イボバッタ カワラバッタ クルマバッタモドキ ショウリョウバッタ トノサマバッタ フキバッタ イボバッタ バッタ目(直翅目)バッタ科 トノサマバッタ亜科 Trilophidia japonica Saussure, 1888 成虫の特徴は前胸背面にイボ状の突起が二つ有ること,♂18〜24mm,♀28〜35mm. 本州,四国,九州,朝鮮半島に分布し,日当たりの良い,ほとんど草が生えていない環境を好んで生活している. 孵化は5〜6月,幼虫期間は約2ヶ月,成虫は7〜11月に見られる. いろいろな植物の葉を食べる. 成虫 <撮影/ 2011/9/8 生田緑地,岩田臣生> ▲ カワラバッタ Eusphingonotus japonicus バッタ目バッタ科 多摩川下流でカワラバッタが復活しました。 今年の7月、川崎市多摩区・東京都稲城市などで、カワラバッタの新鮮な成虫が複数確認されました。 カワラバッタは丸石河原に生息する種で、河川の治水環境の変化、外来植物の繁茂などにより、全国的に生息地が減少しています。 多摩川のカワラバッタは、現在浅川合流点(日野市)より上の中流域に残っており、登戸・二子玉川など下流部については、1950年代以前の古い文献記録のみ残っています。 原因としては、厳密な立証は難しいのですが、昨秋の大洪水によって流されてきた個体が、砂礫地にて産卵・孵化・成長し、成虫の確認に至ったと推測されます。 今後は、詳細な分布状況と、個体群の動向について、調査する必要があると考えられます。 (昆虫班 雛倉正人) 写真/ 雛倉正人撮影。 ▲ クルマバッタモドキ バッタ目(直翅目)バッタ科 Oedaleus infernalis 本州,四国,九州に分布し,荒地など草丈の低い場所や海岸の砂地などに棲息する. 孵化は4〜6月と幅があるため,羽化も6〜9月と幅がある.成虫は普通7〜11月に見られる. 産卵は地面に穴をあけて行う. 幼虫,成虫ともイネ科植物を食べる. 成虫の特徴は前胸背部にX形の灰白紋があること,♂28〜30mm,♀45〜55mm,飛ぶ時に羽音を立てないことなどである. 成虫 <撮影/ 2011/9/8 岩田臣生> ▲ ショウリョウバッタ Acrida cinerea バッタ科 ショウリョウバッタ属 ユーラシア大陸の熱帯〜温帯に分布 卵で越冬し、翌年5〜6月頃に孵化。幼虫はイネ科植物の葉や双子葉植物の花を食べて急速に成長、6月中旬から7月の梅雨明けにかけて羽化し、11月頃まで生息する。 ショウリョウバッタ♀ 2008/7/31 生田緑地にて、岩田臣生撮影 ショウリョウバッタ(左♀,右♂) 2011/9/3 生田緑地、岩田臣生撮影 ▲ トノサマバッタ Locusta migratoria Linnaeus, 1758 バッタ目 バッタ科 トノサマバッタ属 別名/ダイミョウバッタ 後翅に模様がない。 日当たりの良いイネ科植物の多い草原に棲息。西日本では2化、北海道では1化。 (上)2009/9/14 中原区多摩川の河原、 岩田臣生 (上)2019/5/31 川崎区多摩川のヨシ原、岩田臣生 ▲ フキバッタ バッタ科 フキバッタ亜科 Melanoplinae Scudder, 1897 の総称 翅が退化していて飛べない。このため地域分化が進んでいると考えられており、種の同定は難しい。 川崎市域で見られるフキバッタは ヤマトフキバッタ Parapodisma setouchiensis Inoue, 1979 とされている。 イナゴ亜科との違いは、後腿節の後端の側葉(二股に見える部分)が尖らないことや、後脛節の先端部外面に不動棘(関節なしに直接生える棘)がないことなど。 眼の後ろに黒線が入るが、この線の長さは頭部で止まるものから腹まで続くものまで様々。脚も緑色だが、模様が入らないもの、黒い模様が入るもの、赤くなるものなど様々。 フキの葉を好んで食べることからこの名が付いたが、他にもクズやフジバカマなどの広く柔らかい葉を好んで食べる。これらの食草が生い茂る、林縁や落葉広葉樹林などの明るい林床などに生息する。 フキバッタ/ 2005/9/13 生田緑地、岩田臣生撮影 フキバッタ幼虫/ 2012/6/2 生田緑地、岩田臣生撮影 ▲ 特定非営利活動法人かわさき自然調査団 Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation |