生田緑地の自然の保全

カナムグラ除草、湿地再生地の池のヨシ間引き、下の田圃の水路の管理


日時 2010/5/13(木)10:00〜13:00
場所 生田緑地
参加 岩田臣生、岩田芳美、城本法子、前田浩子

女性陣は集合時間に遅れていた前田さんを待ちましたが、岩田は別活動をするつもりで、先に谷戸へ降りました。
ハンノキ林上のデッキの手摺りにヤマサナエが出ていました。先日、出会ったのは、やはりヤマサナエだったのでしょう。 記録のために写真を撮っていると、野鳥班班長の佐野さんが通りかかりました。 この日は昆虫班蛾類研究グループの一員としての活動だったようです。
※ヤマサナエはサナエトンボ科のトンボです。ヤマサナエの「ヤマ」は里山の山からきているそうです。 里山を代表するサナエトンボということでしょうか。

湿地再生地に降りるとキアゲハがセリの葉に止まって、動こうとしません。翅がすっかり傷んでいます。

伸びだしたヨシの茎にクロセンブリがいました。

岩田の活動の第一目的は、湿地再生地の1段目につくった池の全域に伸びだしていたヨシを70%ほど刈り取って、開放水面を確保することです。
水域にまで広がっていたミゾソバも50%程度取り除きました。
水域には2〜3cmのホトケドジョウが逃げまどっていました。
ここは昭和30年代まで田圃として使われていた場所です。狩野川台風で土砂が流れ込んだので、田圃を諦めたそうです。田圃だった頃の植物が何か復活しないかと楽しみに管理しています。


女性陣は上の田圃下の草地のカナムグラを抜き取る活動を行いました。遅れてきた前田さんも合流できました。 入団して初めての活動でしたので心配しましたが、活動場所に一人で来られました。
草地は、ハルジオンが花盛りを迎えています。ハルジオンは北米原産の帰化植物で大正時代中頃に観賞用に移入した植物です。 繁殖力も強く、外来生物法によって要注意外来生物に指定されています。
ただ、私たちは現在、まだ駆除対象にはしていません。この時期の谷戸の昆虫たちの吸蜜源になっていることは間違いなさそうです。 また、他の大切な植物を駆逐しているとも思えません。田圃の周辺に生育している植物は田圃雑草とされているような強い植物ばかりのようです。 それに、季節の変化につれて勢力図も変化しています。
カナムグラの除草に追われています。

イオウイロハシリグモが田圃の脇のミヤマシラスゲにいました。褐色の個体です。
イオウイロハシリグモは谷戸の湿地で普通に見られる大型のクモです。模様や色の変異が多いのも特徴です。また、網を張らないクモです。

オニスゲも花をつけ始めました。
昔はハンノキ林の林床にオニスゲが群落をつくっていたと聞いています。今は、田圃のわきで見られます。

ゴウソも花をつけています。

草地の上をクロハネシロヒゲナガが飛んでいて、初めて活動に参加した前田さんの関心を引いたようです。 草取りをしている目の前にフワフワと飛んできます。

ミヤマシラスゲが勢力を拡大しています。

イヌガラシ

クヌギカメムシの幼虫でしょうか。

帰り道、セリバヒエンソウが湿地にも入っているのを見つけて、直ぐに降りて引き抜きました。

帰り道の園路沿いにジュズスゲがありました。

林縁にはオカタツナミソウが咲きだしました。

ハンショウヅルの花も開き始めました。ハンショウヅルは本州、九州の山地に生える蔓性低木です。

バッタの幼虫

オヤブジラミの実

生田緑地のあちこちでマルバウツギも咲いています。

生田緑地の谷戸の自然保全活動のメインページへ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation