第3回市民部会「生田緑地中央北地区を調べる」



第3回市民部会「生田緑地中央北地区を調べる」
日時 平成19年 7月8日(日) 10:00〜13:00 晴
場所 川崎市青少年科学館、生田緑地(七草峠〜枡形山〜飯室山〜長者穴古墳)
参加 大賀美陽子、倉本 宣、小泉恵佑、河野順、佐藤登喜子、佐野悦子、高橋宏和、雛倉正人、
   前田 宏、増田 将、森 佳子、吉留憲子、渡辺忠志、渡辺珠美
   萩原 茂( 環境局公園緑地課 )、堀江 洋(北部公園事務所)、鈴木修司( 同左 )、
   小礒 毅( 青少年科学館館長 )
   岩田芳美、岩田臣生
        ( 以上、合計20人 )
【岩田】大至急、生田緑地の植生管理上のゾーニングの手掛かりを作ろうということで、今年度の市民部会を進めています。今日はその3回目ということで中央地区北側の七草峠から枡形山、長者穴古墳までを歩こうと思います。
 途中、枡形山広場の下の小さい広場も見ていただきます。
七草峠から枡形山については、今年1月に常緑樹について調べた場所ですが、今日は別の視点から、即ち、ここの道を歩きやすくしたいという話が出ていますので、道の状態をよく見て考えて戴きたいと思います。見晴らしのこともあると思います。
それから、枡形山から戸隠不動跡に降りる園路ですが、現在、補修工事をしています。そこも見ておいて戴いて、どういう風に思われたかを後で話し合いたいと思います。
 枡形山から飯室山までの園路、飯室山山頂周辺、飯室山から長者穴古墳まで、長者穴古墳の上部は植生管理を実施している所として見ていただきたいと思います。近くに竹林があり、周囲に侵出して広がりつつあります。この管理についても考えて欲しいと思います。 ということで、1時間30分から2時間位、大急ぎで見て戴いて、ここへ戻って30分位意見交換をしたいと思います。
 その前に、今日は植生管理協議会の倉本会長が参加していますので、一言だけご挨拶を戴きたいと思います。
【倉本】植生管理協議会では市民部会を通して、生田緑地で実際に何かやっていこうとしている市民の合意形成を目指しています。その為には基本になる意見が沢山あることが大事なので、今日もできるだけ沢山のいろんな意見を出して戴けたらと思います。どうぞ宜しく、お願いいたします。
【岩田】それでは自己紹介ということで、全員、簡単に一言ずつお願いします。
【堀江】現在、北部公園事務所内の何十年も経った老朽施設、丸太階段とか木柵、園路もそうですが、そういう改修を今年度からある程度やっていきたいと考えています。生田緑地はご存知の通りいろいろな楽しみ方ができる緑地です。自然の観点から見て戴くことも大切ですし、数少ない平らな所をどういう風に活用して行くかと考えるのも考え方の中の一つと思います。色々な観点から考えられた色々な考えを皆様から伺って、補修計画に活かして行きたいと考えています。今回は広い視野に立って考えて戴ける様に、宜しくお願いいたします。
【小礒】おはようございます。科学館の館長です。日頃より館をご利用戴き、有り難うございます。今日は科学館では幾つかの事業が同じ時間帯にあります。下ではシダの観察会をやっておりますし、子ども探検隊の方では多摩動物公園の方に行っています。それからプラネタリウムは10時30分から始まりますし、実験室では科学実験をやっていてガタガタしております。それで、私は、今日は市民部会に参加して、皆さんに同行したいと思いますので宜しくお願いいたします。
【萩原】川崎市公園緑地課の萩原です。今日は市民の立場で参加しました。公園緑地課に調査団さんからメールマガジンを戴いていまして、見ていました。あまり北部公園事務所とはそういう話はしていないのですが、私も公園緑地課で生田緑地の整備、また、藤子不二雄準備室の兼務ということになっていまして、大変興味があるのですが、先ほど言われたように色々な意見が出ているのを肌で感じています。中学時代に野鳥が好きで、そういう仕事に関われないかということで川崎市に入りまして、生物多様性の関係もちょっとかじる事が出来ました。また、こういう立場になったので、自分の普通の目線で北部公園事務所とも意見を戦わせていくような形でやっていきたいと思います。宜しくお願いいたします。(笑い)
...その他省略...
【岩田】それでは早速行きたいと思います。
・・・七草峠・・・
【岩田】まずはここから枡形山までを余り先入観を持たないで、自分の目と耳でみてください。
【吉留】これは外来種のナスビです。
【佐藤】ナスの花みたいですが、ワルナスビといって、ここで蔓延っているのです。トゲが痛いです。2〜3年前は小さかったのですが、増えて、大きくなりました。
【岩田(芳)】生田緑地にあって欲しくない外来種ですね。
【吉留】もう少し大きいくなると根が張って取れなくなるから、小さいうちに取った方がいいと思います。
【 】気がついたらむしった方が良いのですか。
【 】気が付いたら抜きたいですね。
【森】勝手にとっても良いのでしょうか。
【佐藤】生田緑地の中では勝手な採取は禁止になっていますが。
【岩田】駆除すべきものとして決めておく事が必要です。
【岩田(芳)】例えば市民部会などで生田緑地には必要ない外来種という合意をとる事が必要なのでは。抜いてもいいとか。
【佐藤】現在、目立つのはここだけですが、増える確立は高いです。
【増田】ウラジロチチコグサに関してはコンセンサスを得ているのですか。
【佐藤】それを取りきるのは大変です。
【岩田(芳)】それはコンセンサスを得られていると認識しています。植生管理協議会の席で取りますと言ったところ、取って下さいと言われ、反対は有りませんでした。
【増田】それでは皆さんにウラジロチチコグサだと教えてあげて、緑地にくる度に取って下さいと言っては..。
【佐藤】個人で勝手に取って良いのですか。それで良いのでしょうか。
【岩田(芳)】堀江さん、如何ですか。先日の植生管理協議会の席では『私たち(調査団)では抜きます。』と言ったら、取って下さいと言われましたが。個人で来て、勝手に抜いて良いのかという話が出ているのですけど。それはやはりまぎらわしいですよね。
【森】一般の人たちが植物を取って良いのだとなってしまうかも。
