生田緑地の谷戸の自然保全活動

活動後の景観 (上)草刈りをした区域内から、(下)園路側から


草刈り
日時 2011/11/17(木) 10:30〜14:00 曇
場所 生田緑地城山下谷戸苗木畑周辺
参加者 岩田臣生、岩田芳美

次回の里山倶楽部Bは参加者が少なそうなことと、苗木畑の苗木や地上部が枯れていない幾つかの野草の保護のためのササ刈りを 事前に済ませておこうと考え、前回から城山下谷戸のササ刈りを始めました。 この日は前回の続きで、園路に面した部分のササ刈りを行うことにしました。
城山下谷戸へは芝生の消えた芝生広場を通って行きますが、谷戸へ降りる場所を撮影した古い写真がありましたので比べて見て戴きたいと思います。
次の2枚の写真の上が現在のもので、下が1984年3月の雪の日の写真です。
27年前には、樹木も細く、戸隠不動尊が見えていました。


そこを降りて直ぐの左側の区域について、次回(19日)の里山倶楽部Bで植生管理を行う予定です。
この城山下谷戸地区は、昨年12月〜今年2月の間に高木以外の全ての植物を除伐した地区です。
4月2日の里山倶楽部Aの時には、自然探勝路の分岐点周辺に分布しているアブラチャンの満開の花を、この区域から観察することができました。
4月16日の里山倶楽部Bの時には、区域内にウラシマソウが数本生育しているのを参加者全員で観察しました。
その後、アズマネザサが生育し、やがてその上をカナムグラが覆ってしまいました。 その中にどんなものが生育しているのかと思い観察調査を行いましたが、ベニバナボロギクが目立つだけでした。
このベニバナボロギクについては、「半栽培の環境社会学」(昭和堂)の中に、西谷大(2003)の中国海南島の初保村での調査によって、 焼き畑周辺エリアのベニバナボロギク、テリミノイヌホオズキなどを食用にしている事例があげられていることが印象に残っていて、 今まで単純に外来種として見ていたものの文化的側面に関心を抱くようになっています。
この地区の水流の西側の区域については、保護しておきたい植物があるため、園路から2mほどの範囲の選択的ササ刈りを行いました。

紫色に熟したノササゲの実は捨てるにしのびず、柵にかけておいたところ、通りかかった来園者が立ち止まって、 これは何かという話になり、少し持ち帰っていきました。

水流の東側、苗木畑のある側は、ササ刈りの続きを行ない、水田ビオトープ班の活動として、必要な全てを作業を終えました。
こちらは、2007年2月まで住宅が建っていた場所で、その後、北部公園事務所の了解を得て苗木畑にしようとしたのですが、 スコップがささらない程、土が硬かったのです。
このため、おし沼峠の道路工事で出た土を入れてもらって苗木畑とし、クヌギ、コナラのドングリを植え込みました。
発芽した苗は、2009年5月に生田緑地の植樹祭のために殆ど全てを供出しましたが、取り残したものと、その年に蒔いたドングリから発芽したものが育っています。
来年5〜6月には間引きをしなければならない状態になっています。 この地区の土を入れていない場所、萌芽更新地区、ピクニック広場周辺などに移植して育てる実験ができそうです。 今後、検討していきたいと思います。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation