生田緑地の生物多様性保全活動




谷戸の水辺保全(水漏れ補修)など
日時:2022/6/28(火) 10:00〜13:00 快晴
場所 生田緑地 湿地地区、上の田圃地区、下の田圃地区
参加者 岩田臣生

谷戸に降りたら、ピクニック広場下のヤブマオの葉上に、ラミーカミキリがいました。


ハンノキ林の水流の上に、葉のついた枝が転がっていました。
折れ口は新しいように見えたので、どうしたのだろうと、不思議に思いました。
竹林下デッキに来て、辺りを見回したら、ヤマザクラの大枝が幹から折れていました。
折れた大枝は、エゴノキが受け止めていたので、一見しても、折れて落ちているとは気がつきません。
先週は、強風が吹き荒れた日がありましたから、この暴風に折られたのだろうと理解しました。
早めに片づけた方が良いとは思いましたが、後回しにさせてもらいました。
水辺の落枝も原因は同じだろうと理解しましたが、片付けは秋になって、水辺に入れるようになってから行うことにしました。


(湿地地区)
湿地地区から、水の状態を点検しました。
ハンノキ林からの流れも、竹林下からの流れも、流量は少なくなり始めましたが、今回は、水涸れを起こしている所はありませんでした。
保護している神奈川県絶滅危惧IA類、環境省絶滅危惧II類の植物は、花茎を伸ばし始めたものがありましたので、これを開花結実させれば何とかなると思いました。
また、驚いたことに、4月19日に、プランターに蒔いた種子が、2ヶ月以上も経って諦めていたのに、発芽し始めました。
まだ、非常に小さいので、プランターの外に植え替えて、栄養を摂れるようにしてあげなければなりません。
毎夏のことながら、水漏れによる水涸れを起こさないように、細目に水の点検と保全を行わなければならないと、気を引き締めることになりました。
今年は、カミさんが、川崎市青少年科学館の標本用にあげる約束をしていたらしいので、この新たな発芽株は大事に育てたいと思います。



今回は、チダケサシが咲き始めていました。
ピンクの花は、木道からも目立っていました。

水辺には、オオシオカラトンボがいました。




(上の田圃地区)
上の田圃は湛水していましたが、田圃下の池の水が完全に涸れていました。
原因の一つは、池に至る水路に水漏れ穴ができて、池に水が入っていなかったことでしたので、これは塞ぎました。
水が溜まるまで、ノカンゾウを覆っているツリフネソウやミゾソバ、ミズヒキなどを除草しました。
しかし、水はある程度までは溜まったのですが、湛水する様子がありませんでした。
また、田圃からの水が来ていませんでした。
田圃の土嚢堰を調べると、土嚢堰を越えいる水がありません。
堰下の水も増える様子がありません。
堰から畦の内側を点検しみましたが、どうも、流入する水量が極端に少ないように思いました。

田圃への導水路を点検すると、土嚢堰脇に水漏れ穴があって、殆んど、水が流れていませんでしたので、この水漏れ穴を塞ぎ、更に少し上流に見えた数個の穴を塞いで、水を流しました。


草地では、カノコガが交尾していました。

余りの暑さに?、サトキマダラヒカゲは草陰にいました。


この日の活動は、このぐらいで止めることにして休もうとしましたが、休める日陰がありません。
まず、竹林下デッキのベンチに移動しました。
朝は気がつきませんでしたが、デッキの少し手前に、猛禽の食痕がありました。

休憩中、ハンノキ林の上の方から、コジュケイの警戒時の声が聞こえてきました。
この声は、ハンノキ林上のデッキまで来ても続いていました。
デッキに背負い籠を置いて、声の方を見ると、萌芽更新中のクヌギの萌芽枝の上にコジュケイがいました。
しかし、警戒している対象は見えませんでした。


倉庫に辿り着く前に、ピクニック広場のベンチでも休憩しました。
休憩中、草の葉の上を動く、赤い虫が目に入りました。
体長 5〜6mm の小さな赤いゾウムシでした。
写真は上手く撮れませんでしたが、帰宅後に調べたら、トホシオサゾウムシだろうと思われます。
緑の葉上で、赤に黒い点がある姿は、なかなかダンディなゾウムシだと記憶に残りました。


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