生田緑地の生物多様性保全活動


今朝の西口トイレには、 クロヒカゲがいました。

生田緑地整備事務所の外壁に蛾がいました。

谷戸に降りたら、コマユミが咲いていました。
ツリバナも既に咲いていますが、マユミはまだ蕾の状態でした。



谷戸の水辺保全(水漏れ補修、観察)
日時:2022/5/5(木) 10:00〜11:30 晴
場所 生田緑地 湿地地区(B05)、上の田圃地区(B06)、下の田圃(B07)
参加者 岩田臣生

日々木々の緑が濃くなる季節は、水辺の活動は控えるようにしていますが、湿地地区や田圃地区については、水を涸らさないための活動だけは行っています。

湿地地区
湿地地区の状態をを観察したら、 3段目が水涸れを起こしていました。
原因は、3段目に落ちた水が、その落ち込みにできていた水漏れ穴に流れ込んでいたためでした。
この水漏れを補修して、3段目に水を広げながら、発芽している植物を調べていたら、保護している植物の芽が二つ見つかりました。
途端に、気持ちが楽になり、この芽の周りの草むしりを行って、近くまで水が来るのを確認しました。
これで、小さいながら、特に保護している植物の芽は 4つになりました。
今年は、できるだけ頻繁に草むしりを行って、周囲の他の植物に負けないように保護してあげようと思いました。



フタリシズカが咲いていました。


上の田圃地区
上の田圃に移動しました。
竹串を刺して固定した田圃の土嚢堰は安定して、湛水していました。

田圃下の池には水漏れ穴が開いていましたので、積んであった枯草を使って水漏れ補修を行いました。
田圃からの水を流す水路にも穴があるようでしたが、これの補修は少し大がかりになりそうなので、次回以降に行うことにしました。


下の田圃地区
下の田圃地区を観察しました。
シオヤトンボ(オス)が 3匹、来ていました。
シオヤトンボは、神奈川県レッドデータブックで要注意種とされていて、県東部地域での減少が著しいようです。

ヤマサナエの羽化が始まっていました。
ヤマサナエもまた、神奈川県レッドデータブックで要注意種とされていて、県東部での減少が著しいとあります。
棲息する水辺環境は、シオヤトンボは止水域、ヤマサナエは流水域と異なるのですが、谷戸の重要な生物と考えていますので、こうして出会えることは嬉しい出来事です。

田圃の中では、ホトケドジョウ(1歳魚)が戯れていました。
ホトケドジョウは、環境省の絶滅危惧IB類、神奈川県レッドデータブック絶滅危惧IB類の淡水魚です。
生田緑地では、中央広場側の奥の池に保護池を設けて、保護管理していますが、 水田ビオトープ班では、ホトケドジョウや、シオヤトンボや、ヤマサナエなど、多摩丘陵の谷戸の水辺に棲息していた生物が今後も生き続けられるように、 総合的に、これらの生物の棲息環境を保全する活動を行っています。
谷戸の水域で、自然状態で生息しているホトケドジョウが浅い田圃の中で泳いでいる光景を木道上から観察できるのは、この時期ならではのことかも知れません。


谷戸のセリバヒエンソウ駆除
日時:2022/5/5(木) 10:00〜12:30 晴
場所 生田緑地 梅の木広場、メガネ池周辺(上の田圃地区〜下の田圃地区)
参加者 岩田芳美、鈴木潤三、田村成美、井口 実、政野祐一、岩田臣生(11:30〜)

今年のセリバヒエンソウ駆除は、4/23(土) の里山倶楽部<セリバヒエンソウ駆除>、そして 5/3(火)の水田ビオトープ班の活動でも行いましたが、 その他、谷戸を歩いている時に、見つけたら抜き取るようにはしていました。
セリバヒエンソウは、しっかり種子をつける時期になっていましたので、今回はレジ袋に入れて回収しました。
そのために、園路を通行する来園者の中には、このセリバヒエンソウの入った大きな袋に何か食べられる野草でも入っていると思ったのか、わざわざ、何が入っているのかと尋ねてくる人もいました。
セリバヒエンソウはキンポウゲ科の植物なので、有毒です。
中国原産の外来植物ですが、園芸店で売られ、家庭で栽培されていたものが、逃げ出したり、意識的に、庭以外の場所に植えられたりして広がったものと考えられます。
短期間に開花、結実、種子散布を行い、非常に繁殖力が強いため苦労しています。










晴れて暑くなりましたので、活動後は、木陰のある竹林下デッキで休憩してから帰りました。

かわさき自然調査団の活動

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