生田緑地観察会
主催 青少年科学館

“里山の自然”

日時 2016/4/10(日) 10:00〜12:00 曇
ガイド講師 水田ビオトープ班(岩田臣生)
サポート  事務局 岩田芳美
観察会参加者 34人(大人 25人、子ども 9人)
       町田市 4人、調布市 3人、多摩市 1人、狛江市 1人、逗子市 5人、横浜市 1人、大和市 1人、
       麻生区 6人、多摩区 3人、宮前区 3人、高津区 1人、中原区 4人、市外不明 1人

この日、科学館に着いてから、4/3(日)の生田緑地観察会<植物>が雨天中止になったことを知りました。 お花見時期の観察会中止は残念に思う人が多かったことでしょう。
このため、今回が、今年度初めての生田緑地観察会になります。
程よい陽気の天気でもあり、生田緑地観察会<里山の自然>としては非常に多い参加者 34人を迎えました。
里山ビンゴ表は、昨年との比較ができるかも知れないと思い、1年前のものをそのまま使用しました。

今年の生田緑地のスミレは、アオイスミレ以外のものも、3月に一斉に咲いて、既に花が終わっているものもありますが、それでも何種類が見られるかは関心事だと思います。 ですから、機関車周りの舗装の隙間から顔を出して咲いているヒメスミレから観察を開始しました。
ただ、ここでゆっくりしていると谷戸での観察時間が足りなくなりそうなので、ヒメスミレだけを観察しました。

中央広場には、既に大勢の来園者が集まっていました。
次は中央広場北の雑木林を観察しました。
ヤマザクラが見頃になっていました。
ヤマツツジが咲き始めていました。
ここは、中央広場の整備に合わせて保全管理を始めた雑木林ですが、目標イメージとしたヤマツツジが咲く雑木林になっています。

クスノキの辻周辺の園路沿いでは、セイヨウタンポポ、カントウタンポポ、オニタビラコ、ヘビイチゴ、ノゲシなどの黄色の花、キュウリグサ、タチツボスミレ、キランソウなどの青・青紫色の花、 オランダミミナグサ、アセビ、ハルジオンなどの白い花を観察しました。
中央園路は水道管の敷設替えが行われていますが、園路脇の草たちは刈られずに残っていました。


日本民家園付近では、コゲラが現れて、暫く、参加者を楽しませてくれました。
キタキチョウが園路に沿って飛んできてくれました。
七草峠の崖面では、盛期は過ぎたものの、ニオイタチツボスミレ、ヒゴスミレ、タチツボスミレが観察でき、園路植栽の下にスミレ、辛うじて萎れた花が残るコスミレが観察できました。
崖面にはオトギリソウやホトトギスの芽も確認できました。

生田緑地整備事務所付近では、クヌギの梢に花が観察されました。

谷戸に降り始めたところで、ガビチョウの声の賑やかな出迎えを受けました。
ピクニック広場東階段の上側の斜面は観察会を意識して管理しています。
ベニシダとミドリベニシダが並んでいる所では、両者の新芽を比較観察しました。
ハンショウヅルが蕾をつけていました。花を咲かせることができる管理をしていることを話しました。
タマノカンアオイの花が観察されました。川崎を代表する植物として紹介しましたが、後で調べてみると、参加者のうち、川崎市民は50%でした。

ピクニック広場東斜面にはタチツボスミレが定着し、咲いていました。
ホウチャクソウも、数日したら、白い花が垂れそうでした。
キブシの花はもう色あせた感じになっていましたが、ヤマブキの黄色い花がピクニック広場を賑わせていました。
クサイチゴの白い花はサクラの花びらに紛れて、気付かれ難い状態でした。

ピクニック広場下の草地にはカキドオシが一面に広がっています。
アズマネザサ刈りをしていなかったら、こんな景観にはなっていなかったでしょう。
萌芽更新地区周囲では、マルバスミレやオカスミレなどを観察しました。

ハンノキ林上の林では、ガビチョウが姿を見せたまま、大声で鳴いていました。 大勢の参加者を前に、逃げる様子はありませんでした。
萌芽更新地区下には、ニョイスミレ(ツボスミレ)が広がって、咲いていました。

ハンノキ林については、湧水について、特定植物群落について、水辺の生物について、そして、ハンノキ林の固有種とでも言うべきミドリシジミについて等々の話をしました。

梅畑では、驚いたことに、もうセリバヒエンソウが咲いていました。 ウラシマソウは花がありませんでした。
ハナダイコンの赤紫の花が広がっていました。
ハコベも観察しました。

ゲンゲ、カラスノエンドウ、ヒメオドリコソウ、ムラサキケマンなどが観察できました。

田圃には、沢山のアズマヒキガエルのオタマジャクシが泳いでいました。
シュレーゲルアオガエルの声が、辺りから聞こえてきます。
アズマヒキガエルの黒いオタマジャクシが上陸すると、シュレーゲルアオガエルのオタマジャクシが広がることなどを話しました。

谷底の草地にくっきりとついている道を通行しているのは、主に、タヌキだという話をしました。 目の前に姿が見えなくても、誰もが知っている哺乳類のことなので、イメージがし易いのでしょう。夢中になる親子もいました。
ヒメオドリコソウとホトケノザの区別ができないという人のために、谷戸の末端付近で、ホトケノザとヒメオドリコソウを比較観察しました。
カサスゲの花が咲き始めていました。
アカハネムシやベニカミキリが飛んでいました。
カゲロウやカワゲラ類も羽化して飛んでいました。
ガガンボも羽化し始めました。

最後にビンゴ表にメモしてあった生物を全員で確認して、解散しました。


数頭のツマキチョウが、谷戸を上に、また下にと、飛んでいるところが観察されました。

帰り道、黒い小さな狩りバチが自分より大きな黒いクモを運んでいました。


特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation