生田緑地の生物多様性保全活動


ホタルの国の蓄光目印貼
日時:2022/5/24(火) 9:20〜12:30 晴
場所 生田緑地 谷戸
参加者 岩田芳美

ホタルの国は、6/3(金)〜6/23(木)の閉鎖管理とし、6/4(土)、6/11(土)、6/12(日)、6/18(土)の4回の特別開国(19:30〜20:30)を行うことになりました。
普段から生田緑地に来園して、中央地区北側の谷戸を歩いている人は問題無いと思いますが、一度も来園したことが無い人がホタル観賞のために来園することがあるので、 少しでも来園者のための手入れをしておこうと思い、蓄光目印が取れてしまっている所に貼る活動を行いました。


青少年科学館で開催された調査班の団員募集についての話し合いがあったため、ピクニック広場でお弁当を食べて、青少年科学館に向かいました。


湿地地区〜田圃地区の水漏れ補修などの水辺保全、萌芽更新地区の観察と樹木札つけなど
日時:2022/5/24(火) 9:20〜14:30 
場所 生田緑地 湿地地区、上の田圃下の池、萌芽更新地区
参加者 岩田臣生

生田緑地には、ホトトギスが入ったようで、この日は、ホトトギスとコジュケイの声が響いていました。

(湿地地区)
湿地地区は、乾燥していた谷戸の奥に、2004年末から、水を引き入れて、水辺をつくり、湿地化を進めてきました。
元の地主さんの話では、狩野川台風による土砂崩れで田圃が埋まったので、もう田圃には戻せないと考えて、排水を良くするための努力を重ねたけれども、何処からともなく、水が染み出して、 良い畑にすることができなかったそうです。
畑にするための努力は大変なものだったようで、そのために、思わぬ所から水漏れが起こって、水涸れによって、生きものが死んだりすることもありました。
そのような場所なので、水の状態観察は欠かせません。

今回は、竹林下水流からの流れが水漏れ穴に消えていましたので、これを補修しました。
次に、湿地地区で復活させ、保護している植物周辺を攪乱して、水域を広げました。
これで、大事な所は保全できたと思うので、改めて、ハンノキ林からの水流について泥上げを行いました。

丁度、ウツギの花が満開になっていて、太陽の日差しを受けて白く輝き、モンシロチョウ、オオチャバネセセリ、イチモンジチョウ、コマルハナバチなど、様々な昆虫が吸蜜に来ていました。
そんなチョウを捕食するハナグモや、国産最大級の大きなガガンボ、キバラガガンボも、ウツギの葉陰にいました。
谷戸の生きものの吸蜜源として、ウツギも大切な存在になっていることを、改めて理解しました。






水の点検・補修と生きもの観察ができたので、田圃地区に移動しました。

(上の田圃地区)
上の田圃は、下の段も湛水していました。
もう、いつでも田植えができそうです。
そこで、田圃下草地の池までの水路部の水漏れ穴を補修し、池の水漏れを補修し、池が湛水するまでの間に、ノカンゾウに覆い被さっていた草をむしり取る活動を行いました。
活動中、そこここに、特に、ツリフネソウの葉に、ハバチの幼虫がいました。
このハバチは、ツリフネソウだけではなく、かなり広い範囲の植物の葉を食べています。
名前が分かりませんが、かなり多く、大発生と言っても良いレベルなのではないかと思います。
情報をお持ちの方は、是非、お知らせください。

田圃下草地には、ヤマサナエ、クビキリギス、キスジホソマダラ(蛾)、ヒゲナガハナノミ、ヒメシモフリコメツキなどが観察できました。





柿の木近くのベンチに座って、弁当を食べていたら、クロスジギンヤンマが3mほどの高さを飛んでいました。

(下の田圃地区)
下の田圃地区の状態も観察しました。
田圃の上では、3匹のシオカラトンボ(オス)が縄張り争いをしていました。
水は問題ありませんでした。


(萌芽更新地区)
4〜5月は、田圃活動のための稲の苗を育てること、地域から消えそうな植物の保護活動、活動報告、活動計画の立案、里山の自然学校開校の諸手続きなどに追われて、 時間的に余裕のある雑木林の活動は後回しにしてしまうので、萌芽更新地区の活動は疎かになっていました。
生田緑地観察会<里山の自然>では、木々が茂っていたため、林内に入って観察しようという気持ちを起こさせませんでした。

当該地区のシンボル的大木である3本立ちクヌギが樹液を出していて、ヨツボシケシキスイが数匹、噛り付いていました。


萌芽更新中の数株については、樹種、伐採時期などを表示した札を用意していましたので、ミズキ(2019/1/19伐採)、2本立クヌギ(2017/2/18伐採)、クヌギ(2014/1/18伐採)の3本につけました。
2014/1/18に伐採したクヌギは、アカシデ(2022/1/20伐採)の樹下にあったため、成長が遅れていました。
このクヌギに札をつけようとしたら、ハチのような生きものが飛んできて、札をつけようとしている萌芽枝に止まって、アシナガバチのように忙しなく体を動かしていました。
良く見れば、キスジトラカミキリでした。
さらに、細い枯枝の上に、アトジロサビカミキリが現われました。
萌芽更新を観察できる雑木林のイメージを描くために、町田市の方の雑木林に、事例見学に行ったこともありましたが、 そこは萌芽枝を採取している樹木を見せている、展示的な印象で、雑木林ではありませんでした。
萌芽株の周りは、アズマネザサを機械刈りしているようでした。
非常にシンプルな見世物的なものであったので、参考にしたいと思わせるものではありませんでした。
萌芽更新地区は、薪などの材を採取する必要はありません。
ここでの萌芽更新は本来的な意味の萌芽更新によって、高木を更新し、大木にしない循環的な植生管理を行うことで良いと思います。
そのような管理をしながら、在来の雑木林の生きものに出会える雑木林にしたいと思います。
ですから、突然、現われた2匹のカミキリムシは嬉しい来客なので、慌てて、カメラを取り出したのですが、細い枝の上のアトジロサビカミキリにはピントを合わせることができませんでした。


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