生田緑地の生物多様性保全活動

上の田圃下湿地の水辺管理、田圃の水漏れ穴塞ぎ
日時 2020/4/7(火) 10:00〜14:30 晴
場所 生田緑地 上の田圃地区 B06
参加者 岩田臣生、岩田芳美

上の田圃に広がったアズマヒキガエルのオタマジャクシが降雨の度に土嚢堰から溢れた水と一緒に流れ出していました。
田圃下草地に、田圃から流れ出した生物の受け皿として小さな池をつくっていましたが、水漏れが激しくて、水が涸れることが度々起こっています。
今回は、状態を確認して、池を池の状態にしたいと思い、現地を見て、できることを考えて、できるだけのこと行うつもりで、あちこちにスミレが咲く谷戸に降りました。
現地に到着した時には、池には水があり、水底に、流れ出したオタマジャクシが群れていました。


谷戸右岸の沢から流れ込んでいた水の水溜まりをつくり、ここから溢れ出した水が池に入るようにしました。
成虫で越冬するツチイナゴがいて、弱弱しく飛び出して、葉を広げていたウシノミツバの葉陰に隠れました。
池の水漏れを起こしていると思われる箇所には、枯れスゲなどを突っ込んで、その上に泥を押し込んで、穴を塞ぎました。


池から流れ出て、草地末端まで流していた水路の途中に水漏れの無いことを調べ、末端近くのオギの茂みの辺りに、水溜まりをつくりました。
草地には、発芽して 20〜30cm に伸びたイネ科植物が広がっていて、もう水路が見えなくなっている所もありました。
草地では、草が伸び出すと、獣道がはっきりと見えてきます。

田圃端で一休みしていたら、近くで水音がしていました。
調べると、大きな穴から水が流れ出していました。
そこで、田圃の沢側の畦の内側を、全て、手探りで穴を探して、イネワラを突っ込んで、泥を被せて、8 ヶ所ほどの穴を塞ぎました。
田圃の畔から染み出していた水が止まり、勿論、先ほどの水音も消えました。
畦にはタネツケバナが咲き、外側にはムラサキケマンが咲いていました。


カルガモが 2 ペア、田圃にやってきて、お互いに、相手を追い払いながら、水中を突いたり、眠ったりしていました。
昼寝を始めたのには驚きましたが、人がいることが安心に繋がることもあるのだろうと思います。

ヤマザクラの花は終期でしたが、エノキ?の芽吹き盛りになっていました。

水漏れ穴が塞がったことで、田圃は土嚢堰の上からあふれ出る水が増えたようです。


草地には、早くも、セリバヒエンソウが咲き始めていましたので、セリバヒエンソウの駆除も始めました。


活動を終わりにして、辺りの観察をしながら、休み休み、整備事務所に向かいました。
ハンノキ林の林床に、ホウチャクソウが芽を出し、クサソテツの葉と混ざって、新鮮な景観を見せていました。
木道沿いに、ジロボウエンゴサクが咲いていました。
谷戸の保全活動を始めた頃は、アズマネザサのヤブでしかなかったのですから、嬉しい変化です。


萌芽更新地区下の園路沿いのツボスミレも咲き始めました。
萌芽更新地区裾部には、タチツボスミレが広がって咲くようになりました。
こうしたスミレを楽しめるのも、アズマネザサ刈りを続けている成果なのですが、・・・。


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