【堀江】そうですね。誤解を招かない様に、その点に配慮する必要があるのではないでしょうか。大きな流れとして、外来種は取っていきましょうよという流れはあるけれども、それは一定の規律の基に取らなければいけない話なので、知識のある人とか、目的意識のある方であればいいと思いますが。
【増田】相当厳しくやらないと繁殖力が強いから、とっても、とっても、ちっとも減らない。
【堀江】市民部会として将来的に、例えば年に何回かそのようなイベントをしましょうというような形で、普及啓発していくのが良いのではと思いますが。
【岩田】皆に声をかけて、こういうことをやっているというアピールをすると、それだけで効果がありますから、堀江さんの言われたように、何時、何(例えばウラジロチチコグサ)に限って駆除作戦をやるということで人を集めてやるとか、直接的な効果はそれ一回で済む事では有りませんが、繰り返しやっていくと生田緑地からこのような外来種を駆除していくという意識が定着すると思います。
【佐藤】シラユキゲシを植物班が一斉に取りましたが、そういう形が良いのでしょうね。
【岩田(芳)】団体でまとまって、何をやっているかをアピールしながら行なう事が大事ですよね。
【岩田】そうです。シラユキゲシの時は植物班が中心に行ないましたが、もう少し広く、声をかけてやりたいですね。シラユキゲシはハンノキ林の中なので、勝手に大勢に入られたら困るので、かわさき自然調査団の中だけでやりましたが、ウラジロチチコグサの場合は生えている場所が違うので一般の市民の方に声をかけて一緒に参加してもらうのが良いと思います。
【岩田(芳)】勿論それも、北部公園事務所と事前に調整を取りながらやるのが大事です。
【堀江】意識を高めるためにイベントを企画していく事が、これからは大切な事だと思います。目的意識が無いと意識を集中できないので、ただ歩くのではなく、最初に説明をして、生えている場所などを教えて、皆さんに取って戴く。大体どれくらいの量が取れたか計ったりして、常に記録として残しておくというような事が必要と思います。
【岩田】ウラジロチチコグサ等は生田緑地だけでなく市街地でも、すごい勢いで蔓延っています。これが外来種だと判ったとたんに家に帰って庭で徹底的に抜いた方もいますから。(笑い)そういう効果も含めて植物班が中心になってくれると、色々と教えることも出来ますし、参加者は教えてもらう事が出来るという機会になる。是非、宜しくお願いします。
・・・尾根道を歩きながら・・・
【鈴木】ここは尾根の馬の背みたいな所で、雨が降る度に削られていくような場所です。だから、仕方なく部分的に土留めをしています。
【岩田】場所によってですがこの様な仕方でよいのかなという所も見られます。後で話し合うつもりですが、途中で帰られる方もいらっしゃるという事なので、ご意見を伺いたいのですが、この地区はどうですか、何か気が付いた事が有れば発言してください。
【佐野】道ですよね、要するに。
【岩田】道に限らず、ここは眺望が悪いので、そこの木を伐ってしまおうと言う意見も出てくるかも知れません。一般の人が通りますから。
【堀江】おそらく大昔は眺望が良かったと思います。
【岩田】そうですよね、向かい側の山の斜面が見える。
【森】上に展望台があるので。
【小礒】枡形広場に展望台はあるし、岡本の上にもあるので、ここに無くても良いと思います。
【森】この道では野鳥をかなり見る事ができて、ウグイスもいっぱいいるし、オオルリ、キビタキあたりは、ここのような鬱蒼とした林の中程の枝に止まるので、好きな場所かなと思います。もし、伐ってしまったら、かなり鳥が少なくなってしまうのではと思います。  それだけでなく、夏などは鬱蒼としているので雨や陽差しをしのいだりでき、非常に良い空間だと私は思います。眺望を優先するのかということならば館長が仰ったように、枡形山にいけばあるので特にここの眺望を良くする必要は無いと思います。
【 】ここで無いといけないという必要性が無いです。
【小礒】一般の方が、年を取った方だとか、車椅子なんかの方が来るのはここが一番多いのかな。枡形山に行くとしたらこの道だけなのかな。
【堀江】朝の説明で少し言わせて戴いたのですが、生田緑地には平な所が非常に少ないんです。イベント等が出来る重要なポイントの一つが枡形山なのです。枡形山を除くと噴水広場しか実際問題広い所は有りません。そこは住み分けて、これからも考えて行く必要があると思います。
【岩田】そうは言っても、先日、ホタルの里で作業をしている時に、通り掛かった人が長々と話していったのですが、「生田緑地に来ると土の道があるので気持ちがいい。外へ出ると全部鋪装されていて土の所は無い。やはり軟らかい土の道をしかもこういう坂道の所を歩くと体に非常に良い」と言っていました。その人は昔ボクシングをやっていたのだけれども体を悪くして散歩くらいしか出来なくなったので1日に何時間か歩いているけれども、こういうところを歩くと体に良いし、精神的にも気持が良いんだ、是非こういう自然の状態を残して欲しいという意見がありました。少し代弁しました。  ここも歩き易くということは有るけれども柔らかさとかですね、例えばウッドチップを敷いてみるとか、いろんなやり方があると思うので、石とかコンクリートとか、堅いもので恒久的に整備するという事が必ずしも適切とは思われません。駄目になったらまた手を入れれば良いじゃないかという考え方もあります。行政の場合はできるだけ恒久的に管理の手間がかからないようにと言うのが普通ですけれども。その辺色々と意見がある所だと思います。
【岩田(芳)】と言う事で後程、ここは議論が必要な所です。
【森】そんな計画があるのですか。
【岩田(芳)】そうです。作業車輛とか、車椅子とか、利用の立場からの整備が考えられています。その様な需要と現況の雰囲気というか、イメージを大切にしていくにはどうするかを考えたいと思います。いろいろな意見の方がいますから。でも鋪装は絶対に反対ですが、でも舗装しないと嫌だという方もいるのでしょう。皆さんの意見が欲しかったんです。
・・・枡形山下の小さな広場・・・
【岩田】ここから柵の外のアズマネザサの茂みを覗いていただくと判るのですが、ネコの小屋が設けられていて、定期的に餌やりをしているグループがいます。その為にネコが集団で居ついている所です。その餌にホンドタヌキが餌付けされてしまっています。こうした野生動物との接触が起こっている事は拙いのではと思っています。そういう場所です。  なんとなくいつもネコがいて、カラスがいて、ちょっと臭うので一般の人はちょっと敬遠するような、まあベンチも汚かったりするので、こういう所をどうするか。それから、生田緑地全体の何箇所かでネコを守るためと称して餌やりをしている人がいるという問題も考える必要があります。これは植生管理と言えないかも知れませんが、ご意見を戴きたいと思います。
【岩田(芳)】ネコに関しては絶対に言いたい方がいると思いますが。
【佐野】ここは野鳥班の調査コースですが、何時でもこの先からこの辺りまでネコがぞろぞろっといます。たむろしているのも見ているし、タヌキの疥癬があるのかよく判りませんが、そのように見えるのも何匹か時々一緒にたむろしています。私は餌やりは向う側と思っていたのですが、こっちでもだったんですね。それで、餌をやっている方もお見受けしましたし、草むらの中から人間の話し声が聞こえ、そこで餌をやっているんだなと思いました。ネコを何とかして欲しいですね。
【森】噴水広場のまわりでもすごく餌をやっている人が多くて、噴水広場の奥の方に観察小屋が有るんですが、野鳥観察小屋の所にクロネコが居ついていて、水浴びをする鳥を食べるのですよ。何時だったか、観察会の時にエゾムシクイが観察小屋の前の水たまりで水浴びをしていたのですけれど、それをクロネコがくわえて行って、観察会の参加者全員がそれを目撃し、皆ショックを受けて帰った事があります。餌をやるのでネコも居つくし、ネコの場合はお腹一杯になっても本能で鳥を取るんですよね。動くものがあったら食べなくても襲う習性があるのです。だから、いくら餌をやってもいろんな野鳥が被害にあいます。 それも自然じゃないかという意見もありますが、ネコを半分飼うような状態にして飼っているような形は決して自然の状態ではないので、生態系事態が狂ってくる要因にもなると思います。
【岩田(芳)】昨日の夕方、家に電話があったのですが、菖蒲池の所でカルガモがネコに襲われていたという連絡がありました。
【小礒】昨日片足骨折してて、帰りに見たのですが、7時位にはもういなかったみたいなので、朝見たら大丈夫だったです。飛べました。
【岩田(芳)】そういう電話が入りました。科学館に何とかしてくれと言ったら、死骸でないので受け取れないと言われたと言ってきました。
【小礒】そうなんです。捕まえようとしたら、飛んで逃げて駄目でした。
【岩田】2羽でいて、1羽が襲われていて、もう1羽がそれを守るように威嚇をしているという話を聞きました。
・・・枡形山の木製遊具の所で・・・
【鈴木】木製遊具が痛んでいるので新しく作り直します。来月ぐらいに何案か最終案が出てきますので投票制にしようと思っています。
【岩田(芳)】投票して、一番多い案の遊具に変る訳ですか。それって子連れのお母さんとか、実際に使う子どもに投票してもらえますね。
【森】もうだいぶ危なくなってきているのですか。
【鈴木】ぱっと見は大丈夫そうに見えるんですけど、痛んでいます。木材なのでどうしても年数が経つと。
【岩田(芳)】これは腐らないように加工等がしてある木材ですか。
【鈴木】そうです。20年持つか持たないかです。最大で20年です。
【堀江】周りは防腐剤で持ちますが、芯から腐るんです。中はもうストロー見たいになっています。
【岩田(芳)】竹垣は何年おきに変えているんですか。昨日、竹垣のことやあっちの白い壁はいらないと言っているおじさんがいて、色々と聞かれたのですが。
【鈴木】大体5年ですかね。5年くらいで痛んできます。この雰囲気を壊さないように銀閣寺垣ということでやっています。生田緑地でもここにしかない垣根です。
【 】銀閣寺と同じという事ですか。
【鈴木】そうですね。
・・・戸隠不動跡に降りる階段の所・・・
【岩田】途中まででいいですが、アサダのあたりまでちょっと見てもらいたいのです。 少し崩壊が始まっていて、それを防ぐためにという事でちょっと脇の工事をして戴けたんですけれども。それについてご意見を戴きたいと思います。
【岩田(芳)】工事はこれで終わりですか。
【鈴木】この前提案戴いたように、ここにU形の排水。
【岩田】ここに
【鈴木】完全なU形ではないんですが、ここで水を受けてあげて谷戸の下に水を流すような設備を考えています。もう少し話すとこの広い枡形広場の雨水が流れる所はここなんです。これだけ勾配があるのでどうしてもここに流れて来るんですよ。そうすると今ではこの階段を下っていまして、階段の脇とか弱い所からどんどんと流れていくということで、階段の丸太だけが残って踏む場所の土が流れてしまいます。今度は横に流れて脇を抉っていくんです。そうすると岡本太郎博物館の脇でも土砂災害が有ったのですが、ここも何かの拍子で土砂崩れの要因になったりとかという事もあるので、何とか水の流れをと思います。とは言え生田緑地の中では水はとても重要な要素なので通常の道路のようにすぐに下水管につないでしまえば終わりという訳でも無いので、この水を何とか緑地内にプールさせようということも考えながら、この辺は岩田さんとも話し合いながら方策を考えている所です。これに付いては後でご意見を戴ければと思います。
【岩田】それではちょっと見ていただきます。
 前回、昨年末だったか、今年の初めだったか、この階段の補修の時に、埋める土を脇の斜面から掘り出していたんです。そんなことをしたらそこが水道(みずみち)になってどんどん抉れて浸食されちゃうよといったんですけど、大丈夫だと言われたんです。だけども2〜3ヶ月経って案の定そこがどんどんと浸食されて削れてきたんで、じゃあどうしょうかという話です。それを止める、或いは浸食を防ぐにはどうしたら良いかという事で、これをやってくれたのです。ただ、私たちが提案したのはこういう杭を打つ方法ではなくて、地表面さえきちっと水に抉られないようにしてやれば大丈夫なので、早期にアズマネザサ等が密生するようなことを、もっとソフトなやり方でやった方が良いという提案をしましたが、昨日たまたまここを歩いていたら、こういう形で杭を打たれて板で止めるという工法になっていたので多分ここは雨水が流れた時にこういう杭を打ったりしているとそこがまた浸食するようなことになり、広がって行く可能性の方が強いのじゃないかと私は思っています。
 こういう話は先にしない方が良いと思ったのですが..。皆さんはどう思われるかという事でよく見て戴きたいと思います。
...皆で下まで降りて見学...
・・・枡形広場・・・
【岩田】先ほど河野さんから話がありました。桜の木の葉が秋に散りますので、それを掃いて捨てています。ここは地面が固くなっています。根の周りまで固くなっているので桜を大切にするのなら根回りを保護し、落葉をそこに集めるとか、立ち入られないようにするとかした方がよいのではというご意見です。それは桜だけではないと思います。ケヤキもそうですし、エンジュも。ケヤキは結構強いようですが。どうでしょうか。 広場になっているところでは良くある問題ですが。
...(意見求めるも特になし)...
【岩田】それでは、これはこれでちゃんと記録して残します。飯室山の方に行きましょう。
【岩田(芳)】ここの桜が枯れたら、多分一般の市民の方から目茶苦茶に管理に対してクレームが付くと思います。ここは桜の名所ですから。
【森】落葉を自然の形で残し、木を守るという事が大切と思うので、良い考えです。
・・・枡形広場の長者穴口方面降り口・・・
【岩田(芳)】ここまでが枡形山広場です。ここからは飯室山頂に向かう散策路になります。尾根筋に一本の道を通した形で人通りは本当に少ないです。生田緑地の中では人が通らないコースの一つです。こういうコースが好きな方も多いのですが、幾つか問題点もあります。 最初に一つあげると常緑樹が結構高く、多くなっている。でもこういう所が鳥は好きだとか森さんに言われてしまいそうですが。そういう管理も含めてどうするかということを考えながら歩きたいと思います。  植物の方で特に何かありますか。
【佐藤】やはり、常緑樹が問題です。でも、反対に捉えると常緑樹の観察には良いコースです。(笑い) アジサイですが、自生と思われるヤマアジサイがこのコースのもう少し下にあります。
【鈴木】この谷戸は結構大きくて、東口の駐車場の脇迄つながっています。ずっと降りていくと東口駐車場に出ます。地図を見てもらうとわかると思うのですが、東口のゲートがこの真下になります。
【岩田(芳)】結構深く、遷移が進んでいる場所です。このまま、遷移を進ませてしまうのか、険しさから言うと管理は無理のように見えます。多分このまま遷移を進めて常緑樹の林になるのでしょうか。
【河野】けっこう藤蔓がありますが、ああいうのはそのままで良いのでしょうか。藤蔓は木を駄目にしますよね。
【鈴木】そうですね。その管理活動がこの斜面になるとなかなか難しい。
【岩田(芳)】命綱付けて降りていくような。
【河野】スパイク付の足袋を履いて、やれと言われればやりますよ。
【岩田】ただ、遷移を促進すると決めたら、藤蔓もそのままにしておく事になると思います。
...少し進んで、佐藤さんがあじさいの飾り花の話しとヤマアジサイの説明をする...
...ホトトギスが鳴く...
【佐野】ホトトギスはウグイスの巣に托卵をするんです。さきほどから、ウグイスの声もしていたでしょう。子どもをウグイスに育てさせるのです。
【佐藤】どうやってウグイスの巣を探すのでしょうね。
【佐野】わからないけど、ウグイスの多い所はホトトギスも多いですね。
【岩田(芳)】ガビチョウには托卵をしないのかしら。
【森、佐野】して欲しいですね。やって欲しい。
【佐野】ウグイスが育つにはこういう藪が大切なんです。そういう生態系ですので、あまり伐らないで欲しいと思います。鬱蒼とした、低木があり、アズマネザサもある。
【岩田(芳)】ここはヒサカキとシラカシが多く低木層から亜高木層にまで成長をしています。
【倉本】このままにしていけば常緑樹がもっと大きくなって、落葉樹はそのうち枯れてしまいますよね。佐野さんたちは今の状態が良いという事ですよね。いま仰っていることは。  まず一つはずっと植生遷移が進んでいってしまっていいのかどうかということです。今の状態が良いのか。それとも、このまま手を付けない状態がいいのか。どちらが良いのかという事です。
【森】そこら辺は私は植物に詳しくないので実際どういう風になるかというのが判らないのですけど、私の個人的な理解ではあまり手を入れない、例えば吹上御所のような手を入れない自然の形が良いんだろうなと思うのですけど。いま仰った様に常緑樹が勝ってしまってという形になってしまうと、どういう植生、環境になってしまうのかというのは判らないのですが。そのへんはどうなのでしょうかね。
【倉本】吹上御所についてどういう植生管理がされたらいいかは考えられ、ある程度纏められているのですが。ちょっとだけ手伝いましたが、最後までは関われませんでした。皇居の植生をどう捉えるかという検討会が開かれて、将来どうしていったら良いか、首都圏の中でどういう位置づけになるのかとか、そういうことについて検討されているはずです。成果自体は貰って持っています。一般的には植生遷移が進んで段々暗い常緑の林にここら辺だったらなるということです。
【増田】森さんが言うのは現状、今の状態が今後もずっと続くのを望んでいると言うんでしょう。
【倉本】望んでいるのだと私は今の話を聞いて理解をしました。そうだとしたら、それは全く手を入れないという事ではなく、今の状態を維持する管理をするということです。
【増田】今だと常緑、落葉の混交樹林ですか。今だと多様な野鳥がやって来るから、こんな状態が続いて欲しい。だけどなんにもしないでほっておくとマックスは陰樹の暗い森になってしまう。
【岩田(芳)】ササも生えてこないですね。それは困ると言う事ですね。
【森】この辺にどの程度手を入れるのが良いのか。良くはわからないです。
【倉本】そうかなと話を伺っていて思ったんですけど。
【佐野】野鳥が来るのは食べ物(実を付けている)と住処ですね。この2つで来るんですよね。ササがあると住処がある。太い木があるともっと違う鳥が来るかも。ヒサカキは言われていましたけど、やはり鳥は大好きなんです。
【岩田(芳)】だから、鳥の種散布で緑地の中ですごい勢いで増えています。それが林を暗くする理由の一つになっています。
【佐野】シロダモも実をつけていて、鳥が好きなんだと思う。
【岩田(芳)】同じく鳥の散布でどんどん増えています。鳥の散布にまかせると常緑樹だけの昆虫の少ない森になるし、それは鳥に取ってもマイナスとなりますね。
【森、佐野】何処までどういうふうに管理をするか難しいですね。
【倉本】多分全く何時も変わらない状態にする管理というのは難しくて、管理した時は少し遷移の初期に戻って、そこからまた何年かすると遷移が少し進んでというふうにする。あんまり大きな単位ではやらないで、ある程度小さな単位でやっていくと、比較的、今仰っている様な、今の状態から変わらない状態が維持されるということになるんじゃないでしょうかと思うんですけど。今の状態を維持する林が何処なのかということも決める。多分それはもっと大雑把にやるより手間がかかる作業だと思うんですね。しかもそれはまだちゃんと確立されたというか、市民ができるような作業なのかというと、また、問題なのでしょうけど。そういう提案にしていただけると実際にどうやったらよいかということを考える事が出来るのですけど。手を一切付けないのがいいんだというご提案だと技術的に解決の方法も見つからないということになります。
【岩田(芳)】ここは、例えば、落葉樹の低木は全部残して、常緑樹の低木は全部伐ってしまいましょうというような提案が出来る様な所だと思うんです。考えようによっては。
【森】そうなんですか、ええっ、全部。
【倉本】例えで、全部一度にではなくてですね。
【森】だから少しづつ、倉本先生のように詳しい方が考えて下さって。
【岩田(芳)】例えばですが、ここから10m試しにやってみようとか、そこは実験区として置いておいて、何年で実生の何が出てきた、どれくらい育ったということを記録として残していくという事の繰り返しでと思うんですけど。そこをどういうふうに将来的にゾーニングして考えて行くかということですね。
【佐野】萌芽更新地がありますよね。あそこがそういう感じではないんですか。
【岩田(芳)】あそこはこれとは違いますね。
【倉本】萌芽更新はある程度のスケールでやらないと上手く行かないんですよ。萌芽しないから。いま仰っていることだったら、そのスケールでやらなきゃいけないかどうかということも含めて、もっと小さなスケールでやった方が良いかとか、そういうことも含めて考えていけると思います。考えるというか調べてです。
【岩田(芳)】皆で話しあってやることも可能だし、2年毎に繰り返していって、成長を見るとか、いろんな可能性があることです。その時にここは絶対残してもらうとか、絶対にやるとか、それぞれに意見があるじゃないですか。
【倉本】機械的にやるのじゃなくて、絶対そういうことをやったら困る場所とか周りが上手く行ってから伐るのじゃないといけない場所とか有るでしょう。そういうことを反映してやっていかなきゃならない事です。
【岩田(芳)】何だか、すごい議論をしてる。勉強をしている私たちって感じですね。
【森】勉強になりますね。うーん。
....すこし進んで...
【岩田(芳)】ここは、生田緑地の中で一番大きな個人の所有地です。手がつけられない場所。入ってもらったら困る場所です。
【堀江】結構生田緑地は広いんです。私有地がかなり食い込んでいます。こういう所だと開発するととてもお金がかかるのでやらない場所です。
【岩田(芳)】この前にマンションが立つとか。
【堀江】担保されていないので常にそういう危険はあります。
【 】単価が高くて市には買えない??
【 】地主さんに売る気が無い??
【堀江】土地の購入は一番お金がかかるんです。すぐに億いきます。市の方でも豊潤にお金がないので、買うとしても厳密な会議で優先順位を決めてということになります。皆さんの意見が大きくなると我々としても圧力になって仕事がし易くなります。
...途中で佐野さんがヒサカキを食草とするホタルガの話しと、近似種のシロシタホタルガの話しをする。
続けて、佐野さん、森さんが野鳥の話をする。...
・・・飯室山頂・・・
【岩田(芳)】ここが山頂です。数年前迄何度か改修の話を聞いていたのですが、立ち消えになっています。通行止めの看板から先が昨年まであった稲田登戸病院に降りていく道でした。川崎市の土地ではありません。立ち消えになったのはその跡地の事と関係があるのかも知れませんね。鈴木さん、岩田さん何かありますか。 何も無いですか。それでは佐藤さん植物について話して戴けますか。
【佐藤】マヤランが出ています。毎年、ここの広場にはマヤランが出ます。腐生植物で、葉緑素を持たない植物です。
...皆で特別サービスのマヤランを観察。小さな見晴台にも上る。...
【倉本】移植の仕事を手伝っているんです。東村山で。
【 】移植出来るんですか。
【倉本】出来ないものもいっぱいあるんですけど。出来ないかもしれませんけどちゃんと手順とかやらなければいけないことをちゃんとやって貰うとか、移植する場所の自然全体を調えてもらうとか、移植の成功、不成功のほかにも色々とやらなきゃいけないことはあるのですけど。
【岩田(芳)】ここはもし工事をする時には地面ごと、とは言っても倉本先生は多分駄目かもしれないと言われてますが。
【倉本】葉が無いラン達は光合成をして栄養を得ているのじゃなくて、菌類と共生をしていて腐った葉とかを利用して生きているのじゃなかったかな。
・・・長者穴古墳上部のデッキ・・・
【佐藤】ここに(大きめの葉を指して)何カ所も出ていますね。これはめずらしいのですけど、高原なんかでよく咲いているシシウドです。高い山に行くと霧ヶ峰のような高原に見られますが、それがここに咲くんですね。それともう一つトリカブトの芽を何回か見ています。そういう珍しい物がこの場所では見られます。
【森】トリカブトは咲くんですか。
【佐藤】花暦調査の時には花も見ています。記録があります。  これからもっと下の方に行くとキツネノカミソリが群生しています。それも生田緑地ではここだけです。生田緑地で、この場所というのは貴重な場所です。
【岩田(芳)】7〜8年前迄はこの場所は4m近いアズマネザサが生い茂っていました。雑木林を育てる会の方でササ刈りを行ない現在のような明るい状態となり、トリカブトやシシウドが見られる様になりました。生田緑地をゾーニングする時にはブッシュで残すか、管理をするのか考えなくてはいけないと思います。木道の向こう側は竹林や諸々があります。
【雛倉】この尾根のさきは位置的には住宅地ですか。
【岩田】すとんと落ちて住宅地です。生田緑地と民家の接している場所をどの様に管理をして行かなければいけないかというのは大事なところで、住んでいる方が気持ちよく住めて尚且つ林をどの様に管理するかというのは別の視点が必要なところです。
...あるきながら途中から...
【森】こういう林を残していくのは....(聞き取れず)
【倉本】さっきもいったようにコナラの林を維持しょうと思うと、若返らせようと思うとそれはある程度大きな規模でやらなければいけない。そういう制約が無い訳ではない。
【森】色々と奥が深いですね。
【倉本】植物にも色々と特性があって。人間の思う様にはならないです。
...長者穴古墳口から出たところで、佐藤さん、森さん、佐野さんが帰る...
