生田緑地の谷戸の自然保全活動



湿地の水辺保全
日時 2012/3/7(水) 9:50〜14:00 曇 16℃
場所 生田緑地
参加 岩田臣生

谷戸に降りると周囲のアズマネザサのヤブの中からウグイスの声が聞こえていました。 今年、初めて聞く声です。 気温も高くなって、アズマヒキガエルが出ているかなと思いましたが、ハンノキ林上の池にはいませんでした。 湧水の量が明らかに多くなっていて、池の水は澄んでいました。 水底にホトケドジョウの姿か見えました。
ハンノキ林内の流れも水量が増えていて、いつも乾いていた地面に、僅かに流れているのかと思わせる湿った地面の帯が林床に描かれていました。
この日の活動は湿地の水辺の保全です。 昔あった田圃に代わる水域をつくりたいと思って数年前につくった池は、どこからともなく水が消えてしまい、水を湛えていません。
直ぐ上のエゴノキの大枝が根元に近いところで裂けていて、枝先が地面についていました。 1週間前の雪でやられたようです。 次回、ノコギリを持ってきて伐ることにします。

作業は池に導く水路の泥あげから始めました。
通りかかった来園者が「この前来た時には、ここには大きなカニがいた。今日はいないが、どうしたのか。」と尋ねてきました。
そんなに大きなカニというのはモクズガニしかいません。 この湿地の水流や池で何回か見ています。 多摩川では普通に生息していますが、生田緑地では珍しい存在です。 カワニナや、ホトケドジョウ、水生昆虫などが捕食されることを考えると歓迎できない生物です。 少し、話し相手になってから作業を始めました。

池は西側の畦の上に泥をあげて、池から東側へ戻る水路を広げることにしました。
途中で、かなり大きな音をたてて流れだしている穴を見つけました。 どことなく滲みだしていた穴が大きくなっていたようです。 土嚢をつくって、これを塞ぎました。

湿地2段目は、まず、枯れたチゴザサやオギをザッと刈って、水域づくりにも少し手をつけました。
2004年末に手をつけた時はガチガチで掘るのを諦めたのですが、7年経って土はすっかり柔らかくなっていました。 少しずつ手を入れて、できれば田圃状の水域にしたいと思います。

水がたっぷり入っていると景観としても魅力的になります。
そろそろ安定した水域にしなければいけないと思っています。

ヤナギの花芽が外套を脱いで、セーター姿になりました。
帰り道、また通りかかった来園者から声をかけられました。「ここにザゼンソウがあったはずなのだが、今年はどうしたのだろう。」というのです。
どうも盗掘されたらしいことを話しました。 ミズバショウも盗掘されたと話しました。
「根は深いし、どこででも育つものではないのに、どこの馬鹿がそんなことをしたんだ。」と憤慨していました。
昔の北部公園事務所長が植えたと聞いていますが、毎年楽しみにしているファンが多数いました。 生田緑地にとっては外来種ではあっても、一株だけで、増える様子はなく、毎年1〜2輪の花をつけていました。


キヅタ駆除
日時 2012/3/7(水) 10:00〜13:30 曇 16℃
場所 生田緑地
参加 岩田芳美、金子文隆、城本法子

ハンノキ林上の池にはいませんでしたが、上の田圃にはアズマヒキガエルが1匹来ていました。 もうじき蛙合戦が始まりそうです。

ホタルの里のキヅタ駆除を行いました。 これは本当に辛い作業です。
この日はモズが3羽やって来て、縄張り争いをしていました。 ヨシが刈られたり、キヅタが剥がされた地面で、いい思いをしたようです。
この作業に初めて参加した2人は、この来客のお蔭で気分が良くなったようです。
モズたちは作業中の人には警戒しません。
辛い作業が楽しくなったのは、すぐ近くまで飛んで来てくれたモズたちのお蔭です。

落葉の中で、アカスジキンカメムシの幼虫が越冬していました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation