生田緑地植生管理協議会市民部会
里山倶楽部A

植生調べと保護活動


日時 2013/4/6(土) 10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地
参加 工藤真貴子、工藤思由(中学1年)、工藤千穂(小学2年) 、山下淳也、額谷悠香
  (市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美、佐藤登喜子

平成25年度第1回目の里山倶楽部Aです。 日本列島が春の嵐に襲われ、昼頃から雨という天気予報でしたが、今年は春に咲く花が2〜3週間早い開花となったので、春の状態を観察しておきたいと思い、開催しました。
公園整備事務所前に集合して、新しい参加者もいたので紹介してから現地に向かいました。
山下くんは、工藤くんの友達です。 額谷さんは、生田緑地運営共同事業体の職員です。 生田緑地運営共同事業体というのは、今月から生田緑地の管理運営にあたることになった指定管理者です。


途中、七草峠でスミレを観察しました。 コスミレ、タチツボスミレ、アリアケスミレ、スミレ、ヒゴスミレを観ておいて先に進みました。 ニオイタチツボスミレは現地にあるはずなので省略しました。 なお、アリアケスミレは昨年までは、ここでは観られなかったスミレです。


七草峠〜枡形山では、今年の初めに工事が行われた斜面が無残な姿を晒していました。 このような形でワイヤーが張られていると、市民ボランティアにはモニタリングも、植生管理も危険なのでできません。
園路沿いにあったサワフタギなど、観察会の対象にしていた植物も消えています。

枡形山〜飯室山の園路の東側が2ヶ所、アズマネザサなどの巾刈りがされていました。 雑な機械刈りのようで、汚らしい刈り後になっていました。 様々な木々や草が芽吹く季節なのに、枯れたササが散乱しているだけでした。
ここは、植生管理計画では、当面、手を入れないことに決めてありました。 一体、誰が、こんなことをしたのでしょうか。 他所の緑地では、勝手に下草刈りをする人がいるということをよく聞きます。 生田緑地でも、今までに、誰か分からない人が勝手に下草刈りをしたということを経験しています。 しかし、これほど季節にそぐわない景観をつくられたことはありませんでした。 非常に残念です。
特に、皆伐更新地区へ降りる路は来園者に気づかれずに出入りできるように配慮してつくったつもりなのですが、 その部分も巾刈りされてしまっていたのには驚くと同時に不安を感じています。


現地に着いたところで、いつでも解散できるように集合写真を撮りました。
区域周囲のコナラの新芽が銀白色に光っていて、区域内の地面も緑色になっていて、2年前と違って生物たちの息吹が感じられます。

クマバチがコナラ実生の新芽に止まっていました。 今年のクマバチは先週から見かけるようになりました。

花は殆んど終わっていましたが、ニオイタチツボスミレがいくつも見られました。


中学生2人は佐藤に付いて、どんな植物が見られるかを調べました。 未来の川崎の植物を調べられる人を育てたいという気持ちからの丁寧な植物観察会が進められていました。

その他の参加者は、落枝を拾って片付けたり、実生周りのアズマネザサを刈ったりしていました。


雨が降り出したので中断しました。 今日は降り出したら止めようと決めていましたので、直ぐに撤収しました。

荷物を玉切りのコナラから持ち上げたら、そこにツチイナゴがいました。


現地を出発し、雨をよけられる飯室山の展望台で、お茶菓子を食べて休憩しました。
運動の後は甘い物がおいしいなどとお喋りをしていたら、雨が止み、空が明るくなりました。 そこで、少し不安ではありましたが、萌芽更新地区も見ておこうということになり、自然観察をしながら萌芽更新地区に向かいました。

城山下谷戸に降りたところで、ツボスミレなどや花の終わったアオイスミレを観察しました。

この辺りはアブラチャンの林を目標に管理を始めていましたが、そのアブラチャンの実生が木道近くに育ち始めていました。

芝生広場に近いところは、アオイスミレやヤマホトトギスなどが観られる場所です。


ハンノキ林では、丁度、メギの花が咲いていました。 これは私たちだけでは気がつきません。 こんなものが観られるのは、植物班の佐藤副班長が参加してくれているお蔭です。

千穂ちゃんが奇妙な菌類を見つけました。


萌芽更新地区に着きました。
人為的にギャップをつくってから、様々な木の実生が生育し、アズマネザサも元気になり、草本層〜低木層の密度が高くなっています。
スミレ類やホウチャクソウなどの芽を踏まないように注意しながら、植物を観察し、調べました。

オカスミレ、アカネスミレ、タチツボスミレが集まっているとなかなか圧巻です。
ただ、この2年間、落葉かきをしていないので、斜面中程から下の落葉層は厚くなっています。 そして、この辺りではスミレの花も見られなくなっています。 これが原因と断定できるだけの知見はありませんが、今度の冬には落葉かきを実施しておきたいと思います。

オカスミレとアカネスミレが混在していて、毛の有無を調べないと区別ができません。

ミツバツチグリがそこここで花を咲かせていました。

アカハネムシがいました。 カメラを向けると慌てて飛び立ってしまいました。 ムナビロではないように見えたのですが、確認できませんでした。
イチモンジカメノコハムシもいました。 こちらは、カメラを向けると触覚を収めてしまいました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
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