川崎市に棲息しているスズメバチ(スズメバチ科スズメバチ亜科スズメバチ属)は、川崎市自然環境調査によって、
コガタスズメバチ、キイロスズメバチ、ヒメスズメバチ、モンスズメバチ、オオスズメバチの5種が記録されていましたが、
2012年に、調査団昆虫班の山本晃が、クヌギの樹液にきていたチャイロスズメバチを発見しました。
コガタスズメバチ
キイロスズメバチ
ヒメスズメバチ
モンスズメバチ
オオスズメバチ
チャイロスズメバチ
コガタスズメバチ
ハチ目 スズメバチ科スズメバチ亜科
体長 女王バチ 25〜29mm、働きバチ 21〜27mm
巣 木の枝や家屋に球形の巣をつくる
撮影/ 2019/4/14 生田緑地、岩田臣生
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キイロスズメバチ
ハチ目 スズメバチ科スズメバチ亜科
体長 女王バチ 25〜28mm、働きバチ 17〜24mm
巣 木の枝、屋根裏、軒先、橋の下
撮影/ 2009/9/20 生田緑地、岩田臣生
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ヒメスズメバチ
ハチ目 スズメバチ科スズメバチ亜科
体長 女王バチ 32〜35mm、働きバチ 25〜33mm
巣 木の洞穴、屋根裏、地中
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モンスズメバチ
ハチ目 スズメバチ科スズメバチ亜科
体長 女王バチ 25〜28mm、働きバチ 19〜24mm
巣 木の洞の中や屋根裏、石の下など
撮影/ 2007/10/13 生田緑地、岩田臣生
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オオスズメバチ
ハチ目 スズメバチ科スズメバチ亜科
体長 女王バチ 37〜45mm、働きバチ 27〜38mm
巣 地中に巣をつくる。
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チャイロスズメバチ
ハチ目 スズメバチ科
体長 女王バチ 27〜29mm、働きバチ 17〜21mm
チャイロスズメバチは頭・胸部が茶褐色で、腹部が黒色の目立たない地味な中型のスズメバチです。
チャイロスズメバチの女王蜂は、巣作り子育て中のキイロスズメバチやモンスズメバチの巣を襲い、その女王蜂を刺し殺し、働き蜂、幼虫ごと巣を乗っ取り、自分の卵を育てさせます。
このため、しばらくは2種類のハチが同居しますが、やがてチャイロスズメバチだけの巣になります。
この生態を社会寄生性といいますが、どのようにして別種の働きバチを使うことができるのかなど、関心を集めています。
チャイロスズメバチを含むスズメバチ属の6種は西南日本の低山地から平地にかけてを南限として棲息していますが、チャイロスズメバチは棲息分布密度が非常に低い種のようで、
そういう観点から絶滅危惧種に指定している道県もあります。神奈川県でも、確認されている場所は数ヶ所にすぎません。
チャイロスズメバチ 2012/8/18 生田緑地,岩田臣生撮影
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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation
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