生田緑地の谷戸の自然保全活動



雑木林のシラカシ小径木の間伐
日時 2015/1/29(木) 10:00〜12:30 晴
場所 生田緑地 生田緑地整備事務所〜芝生広場の雑木林
参加者 岩田臣生、田村成美、富内雅美

生田緑地の雑木林はジワジワと遷移が進行していて、この時期、雑木林の中に入ると、やたらと常緑樹が目立ちます。
一つは、ヒサカキが亜高木層を優占している場所が沢山あることが分かり対策を検討しました。
2009/10/17の市民部会(里山倶楽部)では菖蒲池南谷戸の植生管理を話し合い、ヒサカキの伐採を計画し、2009/12/6の市民部会において広範囲のヒサカキを伐採しました。
また、2009/10/24の市民部会(里山倶楽部)では枡形山西斜面を調査し、一面に広がるヒサカキの伐採を話し合い、伐採するヒサカキの印づけを行い、後日、北部公園事務所が伐採を行いました。
しかし、亜高木層のヒサカキを伐採しても林床の照度は不十分で、草本や実生の発芽は殆ど見られませんでした。
この結果からクリティカルパスは高木層だということを体験的に知ることとなりました。 菖蒲池南谷戸の場合は、高木層のヒノキなど常緑針葉樹を数本伐採してギャップをつくれるか、草本層の植生は繁茂し始めるかを見るのが、次のステップの管理だと思われます。

もう一つは、各所で高木層にシラカシが入りだしていて、その周囲には数cmから十数cmの太さのシラカシが多数見られるようになっています。
この高木層に樹冠を広げているシラカシの大木は尾根筋などに多く、これらを伐採することによる環境の変化は著しいと思われます。 「取り返しのつく範囲で」ということを考えれば、大木の周囲に生えているシラカシ小径木の除伐から進めてみるのが適切だろうと思います。
水田ビオトープ班では稲目谷戸に面した雑木林の林内を調べると同時に常緑小径木を毎年数本ずつ除伐してきました。
今回も、生態系への影響を少なくするために一箇所ではなく、いくつかの場所で、シラカシ小径木を数本伐採しました。
しかし、林内に入らないと気がつきませんが、10cm未満の小径木は無数にあります。 ですから、5cm以下の小径木は全て伐採するなど、少しペースを上げないと遷移の進行に追いつかないのではないかと考えています。

今回のように、アズマネザサが茂り、落葉層が厚い急斜面は体ごと滑り落ちそうですが、怯むことなく活動する女性団員を見ていると元気をもらえる気がします。
また、里山ボランティアの講習を受けている人からは間違いだと言われそうな行動を指示することになりました。
例えば、急斜面での除伐では伐る高さを高目にし、この切り株を支柱にして、伐採材を積んだこと、 伐採材の枝を細かく伐らないで、ある程度大きいまま、そこに積んだことなどです。


芝生広場ではコゲラのドラミングや時々ギーという声が聞かれました。
草地ではキジバトが地面を突いていました。草の種子でも食べているのでしょうか。
ハンノキ林ではルリビタキ♀が木道の上で遊んでいて、暫く、10mほどの距離での観察を楽しませてくれました。
ピクニック広場の辺りではガビチョウが煩く鳴いていて、がっかりさせられました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation