生田緑地の谷戸の自然保全活動



ハンノキ林のアズマネザサ刈りとアカメガシワ除伐
日時 2015/1/26(月) 10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地 ハンノキ林南地区
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三、田村成美

ハンノキ林の更新については2007年に生田緑地植生管理協議会の承認を得て、南端部を占めていたヤマグワ、アオキ、アカメガシワ、アズマネザサなどの藪を除伐し、ハンノキ林に変える活動を始めました。
この区域は木製デッキに面していますが、この部分の藪を除伐後、同年5月に、湿地に出てきたハンノキ実生5本を移植しました。 6〜7月には、この幼木にミドリシジミが産卵する場面が観られ、木製デッキは絶好の観察場所になりました。
ところが幼木を利用する生物はミドリシジミだけではなく、蛾やハバチの仲間の幼虫が葉を食べ、細い幹の芯に入る生物もいて、現在残るのは2本のみとなってしまいました。
この2本も日照不足のためか、成長は極めて遅く、とても8齢とは思えない大きさです。
生田緑地のハンノキ林が形成された頃は周囲の木々も小さく、辺りは明るかったものと思います。 ハンノキ林の更新ということを考えるなら、林床を明るくすることが必要だと思われます。
しかし、現状は林床の適度な暗さに適した生物が生育、生息しており、その中には神奈川県内では珍しい存在になってしまった植物もあります。
このため、ハンノキ林の更新は、そんな単純な方法では生態系を壊してしまうことになりかねません。
ハンノキ林は生田緑地の中でも生物多様性の観点からは非常に重要な場所だと考えていますので、もう少し林内の状態を調査してから、どのような手を、どの部分に入れるかを慎重に検討する必要があると思います。 勿論、取り返しのつく範囲でやってみて考えるを基本に進めることは絶対条件だと思います。

2007年の藪の除伐後も隣接に群生していたアカメガシワを毎年2〜3本のペースで除伐していました。 今回は残っていたアカメガシワのうち7本を除伐し、区域南側を明るくするという活動は一旦終了したいと思います。 実は、まだ大きなアカメガシワが2本残っていますが、私たちの能力、経験および木道に近く、しかも木道側に重心があるという条件から危険であると判断し、この日は伐採しませんでした。

現地に入ってアズマネザサを刈っていたら、雪の結晶を連想させる不思議な菌類がありました。
2007年に掘った水路には少ないながらも水が流れ、岸辺にはタマノカンアオイの大きな株も見られました。
アズマネザサは昨年出たものが30〜90cmほどに伸びていました。 これは刈っておかないと陸地化が進んでしまうと思います。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
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