生田緑地観察会“里山の自然”
主催 青少年科学館


日時 2015/1/11(日) 10:00〜12:00 
ガイド講師 水田ビオトープ班 岩田臣生
サポート  事務局 岩田芳美、 青少年科学館 川島係長、村山
観察会参加者 18人+1人

平成27年1月、年が替わって1回目の生田緑地観察会は「里山の自然」です。 冬の生田緑地を案内しました。
今回は特に、特別な観察対象が見つけられずに、里山のビンゴ表も用意できませんでしたので、参加者の目に期待して、冬の生田緑地を歩く時のポイントについて話をしてから出発しました。


谷戸へ降りる階段の手すりにはフユシャク♀が出てくれていました。
下見の時には見つからなかったので半分諦めていましたから、「良かった」と胸を撫で下ろしました。
フユシャク♀は冬の生田緑地観察のメインターゲットです。
これが階段の降り口から下の木道の方まで点々と観られて、3種類5匹のフユシャク♀を観察することができました。

小枝に擬態した小さなエダシャク幼虫も加わりました。

ハンショウヅルの種子は完全に散ってしまったと思っていましたが、大勢の目で見つかりました。
定番のタマノカンアオイやオカタツナミソウの種子を落とした後の姿も観察対象になりました。
狭いスロープ階段の両側で、植物と昆虫の観察が行われていました。

冬の雑木林としては、中央広場北側の雑木林、萌芽更新地区の雑木林、戸隠不動尊跡地上の雑木林を観察しました。

萌芽更新地区のイヌシデの大木にはキイロスズメの大きな巣がありました。
一昨年つくった巣の直ぐ近くに昨年もつくっていたことを知りました。 余程、この場所が気に入ったようです。

カシワバハグマやコウヤボウキの種子は残っていました。 また、色は褪せていたものの、トキリマメの実は注目されていました。
ハンノキ林上のデッキに回って、定番のニワトコの葉痕を観察し、萌芽更新を目指して1年前に伐採したコナラ、クヌギの切り株を観察し、萌芽更新についての話をしました。

生田緑地の湧水が染み出すのも、このぐらいの標高からです。 半ば枯れているミヤマシラスゲを観察し、生田緑地の湧水についても触れました。
ヒヨドリがエノキの実を啄んでいるところを観察できました。


ハンノキを観察しました。雄花序が黄色味を濃くしていました。
ハンノキ林の林床の水辺の重要性についても説明しました。
枯れた葉を落とさずにいるヤマコウバシも、冬ならではの観察対象でした。
ミドリシジミについては写真を使って、ハンノキ林の説明に加えました。
谷戸の田圃を観察しました。
ヒツジは枯れていましたが、未年の正月ということで、ヒツジ田についても触れました。
枯草の中にキジバト、オギの茂みに潜る野鳥、下の田圃付近の枯れヨシの茂みにシジュウカラの群れ、木の枝をつついているコゲラなどの野鳥も観察しました。

戸隠不動尊跡上の雑木林も観察しました。

12時には科学館前に戻ることができ、ここで解散しました。


特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation