生田緑地の谷戸の自然保全活動



田起こし
日時 2012/5/13(日) 10:00〜12:30 快晴
場所 生田緑地 上の田圃
参加者 岩田臣生、岩田芳美、水上 健

上の田圃の下の段は2006年に再生したものですが、未だに田圃の土になっていません。
今年2度目の田起こしをすることにしました。

谷戸へ降りる前にトイレに行ったら綺麗な蛾がいました。
スジベニコケガのようです。5〜9月に出現する蛾です。
スジベニコケガ
ハンノキ林の木道の手摺りにはミノウスバの幼虫が並んで歩いていました。
この季節、手摺りの上には様々なイモムシ、毛虫がいます。 どこから、何のために、手摺りの上に登ってくるのか、それとも降りてくるのか、そして、どこに行くのか分かりません。


上の田圃の上側の草地のハルジオンにはアオスジアゲハが6〜7個体、吸蜜に来ていました。
ハルジオンは咲き始めると目立って、こんなにあったのかと思うのですが、チョウ類の吸蜜源になっているので駆除していません。
アオスジアゲハの幼虫はクスノキやシロダモなどのクスノキ科の植物の葉を食べて育ちます。 都会の市街地にはクスノキがよく植栽されるためか、都会のチョウになっています。 生田緑地の田圃周辺の草地では、こんなアオスジアゲハが群れている景色が見られます。

水上さんの本業は水辺の生物の調査なのですが、 今年のアズマヒキガエルは例年よりも多かった場所と、産卵が見られなかった場所の2極に分かれているという話をしていました。
生田緑地の谷戸では数倍と多かったのですが、排水口に近いところにいたオタマジャクシはザリガニ穴から水が抜けた時に一緒に流れ出てしまったようです。 排水口の外に黒い塊が蠢いていました。
それでも、まだ沢山のオタマジャクシが田圃にいて、この日も来園者を楽しませています。

上の田圃の下の段の田起こしを始めました。
ところが、田起こしを始めた途端に、4月10日の田起こしでひっくり返してあった土の塊の陰からシュレーゲルアオガエルの卵塊が出てきました。
後から後から、見つかる度に避難させて、この田圃で6塊を邪魔にならないところに移動することになりました。
谷戸の田圃はアズマヒキガエルとシュレーゲルアオガエルの揺籃場になっています。
このシュレーゲルアオガエルの親たちが水辺に集まって来る頃になるとシマヘビが田圃に出てきます。 また、オタマジャクシを狙ってヒバカリもやってきます。

田圃の中の小さな水溜まりにアオミドロが繁茂していて、そこにイトトンボのヤゴがいました。 オオアオイトトンボのヤゴのようです。 田起こし中の避難場所をつくって、手で掬って、移動させました。 移動できたのは20個体ぐらいでした。 網もバケツも用意していなかったので、全てを救出することは出来なかったと思います。

上の段にはシオカラトンボ♂1、クロスジギンヤンマ1が来ていました。
ヤマトクロスジヘビトンボ1が飛び出しました。
田起こし後の田圃の水に僅かに浸かっている地面の上を小さなアメリカザリガニが何匹も歩きだしているのを来園者が見つけて、眺めていました。
作業後のアメリカザリガニ駆除が有効なのかも知れません。

帰り道、オカタツナミが咲き始めていました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation