生田緑地の生物多様性保全活動

湿地地区の水辺保全とオギのヤブ刈りなど
日時:2021/4/8(木) 10:00〜14:00 
場所 生田緑地 湿地地区(B05)
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三、田村成美、河野 実


湿地地区に入ったら水が涸れていましたので、急いで、水漏れ穴を見つけて補修することになりました。
しかし、この日は、先日の活動時に、枯れたネザサで応急的に補修した水漏れ箇所を土嚢で補修し直す予定でいましたので、 直ぐに、土嚢をつくり、問題の水漏れ箇所を掘って調べて、土嚢を使って畔の補修を行い、その水路の周辺の泥上げを行いました。
すると、水路には、勢いよく水が流れ始めました。
水涸れは、予定していた水漏れ補修で解決しました。
水辺には、既に、ホウチャクソウが蕾をつけ、チダケサシやヒメシロネが発芽していましたので、踏み潰さないように注意しながら歩いて、流れを止めていた枯葉などを取り除いたりしました。




ハンノキ林下の湿地地区の 3段目には、アズマネザサ、オギ、ヒメコウゾなどが繁茂したヤブがあります。
このヤブは、冬鳥が、湿地地区の水辺を安心して利用できるように、隣接する畑とのバッファとして管理しています。
2009年から、春になったら、これを刈るという活動が水田ビオトープ班の定例活動になっていて、この日の活動の第一目的です。
ヒメコウゾは開花していました。





湿地地区の 1〜2段目の草地には、カナムグラが発芽して、成長を始めていましたので、これを抜き取る活動も行いました。



2 段目の水辺には、トウゴクヘラオモダカや、オニスゲなどが発芽していましたので、これらを避けながら、水涸れしていた箇所の泥上げを行い、水面を広げていきました。
そのような場所には、ミゾソバが発芽していたり、ヤエムグラが開花していたりしましたが、水面を広げることを優先して活動しました。






2 段目には、オニスゲが繁茂し、昨年、3 段目から移植したトウゴクヘラオモダカが生き残って、展葉を始めていました。
元々、この 2 段目で復活させた植物なのですが、水が流れやすい状態に管理してしまったために、大雨時に種子が流れて、3段目に移動してしまいましたので、 安全のためにも、2段目に保全したいと思います。
1 段目にも、3段目から移植していましたが、ヒメシロネ、ミヤマシラスゲ、ドクダミなどと混生し、しかも暗いためか、成長が遅れていました。



昨年、オニスゲの群落の傍に生えてきたハンノキの実生は、育って、 60cm 程の高さになっていました。

3 段目は、速い流れが起きないように注意して、トウゴクヘラオモダカの周囲の泥上げを行い、また、2 段目の畔下の溝の泥上げを行いました。


季節が移って、ウワミズザクラが咲き、ツボスミレが園路沿いに広がり、センブリの仲間、アカハネムシの仲間、ミドリシジミ幼虫(葉でつくられた巣)などを観察することもできました。





ハンノキ林の林床には、外来種シラユキゲシがありました。



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