生田緑地の生物多様性保全活動

コアジサイ観察、湿地地区の水辺保全、草刈り、セリバヒエンソウ駆除、カナムグラ除草など
日時 2020/5/26(火) 11:00〜14:30 曇後小雨
場所 生田緑地 野鳥の森、湿地地区、下の田圃地区など
参加者 岩田臣生、岩田芳美

野鳥の森のコアジサイが開花したという連絡が入ったので、様子を見に行きました。
コアジサイは日本固有種で、神奈川県植物誌によれば、県内では、箱根、丹沢、小仏山地、相模原台地などに多く見られ、川崎では多摩区にのみ記録があります。
特定非営利活動法人かわさき自然調査団水田ビオトープ班では、里山倶楽部の活動として、2017/72018/102019/7 に、この生育地の保全を行っています。

しかし、私たちが 3 年かけて、アズマネザサを刈ってきた斜面に、伐採材が捨てられていました。

台風の後処理であっても、来園者の安全のための緊急措置は別ですが、生田緑地自然環境保全管理会議(以下、自然会議とする。)の合議なしに、つまり植生管理計画の承認なしに、 植生管理を行うことはルール違反です。
これは、指定管理者であっても、同じです。
自然会議市民部会の活動している樹林地、いくつかの植物を保護しながら、少しずつアズマネザサを刈って、自然の変化を観ている場所に、 伐採材を捨てて、黙っていることなどは許される行為ではありません。
この行為によって植生が受けたダメージをどうするつもりですか。
別の場所の台風後の倒木処理でも、神奈川県内では生田緑地にしか生育していない植物に対して、壊滅的なダメージを与えてしまったことを忘れたのでしょうか。
生田緑地の指定管理者は自然会議の事務局も担当しているはずです。
自然会議を無視した行為に対して、自然会議市民部会事務局として、また自然会議副会長として、厳重に抗議します。

野鳥の森は、私たちが日ごろ保全活動を行っている谷戸の状態と比較すると、非常に荒れた印象を、来園者に与える状態になっていて、 都市公園の植生管理としては酷い状態にあると思ってしまいました。
ただ、コアジサイが咲いてくれていたことでは、ホッとしました。

花は終わって、実になっていましたが、ミミガタテンナンショウを観察しました。
神奈川県植物誌によれば、川崎の記録は 1978 年以前のものが多摩区にあるのみでした。

また、ユキノシタが花盛りでした。



東口、七草峠を経由して、谷戸に降りました。
ハンノキ林には、暫く見ていなかったヒモワタカイガラムシ(メス)の群れが 2 ヶ所に見られました。
これが昆虫だというのですから、驚きです。


湿地地区の観察を行い、2 段目末端部の堰の積み直し、堰手前 2 mほどの所からの水漏れを補修しました。 イネワラを持って来なかったので、竹の枯葉を使いましたが、やり直しが必要でしょう。
堰下に、カワニナが集まっていました。
ウツギが花盛りでしたが、天気が悪く、昆虫はあまり見られませんでした。
トウゴクヘラオモダカは無事に育っていました。
オニスゲは花から実に移りつつありました。






湿地 1 段目のセリバヒエンソウ駆除、カナムグラ除草も行いました。


上の田圃地区のガマズミが咲いていましたが、真っ白ではありません。


田圃にアオサギが来て、何かを漁っていました。
田圃の内側から、畦に向かって、大きな嘴を、勢いよく突き立てる光景が印象的でした。
繁殖のために田圃に出てきたシュレーゲルアオガエルを捕食しているのかも知れません。
木道上を近づいたら、直ぐに、飛び立って、近くの樹上に逃げました。
カルガモは、人間を無視して、夢中で田圃の中を漁り続けていました。


上の田圃の上の段の水が少なくなっていましたが、水漏れ補修は木曜日に行うことにして、予定していた、下の田圃地区の木道沿いの草刈りを行うことにしました。

下の田圃地区の木道沿いの樹林側の草地は、いつの間にか、ノイバラが広がり、土地が乾燥して、オオミゾソバなどは衰退していました。



ヤブマオの枝に、フクラスズメ幼虫がいました。
ヒメジャノメが出てきて、倒れたヨモギの葉の上に止まりました。
暑くなって、マスクをしているとファインダーが曇って、困るようになりました。

   かわさき自然調査団の活動
特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for nature Research and Conservation