生田緑地の生物多様性保全

ハンノキ林地区のアズマネザサ刈り

日時 2019/2/19(火) 10:00〜13:00 曇、15℃
場所 生田緑地 ハンノキ林地区 A07
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三

谷戸に降りるとアオゲラが出迎えてくれました。
今回は、ハンノキ林地区の中の 4 つの場所のアズマネザサ刈りを行うことにしました。
@は、ハンノキ林西側木道に接する斜面の裾部です。
ここは、アズマネザサを刈ることで、春にはシュンラン、初夏にはキンラン、ササバギンランなどが楽しめます。


Aは、木道で囲まれる平坦部 A07-06 です。
毎年、ホウチャクソウが花を咲かせていますので、アズマネザサ刈りを行っています。


Bは、A07-10 のハンノキ林上の池の北西のアズマネザサの茂みの隣にある湿地で、中央にヤマコウバシが生えていて、周囲にミヤマシラスゲなどが生育しています。
この湿地を取り囲むように繁茂している縁辺部の太いアズマネザサや、ヤツデ、スギ実生などは除伐しました。
湿地内部のミヤマシラスゲの枯葉や、スイカズラなどと混在している細いアズマネザサも刈りました。
黄緑色の葉を広げていた多数のシャガは抜き取りました。
また、ヤマコウバシ以外の実生木は低い位置で剪定しました。
ただ、湿地と書きましたが、湧水は現在涸れていて、湿地はかなり乾いていました。


Cは、南端 A07-01 です。
疎らながら広がっていたアズマネザサを刈りました。
2007 年からヤマグワ、アカメガシワなどのヤブを伐開して、ハンノキ実生 5 本を移植し、アズマネザサ刈りを続けています。
このハンノキのうち残っているのは 2 本ですが、成長は遅いものの、松果や雄花序が見られます。
ハンノキ林周囲の樹木が大きくなったことで、ハンノキ林が形成された頃の明るい環境に戻すことは考えられませんので、 ハンノキ林の保全は簡単ではありません。
ハンノキ林を再生するには十分な照度が必要だからですが、ガマズミ、オトコエシ、ツルニンジンなどが生育する場所にはなっています。



帰り道、萌芽更新地区裾部のカントリーヘッジで探し物をするハシブトガラス、アズマネザサの茂みに飛び込むクロジ、 繁みから繁みに飛ぶ茶色系の小さな野鳥、木々の梢を移動するエナガ、シジュウカラ、メジロの混群、 地上で餌をあさる 3 羽のキジバトなどに見送られました。

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