・・・長者穴古墳の道路に面した斜面の所・・・
【岩田(芳)】ここで調査団の植物班の人が植物を植えている人と揉めました。『生田緑地は持ち込んだら駄目なのよ』って言って。これをやっているおじさんと揉めました。そしたら、そのおじさんが『私は北部公園事務所の許可をとっている』と言ったそうです。
【 】あそこに何か植えてありますね。
【 】庭の延長ですか。無断使用??
【 】家庭菜園になってますね。
【岩田(芳)】アジサイを植えているのとは違うと思いますね。
・・・青少年科学館に帰って・・・
【岩田】皆様ご苦労さまでした。お茶と菓子で一息入れながら皆さんのご意見を戴きたいなと思っていますので宜しくお願いいたします。  範囲を区切って意見を聞いていきたいと思います。まず、七草峠から枡形山までのところでお願いします。
【堀江】外来種の件で駆除するか、しないか。市民部会の方で計画されて、外来生物にどんなものがあるか。今回、何を対象として、何処で駆除をやるかを示していけば良いのではないでしょうか。
【岩田】そうですね。作年度北部公園事務所の事業委託を受け、生田緑地を含めて4地域の公園緑地でどんな外来生物が見られるかという事で調査をし、リストアップをしました。それは3月に報告書を作成しましたけども。単純に見ていくと植物が大半でした。帰化植物として見ていくと当然なのですけど。その中でどのように扱うかというのは選ばなければいけないと思います。私が急ぎたいと感じているのは先ほどのノネコの問題。それから、アメリカザリガニ。ミシシッピーアカミミガメ。ウシガエル。植物はセイタカアワダチソウを真っ先にあげたいのですけど、三島団長とはぶつかるところで、ほんとうに害があるのと言われますけれども。ホタルの里では取らせて戴いています。あとは先ほどのウラジロチチコグサだとか、昨年から植物班と一緒に駆除をしているシラユキゲシです。花としては綺麗ですが、増え出すと一気に増えるということで。それから、よく言われているのは奥の池の周囲のシンジュです。実生でどんどんと増えています。  リストアップして、整理をして出すようにした方が良いでしょうか。それと、こういうのを対象にして欲しいというはありますか。幾つか、ある人はご意見を戴けないでしょうか。
【倉本】外来生物については、駆除するということも勿論必要ですけど、植物については、特にオープンな環境に生息する植物については生える環境を作らないということも必要で両方並行してやるようにしないといけないな。だから、市民部会で市民が出来る事というのは主に駆除するという作業だと思いますけど、公園事務所ではそういう外来種が蔓延らないような公園の整備の仕方を考えて欲しいと思います。
【岩田】それはこういう方法というのがある程度確立されているのでしょうか。
【倉本】ウラジロチチコグサやワルナスビに付いては多分考えられると思うのですよね。どういう場所に生えているか、そういう場所をなるべく作らないというような。例えば、そういう場所ができたら、在来植物で早く被ってしまうとか。そういうことをしてもらう。
【岩田】ウラジロチチコグサなんかは菖蒲池の通路側の斜面などにも出ていますし、それを無くすというのは..。
【倉本】そういう2次的に広がった所は抜いたり..。全部を駆除でもって解決するというだけでなくて、いろいろな方法を併用して外来生物についてちゃんとそれをコントロールしていくという、ここはそういう公園なんだということを確立して、実際に捕まえたり、手で抜いたりという作業だけでなく、もっといろんなことをちゃんと考えて総合的な防除をしましょうという事を位置づけた方が良いと思います。直接的に駆除をするというのはある意味では最終的な手段です。最後には絶対にそれをやらざる得なくなると思うんですけど。 全部そうやっていく..またこれから新しい候補者が入って来て、最後に駆除をして行くというのではなくて、これから新しい候補者が入って来ない様に、或いは新しい候補者が入ってきたら、なるべく少しのうちに駆除をするとか。そういうことを考えていくとどうかということです。それは教科書的な話ですが。
【岩田】そうですね。ただ、対象をどこまでにするかというので、結構数が多いので、正直どう整理をしたらいいのか分からないのですけど。
【倉本】沢山ある種の中で侵略的な外来生物に限って対応をすると言う事になると思うのです。あまり侵略的じゃない物まで全部対応するという事はいっぱい有って出来ないのだったら、侵略的な、生態系に対して、或いは他の生物に対して有害な生物を対象にするということで、それを選ぶという作業を最初にしないといけない。
【岩田】選ぶという作業をこういう場で一回やった方が良いですか。会を催して。
【倉本】例えばセイタカアワダチソウは抜くのは気持ちよく抜けますね。そういうのを皆でやるというのも、多分、やる事としては気持の良い作業だろうとは思います。  植生管理協議会市民部会として実質的に生田緑地の自然をよりよい状態に向けていく。全てをよりよい状態にすることはとても無理なのですが、よりよい状態に向かって動かして行けるようにするということを考えたら何を今やればよいのかを考えないといけないかなだと思います。
【増田】先生にお尋ねしたいのですけど、セイタカアワダチソウをはじめ一部の植物について成長抑制ホルモンを分泌する植物があると、それの実際の効果はあるんですか。
【倉本】厳密に言うとホルモンというのは自分の体の中で作るものなので、土壌に分泌されたものは他の植物につくので、それはアレロパシーという他感作用と言うのですけど、いろんな植物がそういう性質を持っていてセイタカアワダチソウだけが特別という訳では無いのだと思います。そういう物質を持っている植物の中にはその物質が段々と土壌に蓄えられて自分に取っても有害な濃度になってそこからはいなくなってしまう植物もあると言われていて、私が研究している多摩川のカワラノギクはそういう他感作用の物質を出していて、一カ所に10年位しか生えていないと言ってる方もいます。その物質を同定して、物質を見つけて、その物質でレタスの成長で検定したらしいのですが、検定をして確かにレタスの根の成長が押さえられるので多感作用のある物質を出している。一方僕たちの研究で一カ所に長く生えていないという研究成果があるのです。その1カ所に長く生えていないのはそういう物質が土壌中に蓄積するから長く生えていられないのでという考察もある。そういう物質を持ってる事が圧倒的に他の植物に対して有利という事でもなく、自分にとっても不利な面もあると考えられます。

※アレロパシー  「アレロパシー」はMolischという学者が1937年に提唱した言葉で、微生物を含む植物相互間の生化学的な関わり合いを広く指しています。(微生物を含む)ある一種の植物が生産する化学物質が環境に放出されることによって、他植物に直接又は間接的に与える作用を指しています。この「作用」には植物や微生物の生育を阻害する場合と促進する場合の両方が含まれます。ポイントは生育阻害などに「化学物質」が関わることで、いわゆる「競合」とは異なるものです。

【増田】セイタカアワダチソウあたりは自ら出すアレロパシーの影響でピークアウトしてきたと言われていますが、そういうものがもしあるとすれば侵略的帰化植物として、生田緑地で指定して、それについては直接削除する作業をすると。周りに害を及ぼさない、及ぼしたとしても時間がかかるものは指定しないで、極端な繁茂を防ぐ環境作りにウエイトをかければ良いのでは。
【渡辺】その問題は何をどうするかと言う事だと思うのです。単純に。何をというのは対象をはっきりさせなくてはいけない。それはここで今すぐに決められる事ではないと思います。先生が仰った侵略的な外来種、外来種が全て駄目という事ではなく、在来種に交ざって共生しているようなものもあると思います。侵略的な、他のものを駆逐してしまうような可能性のあるものを選んでいくのは、常時観察されている方を中心に選んで行くべきだと思います。どうやってということですが、環境整備と駆除と併用するというのはその通りだと思うのですが、侵略的な外来種というのは環境に適応する能力が高いからこそ一気に広がってしまう事が多いと思います。環境整備でというのでは間に合わないのかなと思います。併用して行くという考え方も判りますが、早急に駆除しない事には防波堤を乗り越えられてしまうのではという気がします。具体的にどの様な活動をして行くかは市民と行政とで連携を取ってやっていくのが最も効果的だと思います。対外的に「あの人たち、何やってるの」という変な誤解を招かない様にPRを並行してやって行くは当たり前だと思います。
【岩田】私たちがこの場で決めようとう事ではなく、至急案を作って、それを出して、ご意見を聞いて決めていくということを一つはやりたいと思います。それは対象を絞ることです。もう一つは実際にもうすでにやっている部分があるので、或いは至急やった方が良いという事が有った時に先ほど現地で話が出た様に、イベント的に行政と一緒に何らかの行動をしてやるという事もしたいなと思っています。
【倉本】これも植生管理協議会の課題、役割の一つと思うので、動物の事も含めて植生管理協議会に諮ってください。対象種を決める段階では植生管理協議会に諮って決めたいと思います。
【岩田】それでは案を作って植生管理協議会に提起し、諮って決めたいと思います。  時間が無くなってきましたので、場所を区切らず、発言をお願いします。
【鈴木】議論の中に七草峠から枡形山の園路があったと思うのですが、あの園路を皆さんどう思われたか。行政側として園路の補修を行ないたい。あの路は枡形山に上る唯一の車輛が通れる、車椅子でも行ける路ということで今の状態のままですとガタガタです。こういう場所に対してアスファルト、コンクリート鋪装をするという事は確かにあの雰囲気からすればそぐわないと思うのですけど、斜面が急な場所もあります。平坦な場所もありますが。両側に昔の山が残っている。その脇に排水路があったような場所があったと思うのですが、長年浸食されて排水施設より低くなっている。既に機能していない。水路となり削られているという現状があり、放置する事はいろんな人が利用するには、山の雰囲気だけどもちょっとという事があります。行政としては何らかの補修をしたいと思っています。全部を“かたいもの”でやる事はやり過ぎとは思いますが。園路を守る意味で手を加えたい。ご意見をお願いします。
【岩田】鈴木さんはそう言われますが、私たちはどういう素材を使って、どうやるのかということについて詳しい訳ではないのです。だから出来れば山道みたいな雰囲気はそのまま。木の路のような雰囲気は残して欲しいと言う時には、どういう素材でどういうふうにやる案があるのかということを示して戴き、それを見て「これで良い、これでは駄目」という判断は出来ると思います。そうではなくて単純に「どうしたら良いですか」と言われても答えるのは難しいです。道路工事をやっている訳ではないので、或いは道路計画の専門家ではないので、最近の素材にどういう物があるとか、昔流に考えればウッドチップを敷くという方法もあるけれども。
【鈴木】こちらで完全に何案か、ウッドチップとか、土系(土と凝固材を混ぜたもの)とかの案の提案はできるのですが、あそこに対して現状で問題があると我々は思うのですが、あそこは山なので、現状のままが良いよという意見が強いのかというところをここで諮っていきたいなと思います。
【前田】生田緑地に入り込んであちこち眺めたのは、ここ数年ですから、毎回コースが変るたびに傾斜が急な事にちょっとびっくりしています。これには大変なお金がかかってしまうのではと思います。これ以外にもあの長い階段(戸隠に降りる)ですか、崩れた所は地形的には致命傷と言える程のもので、抜本的に治すには大変だなとという感想しかないです。 もう一つ、今日は曇り空だったので歩いたコースは緑の下で暗いような感じがしたんですが、明るい陽差しの中では違った印象になると思うのですが、ともかく緑のトンネルという感じはなかなかいいものですから出来るだけ眺望は眺望として部分的に場所を作れば良いのではないかなと思います。 外来種駆除という問題も生物の力は旺盛ですから対抗するのは大変でしょうけれど、対抗する案を進めて下されば私も老い先短いですが元気なうちはお手伝いしたいと思います。
【大賀美】余り何度も来た事が有る訳ではないのですが、とても良い場所だと思うので、コンクリート鋪装などはやめて欲しいですね。
【高橋】コンクリートとかアスファルトとかの恒久的なものじゃないもので考えるとウッドチップとかもその内どこかにいって管理に将来的にお金がもっとかかることを心配されたりというのはあるのでは。こういうものは公園事務所が行政の中で「だからお金をかけたい」と言うよりも市民の側の声として違うルートで伝えていく事によりお金をかけやすくなるという事があると思うのです。ここでこんな形でと言った時に予算的な問題や将来的な問題がネックになった場合にそれを一般の人にPRして行く様なルートが必要かなと今の話を聞いて思いました。あの山道は個人的にはいいなと思います。身障者の事とかありますので接点を探すのはお金だと思うのです。そういうルートがここにも必要と思いました。
【岩田】市民からの「乳母車がおしやすいように」とかいう、そういう利用の仕方をする人たちの意見は強いのですね。
