ植物であるミヤマシラスゲなどについて説明しました。

昔田圃だった場所を湿地にすることで、昔は水辺にあった植物を復活させたり、水辺の昆虫などが生息できる環境づくりをしている湿地を案内しました。
今年は、神奈川県東部では危機的状況にあるシオヤトンボの羽化を確認できるようになったことも話しました。
スケールの違いがありますが、私たちのような市民活動による生物多様性保全活動に関心を持ってくれています。

メールマガジンによく出てくる田圃も案内しました。
野生化して残っているゲンゲの花やジュズダマに関心を示すのは歳のせいでしょうか、会員の高齢化の話になってしまいました。

下の田圃付近では、木道からクロセンブリやヤトセスジジョウカイを観ることができました。
ヨシの新芽も伸び始めていて、渡良瀬遊水池より早いとか、ヨシ以外の植物の芽生えにも関心を示されていました。
下の田圃の隅に、羽化後間もないと思われるシオヤトンボ♀がいましたが、双眼鏡で観察されるのは普段の習慣なのかも知れません。

城山下谷戸ではシダ調査中のシダ植物班に出会いました。

渡良瀬遊水池には見られない植物には、夢中になって観察していました。

体力の回復していない事務局(芳美)のペースで、ゆっくり、のんびりした観察会でした。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation