生田緑地の谷戸の自然保全活動

上の田圃周辺の草刈り


日時 2010/9/20(月)10:00〜12:30 晴
場所 生田緑地の谷戸の田圃
参加者 岩田臣生、岩田芳美、安達翔平

旧北部公園事務所裏の地面にスズバチがいました。 何か探すように動き回ったり、止まって地面を突ついているのか、腹部を上下に動かしていたりします。 時々居なくなるのですが、また現れて、同じ行動を取っています。 巣作りの材料を集めているのでしょうか。

イボバッタもいました。 日当たりの良い、ほとんど草が生えていない環境を好むバッタと聞きますが、生田緑地にも棲息しています。

谷戸へ降りるとジイソブ(ツルニンジン)が咲いていました。 誰がやったのか、花が上を向いていました。花は下を向いて咲きます。
多年草で毎年同じ場所で観察することができるのですが、盗る人も多くて、目立つ場所に生育するものは開花前に無くなってしまいます。


稲刈りに備えて、今月中に、上の田圃の周囲の草刈りをする予定です。 この日は、上の田圃の上側の草地、オダを立てる場所の草刈りをすることにしました。
到着して作業を始めようとすると、「手伝わせてくれ」という人が現れました。
子供の頃に、親を手伝って草刈りをしたことがあり、久しぶりに大きい鎌を振るってみたくなったというのです。
こんな大変な作業を楽しんでくれるならと思い、少しだけ手伝ってもらうことにしました。
自分で言い出しただけのことはあって、身のこなしは鮮やかで、刃こぼれしている鎌でしたが手際良く刈っていました。

草刈りをした場所にはハシカグサ、イ、ミヤマシラスゲ、チヂミザサ、ジュズダマ、メヒシバ、イノコズチ、ヤマグワなどが繁茂し、 イボクサゲンノショウコ、ユウガギクなどがその中に咲いていました。
クロコノマチョウの幼虫が沢山いて、美しく輝く黄緑色の体が次々に転がり落ちます。
木道沿いに少しジュズダマなどを残しましたが、こんなに多いと救い切れないかも知れません。
草の中にはクビキリギスの幼虫や成虫、 オオカマキリコカマキリイナゴなどもいて逃げまどっていました。
ハシカグサ
イボクサ
オオカマキリ
途中で休憩した時に、完全に砂泥で埋まっていた上の田圃ヘの導水路を掘ることにしました。 ただスコップもジョレンも用意していなかったので、素手で掘って、水が流れるようにしました。

田圃にはチョウジタデやコナギが繁茂しています。ツルマメも咲いていました。
チョウジタデ ツルマメ
僅かに溜まった水域にはアメリカザリガニが集まっていました。
シオカラトンボ♂が縄張りを見張っています。
シオカラトンボ

カナムグラは木道の両側に広がり、開花しています。
イチモンジセセリ、ベニシジミ、ツバメシジミなどが飛び回っています。
イチモンジセセリ
ツバメシジミ♀
ベニシジミ
草刈りをしているとオオゲジが現れました。 オオゲジは夜には度々観察されますが、日中、明るい場所で見ると、背中に橙色の斑紋があって、気持ち悪さは半減しますが...。
オオゲジ
作業を再開し、予定の範囲の草刈りを続けました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation