生田緑地の植生管理

2009年度第5回市民部会
《つつじ山(A03)の植生管理を考える》


日時 2009/9/5(土)10:00〜12:30
場所 生田緑地
参加 生田緑地の雑木林を育てる会(阿出川稲子、井口かおる、井口実、岩崎功、白澤光代、外木敏孔、
                 藪哲二)
   かわさき自然調査団野鳥班(佐野悦子、水田茂子、森佳子) 
   北部公園事務所(山口泰民)
市民部会事務局 岩田臣生、岩田芳美

つつじ山は、原則立入禁止としている雑木林とは異なり、広場的に利用がされていたことから、2007年10月に作成した植生管理計画ゾーニング案においては 里山広場的利用区として位置づけていたゾーンです。
名前の如くツツジが植栽されており、その剪定や下草刈りなどは、生田緑地の雑木林を育てる会が会の活動として実施してきました。
しかし、当該区域の南端部にある桜の大木にはアオゲラが営巣したことがあり、その時期の下草刈り等の範囲を調整させていただいていましたが、 その約束を破って、ササ刈りをする人が出ました。
また、昨年、ツツジの高さを低く抑えるために強剪定をしましたが、その範囲が現地での話し合いによって決めた範囲を越えていました。
これらのことが協議会の場でも問題とされました。
こうした経緯があり、生田緑地の雑木林を育てる会から、今年度後期のつつじ山の活動を前に、当該地区の植生管理計画或いは植生管理の方針を より細部にわたって明確にしてほしいとの要請がありましたので、市民部会を開催し、必要な合議を図ることにしました。
話し合いに先立ち、事務局において今までの経過を踏まえ、目標植生を一つで済ますことに問題があると考え、里山広場的利用区としたゾーンを更に4つのゾーンに分割する案を作成しました。
A.来園者が快適に過ごせる広場、利用者優先の植生管理をするゾーン
B.野鳥などの生物を優先して植生管理をするゾーン
  事務局としては、野鳥が集まるような管理をすることで、野鳥観察が手軽にできる等、広場の魅力を増大させられると考えていました。
C.北西端部は、コナラなどのランドマークになる大木を保護し、野生鳥獣を優先させるゾーン
D.東側の斜面は大部分が園路で構成される雑木林です。園路は自然探勝路として明確に位置づけ、植物観察に利用できるような植生管理をするゾーン
つつじ山の山頂部にあるパーゴラの前に集合して、事務局提案の説明を行ってから、一緒に歩いて、各ポイントごとに話し合いを行うことにしました。

はじめにゾーンAとBの境界の位置について目印がほしいという意見がありました。
境界は凡その場所でいいと思っていましたが、植生管理を実行する立場からは明確な形で決めてもらった方がいいということでした。 話し合いの中では゛現地にある樹木を目印にすることとしましたが、更めて、計画図に記載し、現地にも標識等を設置した方がよいかもしれません。

ゾーンBの園路沿いに配置されているツツジは長い間放置され、伸び放題でした。
現況は、広場側は3分の1程度の範囲は強剪定されていましたが、残りの部分は野鳥への影響を配慮して剪定しないでおいてくれたのです。
今回の話し合いで、園路と園路との間での見通しがきくようにした方が来園者にとっては好ましいことなので、そうしたいという意見が強く出されました。
一方からは、野鳥のためには園路沿いのツツジはある程度の高さが必要という意見が出されました。
本当はまず、林のエリアの目標をどのように設定するかが必要です。 アオゲラの棲息を目標にするのか、野鳥が集まるような林にするのか、野鳥観察を楽しめるような林にするのか、目標についてのイメージを共有しないままに 伐る伐らないの話になってしまいます。 多分、参加者の中では、当然、目標イメージは広場だよということだったのかも知れません。 結局、園路沿いのツツジを一部は残して、そこ以外は伐ってもいいという形で結論がでてしまいました。
従って、区画の内部についても、見通しが悪くなったら下草刈りをするということになりました。 勿論、全面を一度に実施するのは適切ではない、いくつかのブロックに分けよう、当該作業範囲はテープを張ってほしいという意見が出されました。
但し、ネザサが現状程度であっても、ヤマグワやブタクサなどはいつでも取り除いていいということで合意を得ました。
ツツジの、強剪定をしないとした範囲については、現地で目印をつけましたが、より明確な形の印付けをしておく必要があると考えます。

園路の外側、ゴルフ場のフェンスとの間の部分については、ツツジ以外の低木層、草本層を刈り取ること、ツツジは1m程度の高さに仕立てることなどを 決めました。

ゾーンAの中のハナミズキについて間伐したいとの意見が出されました。 話し合いの結果、2本だけなら伐採を認めてもよいということで合議し、選ばれた2本に印付けをしました。

ゾーンDの強剪定された場所については、生えてくる植物は放置しないでとってしまうこと、ツツジは1m程度の高さに仕上げることなどを確認しました。

最後に日陰に集まって、お茶とお菓子で休憩し、意見交換を行いました。


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