生田緑地の谷戸の自然保全活動




倒木の片付け、水辺の状態確認など
日時 2012/7/16(月) 10:30〜15:10 晴
場所 生田緑地
参加者 岩田臣生、岩田芳美

14日(土)に「グリーンアドベンチャー38番のコナラが倒れた。」という連絡がありました。 園路を塞いだため、公園管理事務所で園路部分は除伐したそうです。 その除伐した材をどのように処理したらいいのか、片付けてもらえるかという連絡でした。
稲目谷戸内のことなので、片付けられることならやろうと思いました。
管理事務所に寄って、現地まで案内してもらい、確認しました。
除伐した材は園路脇に積んであり、先を伐られた幹が園路に向かって突き出ていました。 園路景観としては良くありません。
業者に片付けてもらうには、作業量が少なく、これでは、いつ処理されるか分かりません。 また、昨秋の折れたコナラの処理は余りにも雑でしたので、植生に無駄な負荷を与えることになるのは避けたいと思いました。 そこで、片付けてしまうことにしました。


私たちはチェーンソウを使いません。 ノコギリを使って、園路側から1m程度の長さで切り落としていきました。
流石に、少しずつ太くなって、4回目は途中でも休憩を入れないと続けられませんでした。 汗がダラダラと、顔から流れ落ちてきました。

コナラ倒木の小枝などは、近くのカントリーヘッジに運びました。

コナラの倒木を切断していて、足元に、見なれた葉が出ていることに気が付きました。 ナガバノスミレサイシンの葉のようです。
アズマネザサの繁みの中で、人知れず咲いていたのかも知れません。
万葉公園との間のササヤブは哺乳類や鳥類のために残した方がいいと思いますが、園路に面した小さな斜面の部分はアズマネザサを刈らせてもらいたいと思いました。 数年で、ナガバノスミレサイシンが広がってくれると思います。

何人もの来園者が通りました。 そんな中に、田圃はここを行けばいいのかと聞く老夫婦がいました。 道を知らないのに、田圃に行きたいという人は珍しいので、不思議に思ったのですが、猛暑の中の作業で話をする元気がなく、そっけなく見送ってしまいました。
後で、公園事務所の佐々木さんから、公園事務所を訪ねてきた人であること、孫が里山の自然学校の参加者だったということを聞きました。 孫が田植えをした田圃を見に来たようです。


作業後、昨年復活したウバユリの様子を見に行きました。
ところが、春に周囲のササや草を刈っておいた株が無くなっていました。 盗まれたようです。
ただ、草に埋もれていた株は残って、蕾をつけていました。 管理しているということを表示したほうが良いかも知れません。
オカトラノオが咲いていました。
オカトラノオ オカトラノオ

雨の後の水辺の点検をしておくことにしました。
上の田圃への導水路の途中に穴が開いて、水が田圃に流れていませんでした。 下の段は既に水が涸れていました。
何も道具を持ってきていませんでしたが、穴を見つけて枯草と泥で塞ぎました。 どうもサワガニが開けたもののようです。
水流から取り入れている部分に落葉がたまっていたので取り除こうとすると、アズマヒキガエルが現れました。 このアズマヒキガエルは動きが素早くて、一瞬、何だろうと驚かされました。
各所にたまっていた落葉を取り除くと、水は勢い良く流れだし、やがて田圃に入りだしました。


下の田圃も見ましたが、こちらは水が入っているようでした。


さらに湿地の水を確認しました。
水は入っているのですが1段目から2段目へは流れていません。 どこかに穴が開いたようです。 長靴を履いて、いくつかの道具を持ってこないと手に負えません。 作業は次回にすることにしました。

生田緑地の来園者が増えて、マナーの悪い人?も増えました。
本人はカブトムシは雑木林や落葉だめで採集するもので、それが悪いとは認識していません。 書籍、その他の情報は、ペットショップで買うものではなく、そういう場所で採集するものだと教えています。
生田緑地では<生物の採集は禁止>としていますが、子どもたちが夢中になって採集しているのを止めなさいとは言えません。 でも、良く見かける光景は、子どもはカゴを持っているだけで、お父さんやお母さんが夢中になって採集している姿です。
しかも、そこに何が生えているかなどはお構いなしに、柵を乗り越えて雑木林に入っています。 或いは、落葉だめを、そこにはサナギもいるのですが、そんなことにはお構いなしに、掘り返してカブトムシを採集しています。
市街地の中の里山の甲虫にとって受難の季節です。 余りに大勢の人が訪れ、田舎の野山を歩き回っている気分になって、昆虫採集に夢中になっています。 大勢の来園者があることは生田緑地が評価されていることだと思いますが、その多さは、そろそろ「採集できるのは子供だけ」にしないと負荷に耐えられなくなりそうな勢いです。

生田緑地の谷戸の自然保全活動のメインページへ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation