生田緑地観察会“谷戸の自然”
主催 青少年科学館


日時 2011/10/16(日) 10:00〜12:00 晴 
ガイド講師 水田ビオトープ班(岩田臣生) 
観察会参加者 16名(うち子ども2人)

稲目谷戸は水田ビオトープ班が生物多様性を目的とする保全活動を行っているところであり、 生物の棲息環境を保全すると同時に、来園者が気持ちよいと感じる里山らしい景観づくりを進めているところです。
その里山らしい景観づくりのイベントの一つがツリフネソウとミゾソバによる木道景観で、9月初旬から10月末まで楽しめるようにしています。
これは私たちの活動の一つの成果ですので、私たちが直接、案内させて戴きたいと考えていました。
谷戸で観察できる植物の詳しい解説は植物班による植物観察に任せて、生田緑地の谷戸がどんなところなのかということに視点をおいて観察してもらいたい、 味わってもらいたいと考えています。

青少年科学館の改修工事が始まったので、受付は客車の所で行われました。
地面にはマテバシイとスダジイのドングリが落ちていました。 今年はクヌギやコナラのドングリが不作であるのに、スダジイは大きな実を落していました。 そこで、観察会は落ちていたドングリの観察から始めました。

谷戸の降り口付近にはエノキの実が沢山落ちていました。 クヌギは落ちていません。

ピクニック広場の草地で暫し植物観察を行いました。
ナギナタコウジュは里山のハーブです。 生田緑地の谷戸では、ここだけに見られます。
「ひっつきむし」はコメナモミ、イノコズチと2つ見つかりました。 コメナモミの総苞片はルーペで観察してもらいました。 粘液でくっつく「ひっつきむし」です。
早くもツリフネソウが登場しました。

萌芽更新地区では鳥の名前と同じ名前の植物ホトトギスを観察しました。
「赤い包みの中に黒い種子」、ゴンズイの実を観察しました。
コナラやクヌギについても関心を持ってくれました。

ハンノキの松果が落ちていました。 この日は出会えなかったけれども、ハンノキ林に棲息している生物についての話をしました。
大きなジョロウグモが何匹もいました。
ヒヨドリバナも鳥「ヒヨドリ」の名前がついています。

梅畑にはノササゲとヤブマメが並んで実をつけていました。 ヤブマメの実はサヤエンドウに似ています。
葉が小鮒の形をしている草もありました。コブナグサです。

ヌスビトハギが実をつけていました。「ひっつきむし」が3つになりました。
上の田圃付近では、ヤブマメの花も咲いていました。 ミゾソバも見られだしました。
マイタテアカネが群れていました。
中央広場が草地になって、アキアカネは中央広場に集まっていました。 何組もの連結したアキアカネが、前夜の雨でできた小さな水溜まりに産卵していました。 アキアカネは広々とした草地の方が好きなようです。
「赤い包みの中の青い種子」が見つかりました。クサギの実です。
カラスウリの赤い実がなっていました。カラスウリにも鳥「カラス」の名前がついています。

下の田圃周辺はミゾソバが一面に咲いていました。 葉の形が牛の額に見えるでしょうか。
エダマメを小さくしたようなツルマメの実がありました。 マメのなる草は3種になりました。
ツリフネソウの実は触ると弾ける状態になりつつありました。
オオトリノフンダマシの卵嚢がヨシの葉についていました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation