生田緑地の生物多様性保全活動

水辺の状態観察と保全
日時:2021/4/20(火) 09:40〜14:00 
場所 生田緑地
参加者 岩田臣生、岩田芳美

4/18(日) 里山の自然学校<春の里山>の時に、上の田圃の下の段の土嚢堰の土嚢が大部分落ちていて、水位が下がっていました。
その時は、急いで、土嚢を積み直したのですが、長靴を履いていなかったので、かなりいい加減な作業だったと思い、先ず、水の状態を確認して、湛水させることを第一目的に、 スコップ、ジョレン、立鎌、雑のう袋などを背負い籠に入れて、谷戸に降りました。
しかし、上の田圃は湛水していましたので、同様に心配していた、中央水路末端部から溢れ出していた水を少なくするために、ヨシ原地区に移動しました。

末端部から溢れ出していた水には殆んど変化がありませんでした。
これは、中央水路に土砂などが溜まって溢れ出したのだろうと想像していたのですが、調べてみると、土砂溜まりなどは無く、水路側壁から漏れ出していました。
調べてみると、意識的に開けていた穴の水量調節用の栓が外れていたので、これは差し込みましたが、まだ漏れ出している水は多量でした。
そこで、水路側壁に沿って並べてあった土嚢の隙間などに泥を入れ、更にその外側に土砂を積んだら、流れ出す水量は少なくなりました。

ヨシ原の池の状態を調べると、水深は浅く、底に泥が溜まっている状態がよく見えました。
もっと泥上げをしておく必要がありそうです。
実に移り始めたカサスゲにシモフリコメツキなどが来ていました。


下の田圃地区の木道ぞいのヨシが 20cm程に伸びていました。
シオヤトンボ(オス)が縄張り争いをしていました。
オオスズメバチが吸水に来ました。



上の田圃に移動して、田圃の周囲の状態を観察し、数ヶ所で泥上げを行い、田圃下への水路にあった水漏れ穴を土嚢で塞ぎ、草地の水路の流れを取り戻しました。
4/17(土) の降雨が谷戸に洪水を起こしていた痕跡が各所にありました。


上の田圃への導水路付近に設置されていた箱ワナに、子どものアライグマがかかっていました。

谷戸に侵入していたモウソウチクを除伐しました。
木道の手摺に、ホソヘリカメムシや、アカシマサシガメがいました。


アゲハチョウや、アオスジアゲハ、カラスアゲハなどが飛んでいましたが、コチャバネセセリが、ハルジオンで吸蜜していました。


湿地地区の水が涸れかけていました。
ハンノキ林からの流れが、大きな水漏れ穴に消えていましたので、イネワラで補修しました。
流量が多いので、勢いよく、涸れていた場所に水面が広がりました。

また、竹林下の水流も橋の下の水漏れ穴に消えていましたので、補修しました。
大雨は水漏れ穴を広げて、水涸れを起こしますが、補修すれば、流量が多いので、直ぐに改善されます。


4/18(日) のハンノキ林上のデッキには沢山の花が落ちていましたので、植物班の佐藤さんに相談したら、ニガキの雄株が近くにあって、その花が落ちていたのだろうということでしたので、 どの木がニガキなのかを調べて、見つけました。
まだ、沢山の花がついていました。

セリバヒエンソウを見つけて、少し除草も行いました。

帰り道、ハンショウヅルの花が一つ開きかけていました。


木道の手摺で、様々な幼虫に出会える季節になりましたが、今日も不思議な形態の幼虫に出会いました。
フシキキシタバという蛾の幼虫だろうと、昆虫班の横田さんに教えてもらいました。
「以前は山梨などのクヌギの大木が林立するような豊かな森でしか見つからなかった珍品でしたが、最近では里山のクヌギ・コナラが大木化して、この蛾が増えるようです。」

これは、ヒラタアブの仲間のフタスジヒラタアブの幼虫だろうと思います。

それから、ニリンソウが一輪、咲いていました。

かわさき自然調査団の活動

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