川崎の野生生物
タカサブロウ

タカサブロウ  史前帰化植物
Eclipta prostrata, E. alba, E. thermalis 
キク科 タカサブロウ属
タカサブロウは、東アジアの湿潤な温帯域に分布していたものが稲作とともに弥生時代初期に渡来した史前帰化植物です。
これは強壮、止血などの薬草として、稲作とともに意識的に移入されたものと考えられているようです。
また、第二次大戦後の植物検疫の行われなかった時期に無意識的に持ち込まれていた第2期の帰化も起こっていたようです。



アメリカタカサブロウ  帰化植物
Eclipta alba 
キク科 タカサブロウ属
アメリカタカサブロウは、北・中米の湿潤地域および乾燥地域に分布していたものが、第二次大戦後の植物検疫の空白期に大量に流動した物資に混ざって、無意識的に移入されてしまった帰化植物だそうです。
戦争がもたらした植物の伝播の典型例とされています。

生田緑地の谷戸では田圃の周囲にアメリカタカサブロウが生育しているものの個体数の多い種ではありません。 外来種のレッテルを貼らなければならない状態ではないでしょう。

撮影/ 2009/9/29 生田緑地にて、 岩田臣生

参考)大阪府大農学術報51:25〜31,短報 「タカサブロウとアメリカタカサブロウの日本への帰化様式」 梅本信也、山口裕文


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