【鈴木】公園事務所に、例えば区民祭等で使用されて市民の方が危なかったよという意見を戴くんですね。現にあそこだけでなく、我々が良いと思っている今日歩いた木製の階段ありますよね、ああいう場所でもホタルの鑑賞期間中、夜であれば見えない。家の中の階段と違い踏み面が揃っていない。それに対して突然来た市民は危ないのではないか、怪我したらどうするというような強い調子の意見が事務所に寄せられるんです。というような現状が有るんです。我々公園管理者としてもこの雰囲気を壊してまで整備することが良いとは思っていないので、どの辺が良いのかな、どの辺なら皆が満足していただける様な状態に出来るのかという事で、こちらだけで決めるのでなく、両方の意見を聞きながら折り合いの付く場所にしたいと思っているのです。
【岩田】現状で良いという意見を言う人はいないんでしょうか。(笑い) 苦情は行くけれど、これが良いよという、良かったと言ってくれる人はいない。公園事務所に良かったとわざわざ行っていく人はいないですね。  他の話しはありますか。
【渡辺】桜の根元を守るというのはいいですね。枡形山の。いまも根っこが出てて、歩きにくい、つまずくようだねと言っているので、具体的にどうするかは判らないですけど守るということはいいことだと思います。
【岩田】これは何とか出来そうですね。これも植生管理協議会に提案致します。  そうすると公園事務所でやっていただけますか、それとも、我々も一緒になってやるというスタイルの方が良いですか。
【鈴木】そうですね。対応案によると思うのです。例えば現地を整備して守るのがよいのか、落葉溜の様にして根の周りを守った方がよいのか。皆さんで決めていただいて、市民の出来ない対応は行政がやる事になると思います。
【岩田】解決策くらいは作らないと。
【堀江】基本的には皆さんでいろんな意見を出し合っていく事が重要だと思うので、そういう様な形でどんなのが良いかとか、又はこんなことをやっているよとか、のような形で出していただければうちの方も良いかなと思います。
【岩田】それでは市民部会としては、河野さんの意見を今度の植生管理協議会に提案していきます。
【増田】これはいつまでにやるとか決まってるの。協議している間に怪我をすると管理責任を問われるね。
【堀江】生田緑地はどこでもそういう危険に満ち満ちています。(笑い)
【小礒】生田緑地には素晴らしい自然が満ちていますが、生田緑地は誰の為の生田緑地なのか、一番大事なのはやはり守るべき所とそれから皆が集まれる所と。中央広場も科学館改築の時にはここも当然いろんな形が出てくると思います。どうしてもここはイベント会場になりやすい。多摩区でも区民祭で使っている。そういう場所と守る場所をどうやって分けていくのか、なるべく早い時期にその辺の色分け等が出来てくれば、生田緑地には人が入れない場所があり、外来種も取っていく。そういう事が出来るのかなと思います。
【岩田(芳)】今日は野鳥班の方に来ていただいて意見を出していただいたのですけど、それぞれの立場毎に、自分たちにとって貴重な部分、そうじゃない部分が違うんです。それを上手くミックスして、調整して、それなりに満足出来る様に位置づけられたら、この会の存在価値と思いました。私の感想です。
【小礒】あとはキノコ、シダ班などですか。
【岩田(芳)】うちの調査団の中で明確に意思表示をして、絶対にというのは野鳥班と植物班なのです。その両方の班からある程度の意見が出ると他の班は、反対は、それほどなさいません。ゾーニングはやれると思います。それから倉本先生と話合いをされて野鳥班の方はそれなりに納得されて帰ったと思います。
【倉本】僕は判ったんですね。野鳥班の方の仰る「一切手を付けない、変えては駄目」という意味が今まで判らなかったんですが、今日話していたらそれは現状を維持する様な管理をするという意味だったという事が判ったんです。これまでは一切管理をしないと言っている様に思っていたので、それは無理な事だと思っていたのですけど。どうすれば良いかというのは『守りたい現状を維持する』ことはすごく難しいと思うので簡単に答えは出せないと思うのですけど、今までと違って答えが出せる問題に変ったと感じました。いままではそもそも答えの出しようが無い感じだったのです。
【岩田】もう一つ植生管理計画的意見が出ていたのは、「谷戸(東口に続く大きな谷戸)は遷移促進型で管理をしよう」と言う意見が出ていましたが如何ですか。「だけど藤があるのは問題だ」というご意見も有ったのですけど、このまま遷移に任せるのであれば木が駄目になっても、その後、別の生態系移っていく。消極的では有るけれども、それはそれでよいのでしょう。そういう区域を設定することは問題ない、皆がそうしょうということであれば出来ると思います。
【河野】生田緑地の近くに住んでいるのですが、景観とか緑とかとても大事なんですが、基本的に急傾斜地崩壊危険区域です。ですので、先ほど枡形山に行ったた時に山頂の雨水が木道の階段の方に流れて土が流れている。土砂崩れに最悪の場合陥ることもある。それから先ほど車椅子の方の為にスロープの所を舗装するとかいう話しがありましたけど、あそこも斜面になっているので水が流れる。車が何台も通るので轍(わだち)が出き、そこに水たまりができてぬかるむ訳です。何時だったか、横に溝が掘られている。誰が掘ったのかわかりませんが、今は無かったのですが、結局水が斜面に流れる様になって、土砂崩れの一番最初は斜面を水が流れるところから始まります。それは絶対にいけないという事で北部公園事務所に行った記憶はあるのですが、鋪装しょうが何をしょうが水の処理をしっかりしていただかないと後で大変なことになると思いました。
【岩田】ここではお願いをするのではなく、こういう風にしましょうと提案し、一緒に考えていく場と考えてください。
【吉留】ノネコの方はどうしょうも無いのですか。
【岩田】ノネコを守っている会の方と話をしていかなければいけないでしょうね。北部公園事務所ではOKを出しているのですか。ああいう小屋を置いている事は勝手にできることでは無いのではありませんか。
【堀江】勝手にやっています。行政が対処をする場合は事前に通告をしてということになります。大体ホームレスの方の撤去と同じですね。(笑い)
【岩田】良い方法が有ったら教えて下さい。
   他にご意見が無いならば今日はこれで終わります。
...次回の案内をして終了しました...

以上

・・ 生田緑地植生管理協議会 ・・ 川崎市北部公園事務所 ・・

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