生田緑地の生物多様性保全の活動


田圃周辺の止まっていた水流を回復する活動

日時 2016/10/23(日) 9:20〜12:50 晴 
場所 生田緑地 谷戸の田圃周辺
参加者 岩田臣生

谷戸中央水路(ホタルの里整備事業で造成された水路)の末端に水が流れていない原因が、下の田圃に水が入っていないことだと思っていましたが、 この導水パイプを掃除して、田圃に水が入るようにしたのに、田圃からの流れが確認されない状況にありました。
何をすれば解決できるのかが分からないというので、現地を調べて、解決策を考えるために、生田緑地の谷戸に出てきました。

下の田圃へ向かう途中、上の田圃への導水路の樋の水が止まっているのが分かりました。
そこで、水路を調べると、特別大きな穴はありませんでしたが、水路の畔に数カ所、小さな穴が並んでいるようでした。 流れには、ホトケドジョウが群れていました。
怪しい畔部を補修したら、樋から水が出始めましたので、この日は、これで良しとしました。


下の田圃を見ると、極めて浅いものの、水は広がっていましたが、堰下には流れがありませんでした。

奥の状態を調べたいと思いましたが、ヨシなどが繁っていて見えません。
そこで、まずは、水辺沿いの草刈りをザッと済ませました。
隣地境界部分は、繁茂の状態が一際激しかったので、今回は諦めました。

状態をじっくり観察し、解決策は、民地境界側とは反対側の畦沿いに泥上げを行って、水が流れるような溝を掘ることにしました。
ただ、ミゾソバが広がっていましたから、これを畦の上に掬い上げて、更に上に、泥を上げていく方法です。
花が咲いている時に取ってしまうのは残念ですが、水を流すためには、この方法しか無いと思いました。
問題は、10m以上あると思われる範囲の泥上げ作業をやりきる体力があるかという点でした。
とは言え、考えていても仕方ないので、1mぐらいずつ、やっては休んでを繰り返して、何とか、やりきりました。
途中、毎年ホタル・ガイドボランティアに参加してくれている齋藤さんが通りかかり、声をかけてきました。
また、大学時代の友人が、久しぶりに生田緑地散歩にやってきました。
この日は、度々休憩しながら作業していましたので、休んで、少し話をしては、また少し作業をしてということを繰り返しました。
お蔭で、苦しいという意識も無く、田圃の排水堰まで済ませることができました。
堰から下、水流までは、どうかと、木道に上がって、様子を見ると、中央の水路まで流れていました。

下の田圃には、マユタテアカネ、アキアカネ、オオアオイトトンボ、ヒラタアブの仲間?、クロコノマチョウ、キタキチョウ、スジグロシロチョウなどが見られました。


次に、中央水路末端部の水環境調査地点に水が流れているかを調べると、まだ、流れていませんでした。
水路を辿ってみると、洪水で土砂が流され、溜まっているように見える場所がありましたので、その辺りの水路の泥上げを行いました。

木道上で、ゆっくり休憩していると、調査地点の樋から水が出始めました。 流量は少ないものの、調査は可能になったと判断し、この日の活動を終了することにしました。
秋の日差しが爽やかで、ゆったりした時間が流れていました。


1週間前の生田緑地観察会の時は、まだ痩せていたジョロウグモの腹部がパンパンに膨れて、あちこちで目立つようになっていました。


上の田圃では、朝通った時は、赤とんぼが1頭見られただけでしたが、帰りは、赤とんぼが群舞していました。
多分、全てが、マユタテアカネだったと思います。
産卵している♀も数頭いました。
木道の手摺りに止まっているのは♂ばかりで、ゆっくり近づくと、逃げようとしませんでした。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation