里山倶楽部
【2021/9/19 更新】

令和 3 年度第 10 回里山倶楽部
萌芽更新地区の更新管理(下草刈り、低木の剪定など)

日時 2021年 9月 19日(日) 10:00~13:00
場所 生田緑地 萌芽更新地区
参加者 加登勇司、吉澤正一、髙木遼子、植木英生
    中村瑞季、さち
事務局 岩田臣生            7 名

里山倶楽部は、8月は夏休みにしていますが、9/4(土)が雨天のため中止して、9/18(土)が台風 14号による雨となりましたので、9/19(日)に延期して開催しました。
活動目的は、下草刈り(アズマネザサ刈り)と状態を観察して樹林管理の方針を考えることです。
世の中はシルバーウイークの中日でした。
新型コロナ感染流行下ではあるものの、生田緑地東口駐車場は満車で、入場待ちの行列ができていました。

活動場所は萌芽更新地区です。
1998年12月に、伝統的な里山管理である萌芽更新を観察できる樹林を目指した公園整備事業として、コナラ林 1200㎡を伐採し、補植が行われた地区です。
2008年1月の市民部会において、地区の観察を行い、萌芽更新地区と呼べる状態かを評価しましたが、伐採更新の目的は達成されていないことを確認しました。
そして、改めて、伐採更新を行って、萌芽更新地区と呼べる雑木林を目指すことを合議しました

伐採更新修正の第一段階は、ムクノキなどの大径木を伐採して、林内を明るくして、補植したクヌギなどの成長を促すこととしました。
第二段階は、成長を始めた補植クヌギなどを、萌芽更新目的で伐採することとしました。
里山倶楽部では、直径 30cmを超える大径木の伐採でも、ノコギリを使って、高さ 1.2mほどで伐倒してから、高さ 30cmほどで伐採し直しました。
この萌芽更新目的で伐採した樹木は、現在、萌芽枝を成長させていますが、明るくなったことで発芽した実生やムラサキシキブ、ヤブムラサキなどの低木が成長し、 萌芽更新中の樹木の成長を妨げていると思われる状態も見られるようになりました。
そこで、次の段階の萌芽更新地区をイメージして、管理方法を考える必要があると思います。

里山倶楽部としては、参加してくれる市民が、生田緑地の自然を体験的に楽しんでもらうことも活動目的ですが、この日は、( A06-1a )の下草刈りを行いました。
園路に面した場所は、様々な植物が密生し、そこから人が入ることを阻んでいるようでした。
高木伐採を集中的に進めていた頃とは異なり、全体的にヤブのような状態になっています。

( A06-3 )にある大きなクヌギの周りを、オオスズメバチが飛んでいましたので、この辺りから離れて活動するようにしました。

萌芽更新地区の北側の区域( A06-1a )は、毎年のアズマネザサ刈りと樹林になりつつあることによって、林床のアズマネザサは疎らで、繁っている場所でも、30cm程度に過ぎませんでした。
一部に、ヤマホトトギスが集まって、実をつけている所もありました。
既に、伐り株がキノコに覆われている萌芽更新株もありました。
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里山倶楽部
里山倶楽部

アカシデは県内全域に分布しているようですが、生田緑地の雑木林では、アカシデの幼木を見たことがありませんでした。
また、ここの第一段階で伐倒・伐採したアカシデは萌芽しませんでした。
そこで、萌芽更新地区のアカシデ 2本は、伐採せずに残していました。
この残したアカシデの大木の下が暗くなっていて、萌芽更新中のクヌギ(2014/11伐採) の萌芽枝の成長を妨げているかも知れないと思いました。
また、その南側のムラサキシキブ、ウグイスカグラ、コブシなどが成長、繁茂して、光を遮っていると思いました。
そこで、萌芽更新中のクヌギの成長を妨げていると思われた、これらの低木を高さ 2m程度で剪定し、少なくとも、クヌギの枝とぶつかることは無いようにしました。
秋の日差しが強いこともあり、このクヌギ周りは急に明るくなりました。
様々な低木が、人の目の高さよりも下の時は、辺りは広々とした感じがしていましたが、それを超えて、林になってくると、林内を歩くために枝を避けたり、剪定する必要が生じます。
それも難しくなったら、樹種を考えながら、択伐するのが良いのか、それとも、部分的に皆伐してみるのが良いのか。
若齢林の管理方法として考えると難しいので、歩く時に邪魔になる樹木は伐採し、枝などは剪定して、材として利用することを考えた方が、結果的に、伝統的里山管理になるのではないかなどと 考えながら、活動しました。

里山倶楽部
11:30 過ぎたところで、一回、休憩しました。
この辺りは、昨年までは、明るくて、オトコエシが咲き誇っていましたが、今年は、周囲の樹木が育って、暗くなったのか、衰退して、開花していいるのは、辛うじて、1本だけでした。
辺りからは、煩いぐらいに、ツクツクボウシが鳴いていました。
また、アオスジアゲハや、コミスジが姿を見せてくれましたが、その他の昆虫は吸蜜できる花も無いので見られませんでした。
里山倶楽部としては、休憩時に、お茶を飲みながらのちょっとしたお喋りは、大切な時間なのですが、今は自粛です。
里山倶楽部
コミスジ

後半も、同じ活動を続けました。
萌芽更新中の伐り株は、降雨のせいか、キノコが発生しているものもありましたが、どの萌芽枝も元気でした。
既に、直径 10cmになっている萌芽枝もありました。
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南側の( A06-1b )にも、活動範囲を広げました。
こちらは、アズマネザサの繁茂が著しく、これを刈りながらでないと、前に進めません。
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そこに、ガマズミが真赤な実をつけていました。
ガマズミ
種子を採取して、プランターに蒔き、発芽させたヤマザクラの稚樹を、この斜面に植えましたが、そのうちの一本は、アズマネザサの上まで伸びて、負けずに生き残っていて、 アズマネザサを刈ったら現われました。
ヤマザクラ稚樹
小さなマユミの幼木に、ヒダリマキマイマイがいました。
ヒダリマキマイマイ
活動終了時に、集合写真を撮りました。
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萌芽更新地区

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