里山倶楽部
【2024/4/6 更新】

令和 6 年度第 1 回里山倶楽部
伐採更新(常緑樹伐採とアズマネザサ刈り)

日 時)2024年4月6(土) 9:00〜12:00 曇
場 所)生田緑地 飯室山南地区
参加者)伊澤高行、加登勇司、北川英樹、中野隼佑(高3)、廣瀬朗子、吉澤正一
事務局)岩田臣生                   計 7名

今年度の第1回里山倶楽部です。
対象地は飯室山南地区としました。
生田緑地でも、将来、ナラ枯れが起こるかも知れないと思い、そのために皆伐更新を行えるようにしておきたいと考えて、平成21年(2009)に、実験できる雑木林を探して、 飯室山南地区の20m×20mの区画を選定して、 平成22年(2010)は事例見学などを行って準備を進め、年末に、川崎市北部公園事務所が皆伐し、平成23年(2011)から市民部会が更新管理を行ってきました。
皆伐翌年は裸地が広がっていましたが、やがて、コナラ、ヤマザクラなど、多様な実生が発芽してきたので、アズマネザサを刈り、 アカメガシワ、ヌルデなどパイオニア種を抜き取るなどの植生管理を進めていましたが、やがてアズマネザサの勢いが衰え始めて、樹林になり始めたことを知りました。
こうして、埋土種子を発芽させることで伐採更新を実現できることが分かりましたが、そのタイミングを待っていたように、 2018年にはカシノナガキクイムシを発見し、翌年には、様々な場所でナラ枯れが起こり始めました。
そこで、2019年、市民部会としては、改めて、私たちが大径木伐採を行って進める伐採更新が可能な雑木林を調査し、芝生広場上雑木林の伐採更新に着手しました。
大径木伐採については、萌芽更新地区の伐採更新をやり直すために、少しずつ経験を積んでいましたので、時間をかければ可能であると考えられるようになっていました。
飯室山南地区については、皆伐更新地区周辺の雑木林に侵入したモウソウチクの除伐やアズマネザサ刈りも始めていましたが、 その範囲が広がって、皆伐更新地区につながるようになった頃、皆伐更新地区周囲のナラ枯れも始まっていました。
そこで、思い切って、皆伐更新地区の東南側のナラ枯れ大径木伐採を行って、連続する伐採更新地区として管理することを考えました。
そして、令和 4年(2022) 1〜2月に、ナラ枯れ大径木伐採を行いました。
令和 5年(2023)は、この拡張区域について、4月2回、10月2回のアズマネザサ刈りを行っていましたので、 今回は、元々の皆伐更新地区のアズマネザサ刈りを行っておきたいと思いました。



活動を始めようとしたら、アズマネザサの葉上に、アカハネムシがいましたが、アズマネザサは刈らせてもらいました。
最近は高さ 4m程のヤブ状のアズマネザサ刈りが殆どでしたので、草本を避けながら、20cm程度のアズマネザサを刈る活動は大変なのです。
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アズマネザサの陰には、ミヤマナルコユリが広がり、点々と、シュンラン、タマノカンアオイ、ニオイタチツボスミレなどが開花していました。
ミヤマナルコユリ
シュンラン
タマノカンアオイ
ニオイタチツボスミレ
手を休めて、樹冠を見上げると、埋土種子から育ったヤマザクラが開花していました。
ヤマザクラ

皆伐更新地区のアズマネザサ刈りを概ね終了したところで、一休みして、集合写真を撮りました。
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春の若齢コナラ林は、曇空なのに明るくて、気持ち良い状態でしたので、13年間の活動に満足しました。
そこで、刈り残しもありましたが、皆伐更新地区のアズマネザサ刈りは終わりにして、後半は、拡張した区域の更新管理を行うことにしました。
この斜面は急勾配になりますし、発芽したばかりの実生は小さいので、注意しなければなりません。
ここでは萌芽更新は考えていませんでしたが、萌芽するとは思っていなかった伐り株から、細くて弱弱しいながら萌芽がありました。
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斜面の下の方には、伐採材が転がしてありましたが、そんな中に、クサイチゴが開花していました。
クサイチゴ
ウグイスカグラも開花していました。
ウグイスカグラ

縁辺部にも、沢山のコナラの発芽が育っていました。
コナラ
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縁辺部のアズマネザサには、トキリマメの実が残っていました。
トキリマメ

伐採更新を行っている区域の外側では、倒木や、折れ曲がったモウソウチクなどが見られましたので、周辺の植生管理の必要性を感じましたが、 更新管理を行っている範囲は、気持ちの良い若齢コナラ林になりつつあると感じさせてくれる楽しい活動でした。

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Kawasaki Organization for nature Research and Conservation