生田緑地の谷戸の自然保全活動


生田緑地のミズタマソウが咲く季節になりました。



雨後の水の管理、田圃雑草の管理、アズマネザサ採取
日時 2013/8/13(火) 10:30〜14:00 晴
場所 生田緑地
参加者 岩田臣生

昨夜は川崎でも雷雨となり、非常に多くの落雷がありました。そして待望の雨が降りました。
乾ききったところへの雨でしたが、水辺の状態が気になり、生田緑地に出かけました。 また、次回の里山の自然学校「夏の里山」に使えそうな里山の恵みを探すことも行うことにしました。

谷戸に降りると、ハンノキ林上の池にホテイアオイが持ち込まれていました。 今年、4回目です。 これは掬い上げて捨てました。
かなり長期間濁っていた水は少し澄んでいました。 オオシオカラトンボが2匹来ていました。

ハンノキ林に入った所で、ツクツクボウシが鳴いていました。 今年の初認です。

湿地へ流れる水流は回復していました。 1段目、2段目の流れは問題無いようです。
楽しみにしていた田圃雑草の花が咲いていました。 しかし、全体的に草の勢いが凄いので、少し選択的草刈りをした方がいいかも知れません。

梅畑を出た所で、ヌスビトハギが刈り取られていることに気がつきました。 鎌で斜め切りをしてあり、刈ったものは近くに捨てられていました。
ここのヌスビトハギは1株だけで周囲に広がるわけではないので、多様な植物のうちの一つとして花や実を楽しんでいたものです。 誰が、何のために、このようなことをするのか理解できません。

上の田圃への導水路は案の定、泥が溜まって、折角の恵みの水が溢れ出ていましたので、これを補修しました。

上の田圃の稲は出穂し、葯を覗かせていました。
稲の間から、イヌビユなどの田圃雑草が大きく成長しているのが見えます。 稲の花が咲き始める前に、少し除草をしておくべきだったと思います。 稲の花が咲きだした今となっては、少し様子を見るべきと思います。
オオシオカラトンボやシオカラトンボが10匹ぐらい集まっているようです。 オニヤンマは、谷戸の中央の上空を上下する個体と水流の水面近くを飛翔している個体がいます。




下の田圃に向かう途中で、コジュケイの親子に出会いました。
木道の直ぐ側のミヤマシラスゲの茂みの中から、はじめに、母親が飛び出して5m程離れた茂みに降りました。 これに続いて子どもが3羽、流れを飛び越えて、後を追いました。 そして、最後に父親が飛び出し、木の枝に止まって、暫く警戒の声を発していました。 でも驚いたのは私の方で、何もできずに見ていました。

下の田圃の稲も無事に出穂していました。
コナギが一段と増えて、花も咲かせていました。



谷戸の水辺調べとして城山下谷戸の水流も観察しましたが、こちらは相変わらず流量は少なく、谷戸の途中で消えていました。

また、勿論ですが、谷戸の水辺で守っている植物の状態も調べました。
田圃雑草の場合は、昔のスタイルの適度な水田耕作を行っていれば、それが保護活動にもなると思っています。 しかし、一度壊されてしまった田圃は田圃にすることが困難で、湿地にするための活動をしていますが、これがなかなか大変です。

次回の里山の自然学校で使う里山の恵みの一つはアズマネザサにしました。 里山管理としては只管、下草刈りとして刈り取る作業をしている対象ですが、このアズマネザサの太くて、大きなものは篠竹と呼ばれて様々に利用されてきたものです。
生田緑地でもいくつかの場所では太くて、大きなアズマネザサが生育しています。 今回は、これを使わせてもらうことにして、数本採取しました。 そして、これを持ち帰って、子どもたちに作れそうなものを試すことにしました。
また、いくつかの草の葉も採取しました。これも目論んでいることができそうかを試します。

生田緑地の谷戸の自然保全活動のメインページへ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation