生田緑地観察会
主催 青少年科学館

“里山の自然”

日時 2016/3/13(日) 10:00〜12:00 曇
ガイド講師 水田ビオトープ班(岩田臣生)
サポート  事務局 岩田芳美
観察会参加者 19人(大人 16人、子ども 3人)

真冬の気温となった生田緑地でした。
1月なみに目ぼしい観察対象の無い観察会になると思いながら、有りの儘の生田緑地の自然を体感する観察会をスタートしました。

谷戸までの道程が長く感じてしまうので、まずは中央広場北側雑木林で、早春の生田緑地の雑木林を観察しました。
高木はコナラが主な構成樹木で、低木にヤマツツジが初夏を待っています。
林床に蔓延るアズマネザサを刈っておくことで、里山に相応しい草花が咲いてくれます。
コウヤボウキが少しばかりの種子を残しながら、新たな芽を膨らませていました。

七草峠の崖面にはタチツボスミレが咲いて、歓迎してくれました。
更に、まだ眠そうなコスミレも顔を見せてくれました。
谷戸へ降りる所で、アオイスミレが花を咲かせてくれました。 ここは、観察会用に丁寧に管理をしている崖面ですが、今までアオイスミレの葉は見ていたものの、花を咲かせてくれたのは初めてのことでした。
数は少ないものの、3種のスミレに出会えました。

1月の観察会の時には枯れたような蕾をつけていたキブシが黄色い花を見せてくれました。

湧水が浸み出し始める辺りに、特定植物群落「生田のハンノキ林」があります。
ハンノキ林上の池に、アズマヒキガエルの卵塊を観察しました。 野鳥の仕業かどうかは不明ですが、いくつにも千切れていました。
この池に手を入れて、感覚で水温を測ってみました。 気温10℃、水温10℃でしたが、感覚的には、もっと高い温度に評価した人が多かったのは、湧水についての知識に影響されていたかも知れません。
枯れた葉を春までつけているヤマコウバシは、冬になると存在感が出て来る落葉樹です。

丁度、ミヤマカンスゲやヒメカンスゲが咲いていました。
梅畑周辺では、オオイヌノフグリの青色の花、ハナダイコンの紫色の花、ヒメオドリコソウの赤紫色の花、コハコベの白い花などを観察しました。

上の田圃ではアズマヒキガエルの卵が孵化していて、沢山のオタマジャクシが水底にジッと沈んでいました。
谷底の草が緑色の葉を伸ばし始めると、タヌキが頻繁に通る獣道が目立ちます。 目の前にタヌキの姿が無くても、タヌキが通ってできた道だというだけで、里山の自然は、俄然、身近な存在になるようです。

戸隠不動尊跡経由で城山下谷戸に向かい、アブラチャンやアオイスミレの花を観察しました。

寒い日で、越冬中のチョウが出てくれることはありませんでしたが、ウグイス、シジュウカラ、コゲラ、エナガ、ヒヨドリなどに出会え、 特別に、早春の里山の宝物的な植物も観察していただきました。
生田緑地の自然のファンになってくれることを期待しています。


特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation